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ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや原っぱカウンセリングなどをやっています

グッゲンビュール・クレイグ(山中康裕監訳)『老愚者考-現代の神話についての考察』2007・新曜社

2025年02月25日 | ユング心理学に学ぶ

 2019年のブログです

     *

 本棚を眺めていたら、「老」とか「愚」とかいうじーじにぴったりの文字(?)が目に飛び込んできて、思わず手に取ってしまいました。

 『老愚者考-現代の神話についての考察』(2007・新曜社)。

 よく見ると、じーじがユング派の中で一番好きなグッゲンビュール・クレイグさん。

 『心理療法の光と影』や『結婚の深層』などという名著があります。

 そして、訳者があの山中康裕さん(今ごろ気づくなんて、山中さん、ごめんなさい)。

 これは読まずにはすませられません。

 久しぶりに再読をしました。

 付箋やアンダーラインで賑やかですが、例によって、あまり記憶がありません。 

 新鮮な気持ちで読みました。

 副題にあるように、現代社会に見られるさまざまな神話について検討しています。

 平等神話や進歩神話、教育神話などなど、いくつかの神話を丁寧に検討し、その意味と功罪を論じます。

 どれもが、ある時期のスローガンとしては大切な概念なのですが、今の世の中に見られるようにそれらが一面的になってしまうと硬直化してしまい、弊害が大きくなってしまいます。

 グッゲンビュール・クレイグさんは神話の一面化、硬直化の弊害を警告し、柔軟で矛盾に富んだ豊かな存在であることを提唱します。

 一方で、科学より神話の中から生きるために大切なものが出てくる、とも述べられ、神話の大切さを説かれます。

 そして、人間が最後に直面する老いの問題を論じます。

 グッゲンビュール・クレイグさんは、ユング派がいう老賢者の神話がやはり世俗化してしまい、それより老愚者のほうがいいのではないか、と主張されます。

 何もせずに、いるだけで意味のある老愚者、の勧めです。

 なかなか意味の深いお話で、参考になります。

 じーじも老愚者をめざして、さらに勉強をしていこうと思いました。         (2019. 10 記)

     *

 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事 心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

 mail  yuwa0421family@gmail.com   


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