心理学の本(仮題)

【職場に】心理学書編集研究会(略称:心編研)による臨床心理学・精神医学関連書籍のブックレヴュー【内緒♪】

マンガはガマン

2005-09-26 13:10:31 | 心理書一般向け
連休が猛威を振るい,更新が滞ってますね。申し訳ないです。さて,気を取り直して(早い),今日もご紹介です。今日はいつにも増して,内容に触れていないレヴューになることうけあいですね。まあ,こういうものが出てますよと,そういうお知らせということで,ご勘弁を。

マンガで学ぶフォーカシング入門―からだをとおして自分の気持ちに気づく方法
マンガで学ぶフォーカシング入門―からだをとおして自分の気持ちに気づく方法
福盛 英明, 森川 友子, 村山 正治


マンガ お手軽躁うつ病講座High&Low
マンガ お手軽躁うつ病講座High&Low
たなか みる


マンガ サイコセラピー入門
マンガ サイコセラピー入門
C.N. ベンソン, V.B. ルーン, 清水 佳苗, 大前 泰彦, 小林 司


 まあ,内容について云々は抜きにして,抜きにしていいのかも別として,「学研まんが」世代にとっては,マンガとして今ひとつ物足りない気がします。授業なんて聞かなくても,これさえあれば飯が何倍でもいけた小学生時代のトラウマブックス「学研まんが」シリーズに比べたら。「このような本なら私も出したい」。


からだのひみつ
からだのひみつ
横田 弘行, 藤木 輝美


 新訂版になり(未見),装丁も新しくなったものの,まだカバーに「ヒトちゃん」の姿が見えるのがうれしいですね。怪我をしたときの白くん(白血球),チビくん(血小板)の活躍は,いまも心に残ります。ここに書かれている知識は,まったく小学生レベルではありません。実家に戻るたび読み返し,もはや私の血肉となった永遠のナンバーワントラウマブック。


できる・できないのひみつ
できる・できないのひみつ
内山 安二


 「こんにちはヒゲ山です」(うろ覚え)でお馴染みの内山安二さん。2002年にお亡くなりになった時は大変悲しかった……。これは「学研まんが」の中でも屈指の名著なのではないでしょうか? 「ひみつ」シリーズや「~年の科学」など,「理科心」をくすぐるのが犯罪レベルで上手いですよねえ,学研って。


ファーブル―こん虫の探検者
ファーブル―こん虫の探検者
よこた とくお
ナイチンゲール―戦場の天使
ナイチンゲール―戦場の天使
横田 とくお

 さて,こちらは,学研まんが伝記シリーズ。よこたとくおさん二連発。元祖エソロジスト,ファーブルの世界をまるっこいタッチで見事に描ききった! 特にラストは号泣必至です(大袈裟?)。しかしこの人の描くパンはマジで美味そうです。ナイチンゲールは残念ながら品切になっちゃってます。復刊希望。強調されがちなフローレンスのヒューマニティを,程よいギャグでさらっと描ききるこの漫画力! 偉人をひたすら奉るだけの凡百の伝記作家は,これを見て勉強せい! と思います。

 これらの漫画家さんたちは,このような漫画を描くのは,作家としてはおそらく本意ではなかっただろうと,大人になってみて思います。しかし,どんな仕事でも良い仕事は必ず人の心に残る,と改めて思いますね。つくづくリスペクトなのです。しかし,「こころのひみつ」とか「フロイト―精神の探検者」とか,いつかは出せるのでしょうかね。そんときゃあ,是非よこたとくお先生にお願いしたいですね。

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2 コメント

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「マンガで学ぶ」の本について (フォーカサー)
2005-09-27 12:57:48
福盛先生らの「マンガで学ぶフォーカシング入門」ですが、これはいい本だと思うんですが、「マンガ」で学ぶとつけてよいほど、「マンガ」ではないです。「図説」と「イラスト」の中間くらいでしょうか。しかも、ちょっとヘタなような気がします。あ、でも、いい本です。
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Re:「マンガで学ぶ」の本について (psy-pub)
2005-09-27 13:23:11
>フォーカサーさん

 コメント有難うございます。内容的にはおっしゃるとおりですね。ただ4コママンガがあるぶん,『マンガサイコセラピー入門』よりはマンガ的ですよね。こっちは,翻訳ものだけあって,日本人のマンガ文法に全く則っていません。でも内容的には面白いのですよ(ツッコミどころはあれども)。お奨めです。マンガで学ぶ→学研まんが,という短絡的な連想のみで成り立ってます,私の記事は。
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