劇団ぷにぷにパイレーツ座長日記

劇団ぷにぷにパイレーツ座長・石崎一気が、演劇、パントマイム、音楽等、舞台芸術の情報を、毎日発信!

唯一のご褒美

2016-11-26 08:06:51 | 演劇
演劇をやっている人は、大きく2つに分けられるように思います。
芝居を楽しみたい人と、芝居を通して自分を高めたい人です。

僕が知る限り、圧倒的に前者の方が多いですね。
綺麗な衣装を着たり、別人格になったりすることで、幸せな気分になるんでしょう。
また、稽古を通して共演者と友達になって、毎日のように打ち上げに行きワイワイ盛り上がるんです。
確実に達成感を得られますから、演劇が楽しくて仕方ないことでしょう!
それはそれで、素晴らしいことです。

一方、ぷにぷにパイレーツは、その真逆な考え方です。
出演者たちは、稽古期間中、徹底的に自分を追い込んで、苦しんで苦しんで苦しみ抜きます。
自分のレベルアップと、作品の質の向上しか目指しません。
稽古後、みんな早く家に帰って復習したいので、飲みに行ったりすることはほとんどありません。
本番が終わっても、いかに自分が甘かったかを痛感し、反省しきりです。
楽しいと思う瞬間はほとんどないと言っても過言ではないでしょう。
「ひょっとしたら、今回の公演を通して少しだけ上手くなったかもしれない」と思うことが、唯一のご褒美です。

そんなわけで、ぷにぷにパイレーツに定着する役者は滅多にいません。
入れ代わり立ち代わり、いろんな人が去来していきます。
気合いの入った自分に厳しい人しか残れない劇団なんです。
ですから、まったく”ぷにぷに”していません…。