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  碧き地平線の記憶

この小さき世界の中で

法か倫理か、救命士の処分   法とは何か?

2011-06-03 21:22:02 | Weblog
静岡県内の東名高速道路で4月中旬、交通事故の現場で静脈路確保の救命処置を行った茨城県石岡市消防本部の救急救命士の男性(54)が、5月31日付で同本部から停職6か月の懲戒処分を受けた。消防署から持ち出した注射針などを使用し、勤務時間外に医師の指示を受けずに処置を行ったことが、関係法令に抵触する可能性が高いと判断されたためだ。愛知県常滑市でも2月、職務中の救急救命士が、現行法が禁止する心肺停止前の患者に点滴を行った事件が発生しており、法律と倫理のどちらを優先させるかをめぐって、インターネット上で議論が巻き起こっている。石岡市消防本部によると、男性は4月14日午後、東名高速道路で発生した交通事故の負傷者を救うため、意識のあるけが人に静脈路確保を行った。現行法で救急救命士は、医師の指示がなければ救命処置ができないうえ、静脈路確保は心肺停止の患者に対してのみ許されている。男性は、「法律に触れる可能性があることは分かっていたが、助けたい一心だった」という。
 使用された注射針などは消防署の備品で、男性はその管理を任されており、懲戒処分を受けた5月31日に男性は依願退職した。鈴木徳松消防長は、「人命救助を目的とした行動であっても、関係法規に抵触する可能性が極めて高く、誠に遺憾(いかん)だ」とコメントしている。救急救命士の違法行為をめぐっては、愛知県常滑市で2月、交通事故の負傷者を病院に搬送した男性(38)が、救急救命士法が禁止する心肺停止前の患者に点滴を行ったことが報道されている。市消防本部によると、男性は「何とかしてあげたいと思った」と話しており、同本部では現在、医師や県の関係者を交えた検証会議で男性の処分について検討している。

■非番の日に生かせない免許

 石岡市消防本部の救急救命士の懲戒処分について、インターネット掲示板では、「情状酌量の余地アリだろ」「目の前に消えそうな命があるのに助けちゃだめなんて救命士だれが志すんだよ」「こういうのがあると現場はやる気なくすんだよな。救える命が救えなくなるかもな」といった同情論がある一方、「自分の都合で平気で法を犯すような人間、組織としてもこんなの面倒みきれんわ」「助けた事はいいと思うけど、注射針持ち出しはちょっと理解に苦しむ」「むしろこの行為によって助からなかったってことが無かったんだから良いかってくらいだ」などの意見も出ている。
日本救急救命士協会の鈴木哲司会長は、男性が備品を持ち出したり、医師の具体的な指示を受けずに、意識のある傷病者に静脈路確保を行ったりしたことを問題視し、「報道が感情論に走っているのが気になる」と指摘する一方、「非番の日に免許が生かせない。これが救急救命士の実情なんです」と打ち明ける。
法律上、救急救命士として職務が行えるのは原則、救急車の中だけ。このため、車内にいなければ救急救命処置を行えないのが現状だ。東日本大震災の発生を受け、厚生労働省は3月、救急救命士が行う心肺停止患者への医療行為について、被災地の通信事情の悪化で医師の指示を得られない場合でも、違法行為には当たらないとする通知を都道府県などに出しているが、「被災地に行っても、その技術を生かす機会のない救急救命士が大半」(鈴木会長)という。
救急救命士の職域拡大は、政府の行政刷新会議の分科会が1月にまとめた検討項目に含まれており、内閣府と厚労省の政務三役は月内にも、震災の影響で休止していた協議を再開させる方針だ。

● 今日のニュースで、この記事を見た。
当然、是非が出る行為だが、反対の意見を言っている人間が、もし治療される本人になっていたらどうだろう?
このような事例が出ると必ず「法に触れる」「悪法も法なり」と言うが、はたして「法」とは、何なのだろう?
あの「生類憐みの令」も正しい「法」だったというのだろうか?
この救命士は、全て分かっていて処置をのだろう。またそうすれば、自分の人生や家庭が破壊される事も。
それでも、目の前の命を助けたかったのだろう。現場では、1秒の判断を迫られる。
処置をしないと、無罪・・・だが、そうしたら、この救命士は、一生、後悔の念に苛まれるだろう。
看護師、救命士、医療に携ろうとする人間は、必ず心の奥に、人を助けたいと思っている人間だと聞く。
そうでないと、絶対に長く勤まらないとも。
「法」は、その時の為政者、支配者達の都合で作られている事は、歴史をみても明らかだ。
絶対値?の「法」は、あっけなく、ころころ簡単に変わる。原発などは、その最たるものの一つだ。
いつの時代も、現場の最前線で働く人間が、犠牲になって行く。
人の、命は、蟻より軽いのだ。


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