2004年度作品。フランス=セネガル映画。
アフリカ地域でいまも行なわれる女子割礼。その割礼から逃れる4人の少女がコレの元へ逃げ込み、コレは彼女らを保護することに決める。これに保守的な村人が反発、騒動が持ち上がる。
第57回カンヌ国際映画祭 ある視点部門グランプリ。
監督はアフリカ映画の父とたたえられるウスマン・センベーヌ。
もう少し短くできる内容の映画だ。特に前半は冗長で、若干退屈にさえ感じられた。しかし村長の息子が村に帰ってくるあたりからだいぶおもしろくなってくる。エンタメという視点からすればそれで及第点だろう。
さて、この映画のテーマは女子割礼に対する警告である。
割礼は下手したら出血で死ぬこともありうる危険な行為だが、一般的な村の女性たちは疑問には思っていても、それに対して行動するわけでない。コレも、ラジオという文明の利器がなければあそこまで積極的に活動していたかは疑問だ。しかし経過はともあれ、コレは因習に立ち向かうために行動を起こしている。
コレの行動を理解してくれる人間は、少数だ。実際危険に接している女性陣も、昔から続いているという概念にしばられて、疑問に思っていてもコレと同じように行動することはできないでいる。主人公のコレにとっては、味方の少ない大変な戦いだ。
でも自分が負けてしまったら、今後も割礼という疑問の多い風習が残り続けることに気付いていたのだろう。それゆえ彼女の行動と、その意志に敬意を抱かざるをえない。
特にムチで打たれるシーンは感動的だ。そのシーンからは彼女の信念と勇気が仄見えて胸を打つ。人間の尊厳を感じさせる麗しい場面だ。
そしてそんな彼女の行動が、他人の心を変えていく様は何ともすばらしい。
因習の中には理不尽なものだって存在するものだ。しかし伝統があるという理由でみんなが疑問をもちながらも口に出して反攻できないことだってある。しかしそういった理不尽に立ち向かい、悪しき習慣を断ち切るのは最後は人間の力と勇気に因らざるをえない。
本作は行動するという勇気の美しさを伝える、すばらしい一品だと感じた。
評価:★★★★(満点は★★★★★)
アフリカ地域でいまも行なわれる女子割礼。その割礼から逃れる4人の少女がコレの元へ逃げ込み、コレは彼女らを保護することに決める。これに保守的な村人が反発、騒動が持ち上がる。
第57回カンヌ国際映画祭 ある視点部門グランプリ。
監督はアフリカ映画の父とたたえられるウスマン・センベーヌ。
もう少し短くできる内容の映画だ。特に前半は冗長で、若干退屈にさえ感じられた。しかし村長の息子が村に帰ってくるあたりからだいぶおもしろくなってくる。エンタメという視点からすればそれで及第点だろう。
さて、この映画のテーマは女子割礼に対する警告である。
割礼は下手したら出血で死ぬこともありうる危険な行為だが、一般的な村の女性たちは疑問には思っていても、それに対して行動するわけでない。コレも、ラジオという文明の利器がなければあそこまで積極的に活動していたかは疑問だ。しかし経過はともあれ、コレは因習に立ち向かうために行動を起こしている。
コレの行動を理解してくれる人間は、少数だ。実際危険に接している女性陣も、昔から続いているという概念にしばられて、疑問に思っていてもコレと同じように行動することはできないでいる。主人公のコレにとっては、味方の少ない大変な戦いだ。
でも自分が負けてしまったら、今後も割礼という疑問の多い風習が残り続けることに気付いていたのだろう。それゆえ彼女の行動と、その意志に敬意を抱かざるをえない。
特にムチで打たれるシーンは感動的だ。そのシーンからは彼女の信念と勇気が仄見えて胸を打つ。人間の尊厳を感じさせる麗しい場面だ。
そしてそんな彼女の行動が、他人の心を変えていく様は何ともすばらしい。
因習の中には理不尽なものだって存在するものだ。しかし伝統があるという理由でみんなが疑問をもちながらも口に出して反攻できないことだってある。しかしそういった理不尽に立ち向かい、悪しき習慣を断ち切るのは最後は人間の力と勇気に因らざるをえない。
本作は行動するという勇気の美しさを伝える、すばらしい一品だと感じた。
評価:★★★★(満点は★★★★★)