国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて 佐藤 優新潮文庫
なんて本があるらしいですが,おこがましいですよ,ラスプーチンなんて言うのは。こんな小物ですか,ラスプーチンは。などと,思ったりし。でも,面白そう。キオスクで見つけたら買おうとメモメモ。
ラスプーチンといえば,出ましたよ,ラスプーチン研究の集大成が!ずいぶんたつけど…気にすんな。
真説 ラスプーチン 上沼野 充義 (翻訳), 望月 哲 . . . 本文を読む
いやあ恐縮恐縮,ほんでもって恐縮。恐怖に縮み上がって,チジミを食う手も縮み気味のpsy-pubなんですが,まああんまりそういうのも逆にイヤラシイかと思い,ええ逆にね,逆ですよ,逆なんです,もといギャグなんですが(←最悪),先行者に最大限の敬意を払いつつ,Let’s Psy!!(あいかわらず意味不明)。
そんで何かというと,今日はロールシャッハ本を紹介しようかと……。ええ,ええ,そうなんですよ。 . . . 本文を読む
詳細はこちらの新刊情報11月の新刊をご参照ください。
『関与と観察』
中井久夫
第5エッセイ集とのことですが,この題名ですよ。日本でこんな題名つけて許されるのは間違いなくこの中井先生だけでしょうな。関与と観察。うーむ。ちなみに前作は『時のしずく』です。
さて,サリヴァンを初めとして,根強い対人関係学派。分析臭が薄いので,学派問わず読まれているのが,人気の理由でしょうか。
逆転移
. . . 本文を読む
少し前ですが,『臨床心理学5巻5号』の特集「心理臨床と精神分析」はなかなか面白かったのですが,その中で,ある先生が(以下引用)「政治学的見地や経営学的見地以外に実質がどれほどあるか疑わしい『心理臨床学』とは異なって,確かに『心理臨床』と呼びうる実質的な活動はあり,……(以下略)」と書いてらしたのには大変ウケました。確かになあ。いやあ,ステキです。
ともあれ,心理臨床という文化において精神分析あ . . . 本文を読む
どの先生がどこで書いておられたか忘れましたが(なんと曖昧な!)「若い人はどんどんモノグラフに挑戦すべきである」というようなことを言っておられた気がしないでもありません。また,ダレソレ先生も「読む本は単著にかぎる」というようなことを仰っていたような記憶があるようなないような。とは言うものの,若手ベテランに限らず,編集ものというのは多くありますし,読者にとってもとっつきやすい面はあると思います。
. . . 本文を読む
語り・物語・精神療法
北山 修, 黒木 俊秀
もうかなり有名だとは思いますが,オビに「神田橋條治氏による症例検討会ライヴを完全収録」とあるので,それだけが先走ってしまいそうですが,これは元々,2002年の「日本語臨床研究会」の内容を書籍にしたもので,それ以外にも読みどころ満載になっておりますな。
執筆陣をざっと挙げても(敬称略),北山修,飯森眞喜雄,熊倉伸宏,森岡正芳,藤山直樹,妙木浩之, . . . 本文を読む
一般にどの分野であれ「基礎」と「応用」の対立はよくある話ですが,とくに心理学の分野における「実験系」と「臨床系」の対立図式は身近なこともあって非常に根深いなあと思います。ちなみに一口に実験系といってもその内部では,「スキナリアン(オペランティスト)」と「認知」の対立というのも実はあるのですが,なんにせよ古典的二元論的対立というのは心理に限らずどこにでもよくある話ですね。
私が個人的にいつも不思 . . . 本文を読む
なんかタイトルが先走って,しまったなあという感じです。しかしながら,まだ怒りに燃える闘志があるので,巨大な敵を撃ちまする。
現在,サイコセラピーの概念は一方で拡大し,一方では多極化かつ深化している感じですが,「統合学派」ではないですが,「素人目」には「いろんな学派があるけど,なんか最近みんな同じこと言ってない?」って気もしますが,もちろん明確な違いはあるのですが,何と何がとは敢えて言いませんが . . . 本文を読む
失敗例の本,増えるといいなぁ。
というわけではないにしろ,ふたたび。というか,長すぎたので前後編に分けてしまいました。大河ロマン書評であります。(→前回 ま,大したことないですが…)
偉い人の失敗例なんて読みたい。馬場禮子先生の事例で,20年後だかに,唐突に現われるものすごい事例がありますが,ああいうのを集めてほしい。だれか,頼む。
まっ,それとは話がぜんぜん違うが,失敗は人生につきものであ . . . 本文を読む
「失敗例」についての考え方は,学派によってずいぶん異なる。それを当然のように「恥」ととらえ,二度そういうことがないように考える学派もあれば,ドロップアウトを「転移-逆転移」ととらえ,プロセスとしては「失敗」ではないと考える学派もある。
一時,知り合いが「失敗例」に凝ったことがある。いろんな人から失敗に終わった事例を集め,本にしようと画策したらしい。が,しかし,企画そのものが失敗に終わった。
失 . . . 本文を読む
自然流精神療法のすすめ―精神療法、カウンセリングをめざす人のために
岡野 憲一郎
臨床心理学・精神医学関連の書籍のなかで,文章の巧拙と臨床は相関はないと思うのですが,重厚であれ,軽妙であれ,びっくりさせるものであれ,誠実であれ,ウェットであれ,クールであれ,確実に「文才」というものを感じさせる本があります。現実として,内容の良さ(これが最も大事なことはいうまでもないことです)に加えて,文章 . . . 本文を読む
日々,種々の論文を読んでいると,臨床論文が多いため,その症例について,オーナキ・コナキ,顔で笑って心で泣いて馬謖を斬る(面白くねえ!)といったことがままあります。一体何なんだろうなと思うこともしばしばですが,そこはビジネス。面白ければいいじゃないかと,割り切ります。そういう意味では,オーナキ,コナキのどちらでも,心に残るか否かという意味では,等価だと思います。笑えるのだって同じだし,おもしろうて . . . 本文を読む
森岡正芳先生を忘れておりました。
ナラティヴといえば,この方を忘れてはならじ。
謹んでお詫びいたします。ついでに,『うつし 臨床の詩学』も紹介しておきまふ。みすず書房さん(!)から出ました。これだけですごい。中井大先生クラスということでありますよ。それに,この本,なかなか面白そうです。森岡先生は,今後の臨床心理学の思想的中心であるような気がします。コレマジ
あんま知られてないですけど,今年出 . . . 本文を読む
ちょっと古いけど,『セラピストの物語/物語としてのセラピスト』(日本評論)なんていう本は,けっこういい本であった。
編者――これがなかなか個性派で,小森康永,野村直樹,野口裕二の各先生方である。一番高名なのは,野口先生か。愛煙家なので,灰皿のそばで待っていれば必ず会えるという噂。どちらにせよ,この本に書かれているのは,「ナラティヴ学派」の最高の執筆者たちであることは間違いなく,なかなか含蓄も . . . 本文を読む