ただ生きるのではなく、よく生きる

自然の法則をとらえ、善(よ)く生きるために役に立つ情報を探して考えてみる

どうしなければならぬという主義がいけない

2017-01-17 18:20:05 | 知恵の情報
その「無理にも」ということが、いつでも「思想の矛盾」であり、強迫観念の形に
なるからいけない。「こうしなくてはならない」ということが、葛藤になり、抵抗に
なって、自然の心の流動を閉塞してしまうことになる。

仕事が興に乗じて、面白くてたまらぬとかいうときに、これをほかに転換しようと
することは、当然難しいことである。すなわちその心持は、そのままにして、これに
対して、あえて反抗を試みないでおき、一方には、気軽に、ウーンと身体の伸びを
するとか、立って帯を結び変えるとか、ちょっと引き出しの中を整理するとか・・・
これは仕事の能率に関係しない。些少の時間であるから抵抗なしにできる。
このときに、「無理にも」とかいうような心の葛藤がなかったときは、伸びをした
拍子に、ふと額面の字が目にとまるとか、縁に犬がきたとか、必ず何かと心が
開発されて、仕事の転換ができるようになる。これは体験を積まなければ、
理屈ではけっしてわからない。ともかくもこれに対して、最も必要な条件は、
くれぐれも「こうしなければならぬ」という心の抵抗をなくすることである。

─『現代に生きる森田正馬のことば』
生活の発見会編 I 悩みには意味がある 白揚社より

■強迫観念というのは自分の精神的ありかたで受けてしまうことがある。
自分にきびしく、こうでならなくてはいけないと、理想に現実を忘れ、できないこと
をできると思い込むことから、「思想の矛盾」と森田氏がおっしゃる考え方になり、
ゆがみがでてくる。できるだけ、あるがままにものごとをとらえることを自分の
信条にしていくことが大切だ。

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