唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

短気

2006-10-04 21:13:06 | Weblog
「大変な事を受けてしまった」

「交州=今のベトナム といえば猛暑熱帯の地だ、到底生きてかえってはこれまい」

瀛州刺史盧祖尚が太宗に呼び出されたのは昨日の事であった。

「交州の政治が乱れている、卿にお願いしたい」

唐初の群雄の一人ではあったが、周囲より押し立てられただけ

民治にはすぐれ、大望はない祖尚であった。

しかし年老いて、故郷を離れることを考えると後悔の念が突き上げてきた。

「やっぱり断ろう、たとえ官を免ぜられることになっても」

祖尚は上書して命を断った。

太宗は驚き再考を促した。

「匹夫といえども、一度受けたことは守るのだ。ましてや卿ほどのものが」

しかし祖尚は頑として受けなかった。

元々短気で血の気の多い太宗である。

軽んじられていると感じると我を忘れる事が多かった。

「朕の命を受けられぬというなら臣ではない、斬ってしまえ!」

祖尚は引きずり出され、殿下で斬られた。
コメント
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