ただ生きるのではなく、よく生きる

自然の法則をとらえ、善(よ)く生きるために役に立つ情報を探して考えてみる

まず自分が憎むことをやめる──日野原重明

2016-06-30 18:38:34 | 知恵の情報
いさかいのあるときこそ、私たちは、自分と相手の「どちらが正しいか」ということに
心をとらわれるのではなく、人の生きる道として「何が正しいか」を問えるようでなけ
ればなりません。こうして、問いの方向を転換することができれば、そこから出てくる
行動も自ずと違ってくるはずです。相手がどうあれ、まず自分に何ができるかを
問い、自分が変わることが求められているのです。

まず自分を変えると言う勇気ある行動を私たちは、1938年にアメリカのフランク・
ブックマン(1878~1961)が起こした平和運動MRA(Moral Re-Armamennto
=道徳的再武装)に見ることができます。ブックマンはまだ人々の心が第二次世界
大戦直後のドイツへの憎しみにとらわれていたヨーロッパ各地を廻って、
「ドイツを憎み続けたままで、平和に向けたヨーロッパの復興が実現できるでしょうか」
と一人ひとりに問い、
「まず自分が自分の心のなかから憎しみを捨てる」
という行動を起こす意味を訴えました。

政府や国家の思惑やその歩む方向を一斉に変えることは至難であっても、湖に
投げ込まれた小石の波紋のように、小さな存在ある一人ひとりが自らの考えと
行動をかえることによって、それが徐々に周辺に波及してついには大きなうねり
になることをブックマンは信じ、そして行動したのです。

武器によってではなく、一人ひとりの心の変革によって世界を平和に導こうとした
このMRA精神運動は、「変革へのイニシエーター(創始者)」(Initiatives of
Change)と名称を変えたいまも、世界各地で、また日本では相馬雪香さんらを
中心に活動が継続されています。

─『続生き方上手』日野原重明著 ユーリーグ株式会社刊より


「自分の気に入らないことをしたからといって、その人を責めるというより、相手の
立場を思いやる方が後で自分の善なる心に照らして見て、気持ちがよいでしょう。
相手が自分の思うようにしてくれなかったのを、怒るのは間違いです。自分中心
に考えず、相手の立場を考え、もう一度、なぜ腹が立つかを反省してみる方が
よいのです。」(釈迦)

自分が悪くても相手が悪くても、私の場合は、その相手と仲良くやっていきたい
という心、理念がある限り、相手を見捨てたりしない。

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