和州独案内あるいは野菜大全

第一回奈良観光ソムリエであり、野菜のソムリエ(笑)でもある者の備忘録のようなもの。文章力をつける為の練習帳に

それから一週間後

2011年12月28日 | Weblog
 前回は普段全く行かないカフェというものに入って何だかんだと話し込んでしまい、その日は東大寺ミュージアムに行けず仕舞いでした。

 ある施設を改装したと云うそこはとても雰囲気のあるカフェで、窓ガラスの少し歪んだ透明感などはそういう昔の作りなのか、液体のガラスが経年で塑化した結果なのかは判りませんが、空間を構成する各素材が規格化された大量生産品には無い、年を重ねて角が落ちたような味わいを醸し出しており、とても心地良い場所でした。
 ただ、メニューは少々お高い感じで、他の人が頼んでいたデザートのプレートを見てもうーんと唸ってしまうようなモノだったのは残念な感じです。雰囲気カフェということで初見には良いとして二度三度となると躊躇すると言うか、まあ普段カフェに全く行かない者の放言ですので捨て置いてください。

 そんな訳で、前回余りに紅葉が美しかったので光の射す中でもう一度見てみたいと、翌週にも同じルートを辿ってみました。数日遅く見ごろをほぼ過ぎて色褪せたものが多かったのですが、やはり山中は逆に色が残ったものもちらほらとあり、午前中は雲も多かったにしろ本当に今年の見納めとなりました。

 山中を歩いている頃に、丁度マラソンがスタートしたのが花火の音で分かりました。それから一日中ヘリのパラパラ音と太鼓のドコドコ音が遠くで聞こえる中、奥山ドライブウェイはマラソンによる混雑緩和のためか高円側からの逆路ルートも開放されており、他県ナンバーに混じって地元っぽい車の通りも頻繁でした。マラソンの日はドライブウェイを車で逆走するという貴重な体験を、きちんと調べていませんがもしかしたら無料で出来るのかも知れません。ただ、順路からも当然車が来るので対向が危険なのと、心なしか皆急いでいるのでゆったりドライブと言う訳には行きませんが。 



 


 東大寺ミュージアムの不空羂索観音そして伝日光月光菩薩に関連して、法華堂八角須弥座下段に計七体の塑像に相当する跡が残っていたという報告を聞いても、個人的にはこれらの塑像が本来の一具として造仏されたとは全くもって考えられません。これについてはまた後日語る事も有ると思いますが、論理的ではないのであまり書くに値しないにしても、実際に各像を目の当たりにすると何となく誰でもそう感じると思うのですがどうでしょうか?
 それよりも目を引いたのが二体の小金銅仏で、解説によると奈良時代の釈迦と多宝仏という事でしたが、そうなると法華経の見宝塔品によるもので、大衣に施された装飾紋が特徴的なちょっと他で見た事が無いような仏像がありました。
 それもそのはずで、これはどうやら戒壇院に安置される多宝塔内に納められていた仏像で、しかも寺伝によると元は鑑真が来朝した折に唐より将来した大陸製の仏像と言われ、当初の戒壇院の多宝塔にあったもののようなのです。それを知ってみると、もう少し丁寧に見てれば良かったと後悔するほどに不空羂索観音と伝日光月光像が印象的だったのでした。

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