ただ生きるのではなく、よく生きる

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人間そのものになりきった ありさま、「事実唯真(じじつゆいしん)」である

2017-07-04 19:15:06 | 知恵の情報
本当の大悟徹底は、恐るべきを恐れ、逃げるべきをにげ、落ち着くべきを落ち着くので、
臨機応変ピッタリと人生に適応し、あてはまっていくのをいい、人間そのものになりきった
ありさまを言うのである。

心悸亢進でも、梅毒恐怖でも、当然おそるべきを恐れ、注意し、用心すべきをするのが
「事実唯真(じじつゆいしん)」である。恐るべきを恐れてならないというのを「思想の矛盾」
といいい、悪智といい、それは決して人間の心情の事実ではないのである。

不道徳をすれば、将来罰をうける。その恐怖がどうしてなくなったか。つまり、泥棒を
すれば、監獄にいく。食べ過ぎれば、下痢をする。ゴロ寝をすれば風邪をひく。事実唯真。
どうにもしかたがない。ただ事実に服従する。しかたがないから往生する。というだけのことで、
強迫観念が治る。泥棒をしてつかまらないようにしよう、いか物食いをして下痢しないでおこう
と思うから、強迫観念になるのである。しかしこれはこのことが会得され、覚悟し、体験
して、はじめてわかることで、「もし強迫観念の苦痛が、そんな簡単なことで治るなら、
自分もこれから、そうしよう」という理屈や工夫では治らない。

─『現代に生きる森田正馬のことば 生活の発見会編II 新しい自分で生きる』
 生活の発見会 白揚社より

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