いやあ,もーすぐですねッ,ニッシンこと日本心理学会70回大会。プログラムなんかもWeb上で見れたりして,早速チェキラッチョおしゃれ手帳してるワタクシなんですが,ワークショップの中の
「浦河べてるの家」を研究する(1)―「当事者研究」と認知行動療法との接点 ―
なんつうのが,私の眼を引いたわけですな。企画・司会は伊藤絵美先生,指定討論は向谷地生良先生,であります。べてるの家の方も話題提供者に入ってまして,ほほうって感じです。素人目にも接点は確かにアリアリ。要チェックですな。
余談ですが,伊藤先生,最近こんなすごいのも訳されてます。いやはや,ひとつの学派をきちんと勉強するのは,それが何であれ,大変ですな。「統合」なんておいそれと使うもんではないです。閑話休題。
しかし,個人的には,べてるの家,社会構築主義とかナラティブの文脈のほうがピタッとくるような気もします。幻覚&妄想大会なんてモロそうだと思うのですけど,そちらの方面からの考察もあったりするんでしょうね。まあ僕が知らないだけなんでしょう。
さて,ということで,今日は「べてるの家」をば。
べてるの家
べてるの家のぱぴぷぺぽ通信
もうこの分野だけでなく,いろいろと話題になっておりますですね。前になんかで,完璧人間滝川クリステル様が「べてるの家」の本を紹介なさったりしており,全国一千万人のなんとなく滝川クリステル信者たちは悶絶しつつ,我先にと買い求めた事実もあるわけでして(それは,ないな),リンショウシンリをベンキョーしております,などという人にとっては,マスト知っとく,でありますよ。
ちなみに,上記HPにて,昆布が買えます。いい昆布です。いい昆布を買ったら出汁をとるわけでして,出汁のとり方は,『美味しんぼ』(1巻か2巻)にて,野性味溢れる頃の山岡さんが「引き出し昆布」の技法を説明してくれてますから,それを実践すれば,海原雄山もマッツァオです。
話が逸れました。べてるの家。たくさんの関連本が出てますが,マスト知っとく/マスト必読といえば,
べてるの家で一体何が行われてるん? という方は,以前にも紹介しているこれからドーゾ。また以前,「パラダイムの変換は常に眼前にあるが我われはそれには気づかない」なんつうエントリで,TEACCHを紹介したわけですが,べてるの家も,まぎれもないパラダイムシフトでありますね。発想の転換というか,いろいろ飛び越えちゃってます。すごいよこれは。
やっぱこれ,どっからどうみてもナラティブですね。そんなこと言われるの,迷惑だろうしナンセンスだろうけど,そうとしか言いようがない。『妖怪セラピー』の次はこれ読もう! というか,すべての学派に共通する,そしてすべての学派が学ぶべきものがここにあると思います。
上記WSにて指定討論者を務めるのが,この向谷地先生でありますね。べてるの家の理事であり,当事者本とも言えますが,ソーシャルワーカーでもあり,読みごたえは準当事者本という感じでしょうかね。これ,とってもいい本ですよ。
これはTBSの方の取材本ですな。第24回講談社ノンフィクション賞受賞の力作です。個人的にはなんかモヤモヤしないでもないですけど,功績は功績,きちんと評価すべきでしょう。
それで,ここまで書いてきて,まあ,いつもは最初に書くのを今日は後回しにしてみたわけなんですが,せっかくなので,生きてるってなんじゃらほい? LIFEって何? とか,そういうね,そういう非生産的なこと,時には考えてみませんかと思ったわけです。以下ツラツラと。
LIFE ! 巷間曰くの「悪しき受験英語」の詰め込みの賜物なんで恐縮ですが,中学の時,LIFE=生活・生物・人生・生命のいずれかで訳すべし,と教わったのが僕なんですが,その覚え方がまた傑作だ,生活物人命と覚えろとキタコレ。そしてそれをゴショー大事に今でも覚えている,受験英語の憐れな奴隷が僕なわけですが,いや便利ですよ,これ。だから,大好き! 受験英語!
でもね,ふと思うのは,英語圏の方がたが「LIFE」と使う時には,雑誌「LIFE」を呼ぶ時を除けば,四位一体一心同体表裏一体渾然一体の一体全体的TOTALなものとして明らかに使ってるなと思う場面が多いわけでして,これらホントは切り離しちゃダメなんだよな,と思ったり思わなかったり。
ま,たとえば,LIFEは「かかわりあいの中に在る」んだとする考え方がありますが,この「かかわりあい」っつうのを人間は社会的動物だとかね,そういう矮小なレベルに落とし込んではおもろくない,おもろくないんですよ。生きとし生けるものは行く年来る年,広い意味での環境との絶え間ない相互作用の繰り返しなんですよ,森羅万象とのコミュニケーションですよ,細胞レベルからそうなんですよ,なんて考えるのが,生態学的視点ってやつでしょうかね。
で,べてるの家。これこそまさにLIFEだと思ったりするんですが,一方で,僕らの「貧困」な日々のLIFE。その本質的な違いってあるのかないのか,あるとしたらどうして違うのか,ないとしたらどうして同じなのか,ま,どっちにしろ,飯を食ってやがて死ぬわけですけど。
ちょっと今日は構成に無理がありすぎた,タイトルからしてブレまくり,今は反省しているってことでFA(使い方あってるのか?)。
「浦河べてるの家」を研究する(1)―「当事者研究」と認知行動療法との接点 ―
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余談ですが,伊藤先生,最近こんなすごいのも訳されてます。いやはや,ひとつの学派をきちんと勉強するのは,それが何であれ,大変ですな。「統合」なんておいそれと使うもんではないです。閑話休題。
しかし,個人的には,べてるの家,社会構築主義とかナラティブの文脈のほうがピタッとくるような気もします。幻覚&妄想大会なんてモロそうだと思うのですけど,そちらの方面からの考察もあったりするんでしょうね。まあ僕が知らないだけなんでしょう。
さて,ということで,今日は「べてるの家」をば。
べてるの家
べてるの家のぱぴぷぺぽ通信
もうこの分野だけでなく,いろいろと話題になっておりますですね。前になんかで,完璧人間滝川クリステル様が「べてるの家」の本を紹介なさったりしており,全国一千万人のなんとなく滝川クリステル信者たちは悶絶しつつ,我先にと買い求めた事実もあるわけでして(それは,ないな),リンショウシンリをベンキョーしております,などという人にとっては,マスト知っとく,でありますよ。
ちなみに,上記HPにて,昆布が買えます。いい昆布です。いい昆布を買ったら出汁をとるわけでして,出汁のとり方は,『美味しんぼ』(1巻か2巻)にて,野性味溢れる頃の山岡さんが「引き出し昆布」の技法を説明してくれてますから,それを実践すれば,海原雄山もマッツァオです。
話が逸れました。べてるの家。たくさんの関連本が出てますが,マスト知っとく/マスト必読といえば,
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べてるの家で一体何が行われてるん? という方は,以前にも紹介しているこれからドーゾ。また以前,「パラダイムの変換は常に眼前にあるが我われはそれには気づかない」なんつうエントリで,TEACCHを紹介したわけですが,べてるの家も,まぎれもないパラダイムシフトでありますね。発想の転換というか,いろいろ飛び越えちゃってます。すごいよこれは。
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やっぱこれ,どっからどうみてもナラティブですね。そんなこと言われるの,迷惑だろうしナンセンスだろうけど,そうとしか言いようがない。『妖怪セラピー』の次はこれ読もう! というか,すべての学派に共通する,そしてすべての学派が学ぶべきものがここにあると思います。
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上記WSにて指定討論者を務めるのが,この向谷地先生でありますね。べてるの家の理事であり,当事者本とも言えますが,ソーシャルワーカーでもあり,読みごたえは準当事者本という感じでしょうかね。これ,とってもいい本ですよ。
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これはTBSの方の取材本ですな。第24回講談社ノンフィクション賞受賞の力作です。個人的にはなんかモヤモヤしないでもないですけど,功績は功績,きちんと評価すべきでしょう。
それで,ここまで書いてきて,まあ,いつもは最初に書くのを今日は後回しにしてみたわけなんですが,せっかくなので,生きてるってなんじゃらほい? LIFEって何? とか,そういうね,そういう非生産的なこと,時には考えてみませんかと思ったわけです。以下ツラツラと。
LIFE ! 巷間曰くの「悪しき受験英語」の詰め込みの賜物なんで恐縮ですが,中学の時,LIFE=生活・生物・人生・生命のいずれかで訳すべし,と教わったのが僕なんですが,その覚え方がまた傑作だ,生活物人命と覚えろとキタコレ。そしてそれをゴショー大事に今でも覚えている,受験英語の憐れな奴隷が僕なわけですが,いや便利ですよ,これ。だから,大好き! 受験英語!
でもね,ふと思うのは,英語圏の方がたが「LIFE」と使う時には,雑誌「LIFE」を呼ぶ時を除けば,四位一体一心同体表裏一体渾然一体の一体全体的TOTALなものとして明らかに使ってるなと思う場面が多いわけでして,これらホントは切り離しちゃダメなんだよな,と思ったり思わなかったり。
ま,たとえば,LIFEは「かかわりあいの中に在る」んだとする考え方がありますが,この「かかわりあい」っつうのを人間は社会的動物だとかね,そういう矮小なレベルに落とし込んではおもろくない,おもろくないんですよ。生きとし生けるものは行く年来る年,広い意味での環境との絶え間ない相互作用の繰り返しなんですよ,森羅万象とのコミュニケーションですよ,細胞レベルからそうなんですよ,なんて考えるのが,生態学的視点ってやつでしょうかね。
で,べてるの家。これこそまさにLIFEだと思ったりするんですが,一方で,僕らの「貧困」な日々のLIFE。その本質的な違いってあるのかないのか,あるとしたらどうして違うのか,ないとしたらどうして同じなのか,ま,どっちにしろ,飯を食ってやがて死ぬわけですけど。
ちょっと今日は構成に無理がありすぎた,タイトルからしてブレまくり,今は反省しているってことでFA(使い方あってるのか?)。
コメントありがとうございます!
>ナラティヴセラピーの研究者・実践家も注目されていますね
そらそうですよね! しかしもともとコンセプトとしてもっていたのではなく,試行錯誤の結果が,ある理論と合致するっていうのは面白いですね。
するとTEACCHも,広く「環境」を再構築するって意味では,ナラティブなのか?(スイマセン,これは無茶ですね)。
>築するって意味では,ナラティブなのか?
あはは。まあ、ある意味心理療法はすべて「ナラティヴ」と言えますね。
コメントありがとうございます。
>まあ、ある意味心理療法はすべて「ナラティヴ」と言えますね。
あはあは。大人の対応ありがとうございます。
さて,ここで,takashiさんのように,ブリーフやナラティブに詳しくない方のために一言だけ誤解のないように補足をば。
なぜpsy-pubが,「TEACCH=ナラティブ?」などと乱暴なことを言ったかというと,エントリにも書いてありますが,べてるの家とTEACCHは,アプローチとしては異なりますが,ともに障害を受容した上で,(治療的な作用はあるかもしれませんが)治療ではなく,人を含む環境の方を適応的にするところに共通点があると思います。要は,(実際に目指すかどうかは別として)究極的・理想的には,社会の変容そのものを目指すないし促すものである,という点において,共通していると私は考えてます。したがって,TEACCH≒べてるの家(といえる部分がある)
そして,べてるの家のアプローチがすべてナラティブとして捉えられるわけではもちろんありませんけれど,べてるの家≒ナラティブ(といえる部分がある)。
ゆえに,
TEACCH≒べてるの家≒ナラティブ
の,ウソッこ三段論法にて,
「TEACCHってナラティブ?」に至る訳ですが,まあこれはっきり言って「詭弁」ですね。あまりにわかりやすいので,Takashiさんも「そりゃ無茶だ」と敢えては言ってないのですが,そこらへんを読み取ってもらえると誤解がないかと思います。
何でこんなくだくだしく書くかというと,僕も以前そうだったのですが,しばしば,ナラティブというのを,社会構築主義のコンセプトの理解なしに,単に「語り」とか「物語」という意味で使ってる論文って結構あるからなんですよね。
ナラティブが,物語一般とか語り一般を意味することになっちゃうと,心理療法はすべて「ナラティブ」になっちゃうわけですけど,それって,いわゆるナラティブとは完全に別物ですからね。そういうところは,厳密に言葉を使って欲しいなと,自戒も込めて思うわけなんです。
興味のある方は以下のエントリも読んでみて下さいな。
ナラティブ
http://blog.goo.ne.jp/psy-pub/e/a529571bdb03446b8c0dce22fa32b49a
TEACCH
http://blog.goo.ne.jp/psy-pub/e/6ef8210ff622ae39aecebe9601bb36c8
ああ,これ,エントリにすればよかったかな……。まあもう書いちゃったし,いいか。