唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

臆人

2006-10-11 18:16:11 | Weblog
「張昌宗や易之達を斬るのは当然だがな・・・」

「母皇帝を驚かせるようなことになるのは困る・・・」

桓彦範達は気が気ではなかった。

兵力を集めて則天廃位のクーデターが始まったのに

肝腎の皇太子がぐずぐず言って出馬しようとしないのだ。

どんどんムダな時間が経っていく。

このままでは皇帝側に気づかれてしまうかもしれない。

しびれを切らした李湛が叫んだ。

「太子!、兵士をはじめ皆の者は命をかけているのです」

「失敗すれば家族もろとも最後なのです」

「その者達を見捨てるおつもりですか」

「いや、そんなつもりはないが、他に方法はないのか・・・」

太子はなおも煮え切らない。

「兵が待ちかねています、太子みずからおさとしください」

そういって、彦範達はむりやり太子を抱えて連れ出した。

そして馬にのせて、進軍を始めた。

殿中に乱入し、出会った張易之・昌宗を切り棄てると

さすがに太子=中宗も覚悟を決めることとなった。

コメント
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