心理学の本(仮題)

【職場に】心理学書編集研究会(略称:心編研)による臨床心理学・精神医学関連書籍のブックレヴュー【内緒♪】

にしても,トロゥマってなんかいい響きですね

2005-09-13 13:04:38 | 心理以外
パプリカ
パプリカ
筒井 康隆

 精神分析が大きく扱われているものの悲しいかな知識的には一般的な精神分析のイメージ(思想としての精神分析)の延長でしかない感じです。ただフィクションとしての自由は必ずしも小説の魅力を損なっていないと思います。要はそんなこと抜かしても楽しめるということです。生半可な分析知識よりも中盤からの夢と現実のトランザクションが筒井康隆らしい展開でむしろこっちの方が近いのかも。
 

夢の木坂分岐点
夢の木坂分岐点
筒井 康隆

 また夢といえばコレがすごいことになってます。「夢そのもの」としか言いようのないものが展開していきます。ひなびた夢の象徴解釈ではなく「夢機能」へのアプローチって感じがしますね。実はこれでも「サイコドラマ」を扱っていますがそんなの本筋からすれば本当にどうでもいいです。



 精神分析の小説って『音楽』はじめどうでもいいのが多いですがそれはやっぱり精神分析の実践を知らないからでしょうか(もちろん私も知りませんが)? とするとC.ボラスの書く小説って読んでみたいような気がします(すごく眠くなりそうですが)。

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