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ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや原っぱカウンセリングなどをやっています

河合俊雄「最終講義-発達障害の心理療法と物語の縁起」2023・河合隼雄財団

2025年04月10日 | ユング心理学に学ぶ

 2023年4月のブログです

     *

 河合俊雄さんの「最終講義-発達障害の心理療法と物語の縁起」(2023・河合隼雄財団)のビデオを観る。

 文字通り、河合さんの京都大学での最終講義。

 ご自分が大学院生の時に担当をした小学校低学年の発達障害の男の子のプレイセラピーの事例検討を通じて、発達障害の心理療法について論じる。

 これがすごい。

 当時のケースを40年後の今の河合さんがコメントをしていくのだが、そのコメントの数と奥深さがすばらしい。

 じーじは家裁調査官の時に、先輩から、仮説は少なくとも三つ以上持ちなさい、と教わったが、河合さんはケースの仮説を十も二十も提示して、その有効性を検証する。さすがだ。

 そして、発達障害については、世間的には訓練や教育が有効で、心理療法には否定的な空気がある中で、河合さんは心理療法の有効性を強く示唆する。

 訓練や教育だけでは解決できないような、子どもの深い部分での障害を、プレイセラピーの中で、子どもの物語の変容を通じて変えていく手だてを示す(これで合っていると思うけど…)。

 治療者が子どものこころの世界に降りていき、くたくたになりながらもつきあい、子どもが自然と変わる様子が示され、興味深い。

 しかも、今の河合さんから見たすばらしいコメントと解説が添えられるので、観ているわれわれは素敵な劇を見ているような印象を受けて、感動的にすら思える。

 ちからのある臨床家というのは本当にすごいなあ、と感心させられる。

 今回は山王教育研究所のご紹介でこのビデオを拝見したが、ご配慮に感謝したい。

 もっともっと勉強を深めて、臨床のちからをつけていきたいと思う。         (2023.4 記)

     *     

 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

 mail  yuwa0421family@gmail.com  


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