フロイト先生のウソ
ロルフ デーゲン, Rolf Degen, 赤根 洋子
これって,どうなんでしょう? いまさらフロイト先生のウソと言われても,それってたとえば「ニュートン先生のウソ」や「アインシュタイン先生のウソ」って言われても困るだけで,今さらそんなこと賢しらに叫ばれても,だいたい今フロイトの学説のみを参照して臨床をしている人なんていないし。「心理療法の科学性」をうんぬんするのは必要なことでしょうが,科学性(実証性)だって一つの観点に過ぎず,それがすべてに優先されるべきだというのは,ドグマでしかないでしょう。フロイト的なものだけに固執するのも,臨床に科学のみを求めるのも,同じことじゃないでしょうかね?
で,話は変わりますが,エレンベルガーが「もしフロイトが登場しなかったならば20世紀の精神医学はロールシャッハ的あるいはプルースト的なったであろう」と言っていたと,中井久夫先生がどこかで書いてましたが,ロールシャッハはともかくとして,プルースト的だったら,臨床がとても長くなりそうですね。一つの症例報告,全13巻みたいな。
フロイト 全著作解説
ジェームズ・ストレイチー, 北山 修
一方で,まだ未見なのですが,すごいのが出ましたねえ。そのうち,オリジナル版の新訳も出しそうな勢いですよねえ。
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