心理学の本(仮題)

【職場に】心理学書編集研究会(略称:心編研)による臨床心理学・精神医学関連書籍のブックレヴュー【内緒♪】

【とうとう】式神と妄想のあいだに その3【完結……つーかネタ切れ】

2005-12-08 13:58:14 | 特集・シリーズ
「式神」からはじまった,このネタもとうとう完結。否,ネタ切れ。いや,もう1回やるかも。どっちやねん。なんで関西弁なんじゃらほい。「じゃらほい」って古いね,どうも。最後は,統合失調症に関する,新しいチームアプローチ,ACTだとか,自立支援だとか,ICFだとか,ま,あげようと思ったわけですよ。こんなふうに。
 
ICF 国際生活機能分類―国際障害分類改定版
WHO

ACT入門―精神障害者のための包括型地域生活支援プログラム
西尾 雅明 (著)

 ACTケアマネジメントホームヘルプサービス―精神障害者地域生活支援の新デザイン
大島 巌 (著)


 いろいろトピックも花盛りだし,各種職種の人が入り込んで,これまた大騒ぎなんですが,いわゆるこの「精神障害リハビリテーション」は。

しか~し,上記の本を見てもわかるとおり,何となく,面白そうな感じがしない。
いや,大事な本だってことはわかるんですよ。特に,ICFなんかは心理の人に大事なんじゃないかって思います。
 だけど,何か理念先行型というふうにも思わなくもなく。いや,でも,この手の本は,この業界で働く人には基本図書だとは思いますよ。読んどけ! 覚えろ! 感想,言うな! そんなところでありましょうか。 そういうわけで結局,温かそうな本を紹介することに……。


べてるの家の「非」援助論―そのままでいいと思えるための25章 シリーズ・ケアをひらく浦河べてるの家 (著)



ご存知,「べてるの家」。今年出た(といっても,2月か……orz)新刊もあるんですねぇ。


べてるの家の「当事者研究」 シリーズケアをひらく
浦河べてるの家 (著)



 



 べてるの家のすごいところは,当事者が書いているところでしょう。いわゆるコミュニティ・ミーティングとかいう手段の帰結を見るような感じがします。指導者がすばらしいんだろうなぁ。
 興味深いことに,べてるの家については何人のジャーナリストが本にしていることですね。その気持ち,わからんでもありません。

ま,べてるの家ときたら,「やどかりの里」でしょう。「やどかりの里」は出版部門も持っていて,それが「やどかり出版」


大事な本,ありそうではないですか??

 さて,その「やどかりの里」にいて,日本の最良のPSWの1人といわれる谷中先生の本。やはり,やどかり出版から出ています。

生活支援―精神障害者生活支援の理念と方法
谷中 輝雄 (著)

渋いッ。

 ちなみに谷中先生は現在,北海道医療大学におられるそうです。この大学,「べてる」の向谷地生良先生もいるし,スゴー。

そして,最後は,

 私もひとりで暮らせる―心の病気をしたって大丈夫
 松浦 幸子 (著) 




 不思議なレストラン―心病む人たちとこの街で暮らしたい クッキングハウス物語
松浦 幸子 (著)





 「不思議なレストラン」には,続編もあり。



この3者,皆,生活に重きを置いています。
些末なことに思えますが,やっぱ「生活」大事ですねぇ。
スコット君によれば,かの村瀬嘉代子先生も,「生活」に重きを置いているとか。
 結局,「メシ」ってことですねぇ。メシ,大事です,メシ。

 朝飯,食ってこいよ。



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2 コメント

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「生活」の視点本当に大事ですね (【家族心理.com】管理人)
2005-12-08 23:54:14
【家族心理.com】管理人です。



 私の勤務する施設では被虐待児へのカウンセリングが課題となっておりますが、「生活」の中でのケアというのが必須だと常日頃感じている今日この頃です。

 精神病に対してのこれらの試み、私の仕事につながるところがおおいにありそうですね。ぜひ読んでみたいです。

 それにしても、北海道医療大って、やりますねえ。。
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コメント,サンクスです (psy-pub)
2005-12-09 11:08:30
生活環境なんていう言葉がありますが,「環境」も大事ですよね。北海道医療大のお二人のお勤めの(だった?)職場はどちらも大規模郊外型。かたや北海道,かたや さいたま市ですが,遠そうなところです。

反対に松浦さんのは駅のすぐそばにあるらしい。行ったことはないんですが…



どちらがいいかはわかりません。一長一短があるのでしょう。また,いかに資金を得るかという問題にも直結しているようです。



あと,松浦本はレシピつきなのですが,やっぱ「生活」に対する具体的なイメージが濃厚にあるような気がします。

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