宰相婁師徳の所に弟が代州刺史就任の挨拶にやってきた。
「儂が宰相、お前が刺史となり我家の栄えは恐いほどだな」
「こういう時は人のねたみそねみを受けやすいものだ」
「儂はいつも人に気をつかっているのだよ」
「お前も人のうらみを受けないようにしてくれよ」
弟は言った
「私も、忍耐をするようにこころがけていますよ」
「人が顔にツバを吐きかけてきても、黙ってぬぐってがまんします」
師徳は嘆息した。
「だから、お前は心がけができていないのだ」
「ツバをぬぐうということは、反抗をしめすのだ」
「私なら、笑って受けて、乾くまでそのままにしておくよ」
則天時、多くの宰相が罪せられたが、
師徳は職を全うして引退することができた。
「儂が宰相、お前が刺史となり我家の栄えは恐いほどだな」
「こういう時は人のねたみそねみを受けやすいものだ」
「儂はいつも人に気をつかっているのだよ」
「お前も人のうらみを受けないようにしてくれよ」
弟は言った
「私も、忍耐をするようにこころがけていますよ」
「人が顔にツバを吐きかけてきても、黙ってぬぐってがまんします」
師徳は嘆息した。
「だから、お前は心がけができていないのだ」
「ツバをぬぐうということは、反抗をしめすのだ」
「私なら、笑って受けて、乾くまでそのままにしておくよ」
則天時、多くの宰相が罪せられたが、
師徳は職を全うして引退することができた。