唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

受忍

2006-10-06 15:26:59 | Weblog
宰相婁師徳の所に弟が代州刺史就任の挨拶にやってきた。

「儂が宰相、お前が刺史となり我家の栄えは恐いほどだな」

「こういう時は人のねたみそねみを受けやすいものだ」

「儂はいつも人に気をつかっているのだよ」

「お前も人のうらみを受けないようにしてくれよ」

弟は言った

「私も、忍耐をするようにこころがけていますよ」

「人が顔にツバを吐きかけてきても、黙ってぬぐってがまんします」

師徳は嘆息した。

「だから、お前は心がけができていないのだ」

「ツバをぬぐうということは、反抗をしめすのだ」

「私なら、笑って受けて、乾くまでそのままにしておくよ」

則天時、多くの宰相が罪せられたが、

師徳は職を全うして引退することができた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする