ぽせいどんの今日の一枚 +

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グアム 1994 APRIL その6

2021-11-04 12:00:19 | 写真 海

              アフターダイブ

 ダイビングサービスに到着。
 テーブルの上にケンタッキーフライドチキンの箱。
 「さあ、喰うぞ」空腹ゆえに早速箱を開いてパクつく。
 同じテーブルにはバディの他はSプロ・アラジン男。そして飛び込み、お嬢さん。
 一息つくとホワイトボードが登場。これに記されている透明度はどうも怪しい。
 昨日は28m。本日も同様に端数が必ずついている。
 どこのダイビングサービスでも10m・20mとかかなり大雑把。細かくても5mおきだ。
 ログブックのサイン交換会。バディはすでにスタンプを取り出してすっかりその気でいる。

 「君たちは関東?」
 「ハイ東京です」
 「昨日までは私以外は関西人ばっかりでさ。まるで外国へ来たみたいだったよ」
 ※『グアムは外国だろう』と言う突っ込みは面白くないので一切受け付けない。
 「実は同じ飛行機だったんですよ」
 「へー。そうなのか!」
 「成田で大きなバッグを持っていたでしょう」
 「プロテックス」
 「この人もダイバーなんだと思って憶えていた。だから今日この店に来て逢ったから驚いた」
 「それから私のお父さんによく似てるんですよ」
 「私が?」
 「それで昨日。父親に絵葉書を書いちゃった。『お父さんにそっくりな人に逢いました』って」
 「お父さんいくつ?」
 「五十・・・いくつ」 
 私よりもだいぶ上である。「性格悪いだろう!」
 「そんなことないですよ。いいお父さんですよ。(やはり娘には甘いようだ)でも、時々危ない人と間違えられるみたい」
 「『私はそんなことは無い・・・本当に、たまにしか』ダイビングはだいぶやってるの?」
 「まだ始めたばかり。十五六本です」
 「中性浮力を取っているときの姿は綺麗だったけれどね」
 「エッー。そんなことありませんよ。今日も浮いちゃったんですよ」
 「そうなのか、二本目もエキジットの時に余裕たっぷりに構えていたから・・・だいぶ経験を積んでるのかと」
 「いつもバディと離れ離れになっちゃうから『今回は必ず一緒に行動しようね』ってお互いに誓い合ったんですけど、やっぱり駄目ですね」

 「お父さんはどれくらいやってるんですか?」
 (嗚呼、ついに私は『お父さん』になってしまった。でもけっこう可愛いから許すことにした)
 「僕は体験ダイビングだけ」
 「エッーそんなぁ!?」 
 「僕のCカード視てみる?」カードを取り出して渡した。



 「裏を視てごらん。写真が無いだろう。だから他人のを借りてきた。いいぞNAUIのカードは。これ一枚を十人くらいで使いまわしている」
 「・・・・・・!」
 「本当は二年ほど。本数は・・・五十本を越えたばかり」
 「とてもそうは視えない」
 「そうでしょう。黙っているとインストラクターみたいだろう」
 「はい」

 「で、どうする明日は?」とバディに訊いた。
 「ダイビングしようか?」
 「では予約しておいでよ」
 ・・・・・・
 「『南の方はいっぱいだから北部になるけどそれでいいですか?』って」
 「いいよどこでも」
 「じゃあ、それで申し込むね」
 
 「北部ですか。ブルーホールは前に潜ったことがあるから私もそっちに行ってみたいな」と、ロングヘアー。
 「じゃあ、申し込んだら。なんとかなるんじゃないかな。今なら」

 「ホテルまで送ります」オーナー自らが声をかけてきた。
 「僕らは明日帰りますから、あとはよろしく」と、イカリ。
 『スタッフでは無かったのか?』
 車に乗り込んだ。
 「ホテル名を言ってください」
 「グアムプラザ」
 「トロピカーナ」
 「第一」
 「ホリディプラザもお願いいたします」
 ・・・・・・
 最初がホリディプラザだった。
 「俺たちが最初か、最初って厭なんだよね。降りたとたんに悪口を言われそうで」
 どっと笑い声が上がった。


 「では、今夜七時、ここの下のパチンコ屋に全員集合」そう言いながら車を降りた。
 「また明日ね」車の中から数人が手を振りながら叫んでいた。

   シューティング

  夕暮れになってホテルを出た。目指すは実弾射撃場。
 割引チケットを配っていた小男がまた近寄って来た。
 「今から行くところだ」と言うと満面に笑みを浮かべた。
 ゴルゴ実弾射撃場・・・『M16アーマライトは?無いだろうな』
 店内に入ると松方弘樹と高倉健のポートレートが飾ってあった。
 ショーケースの中に本物の拳銃。(あたりまえか)
 割引チケットを出した。
 「ドレニ シマスカ?」店員はたどたどしい日本語で訊いた。
 「さて、どれにするか・・・・・・?」
 「ミックス モ アル」店員は357マグナムと44マグナムを私の目の前に置いた。
 「まあいいだろう」
 「アナタ ハ コレガ イイ」バディに38と357を奨めた。
 「ちょっと待て、女の子は22口径でいいだろう」
 「ニジュウニ ハ コレダヨ ツマラナイ」弾丸を指さして
 「しかし、反動が・・・」
 「ダイジョーブ カヤク ハンブン シンパイナイ」口径の大きな物の方が価格は高い。懸命に奨める。
 「分かった。それでいい」
 「ジュンビ スル チョット ココデ マツ」ソファを示した。
 
 私たちのすぐ後から二十歳をわずかに過ぎた頃のカップルが入って来た。
 男は最大の45口径コルトを所望。
 「思い出なんだからこれにしようよ」と連れにも同じものを薦めている。
 「オンナ ニハ ムリネ アブナイ」
 
 暫くして隣の射撃場に案内された。
 カウンターに拳銃が置かれていた。20mほど先にターゲットが吊り下げられていた。
 ゴーグルが私以外の全員に配られた。私は自前のレイバン。
 ヘッドフォンのようなものは防音器。
 拳銃の取り扱い説明。銃口が私の前に向いた。
 「おっと!」弾がまだ込められていなくともいい気持ちはしない。
 撃鉄を起こして、照星と照門を合わせて引き金を引けと無言で説明。
 この辺の知識は充分あった。黙って頷く。
 係りの男が四人の銃に弾を込め始めた。弾込めはさせてくれないようだ。
 拳銃は使い廻しのためか、私のカウンターには大口径の44マグナムしか置いていない。
 小口径の方を先に撃ちたかったが・・・まあいいだろう。

 準備完了。男が促した。
 撃鉄を起こし照星と照門を合わせて引き金を引いた。
 轟音。火薬量が半分だと高を括っていた。が、44口径ともなると反動は流石のものがあった。
 ターゲットを視た。・・・・・・外れたようだ。
 二発目は気を引き締めて慎重に狙った。図星から二つ目の枠内に着弾。
 六発ずつ三ターンで44口径終了。



 次は357である。44口径と比べるとかなり軽い。反動も僅かである。
 片手でも撃てそうだ。だがこの銃は照星と照門が狂っているようだ。着弾点が大きく外れた。
 照準を数度ずらして狙う。


 隣のバディは・・・殆ど当たってない。標的を隣の的に変更。
 ・・・計三十六発を撃ち終わってシューティング終了。結果はそこそこであった。
 
 記念に的を渡された。(ゴミ処理も兼ねてますねきっと)

 「ガイドブックに載っているタイ料理の店がいい」と言うのでそこを目指した。
 だが、そのような店は何処にもない。すでにつぶれて他の店舗に代わっているのだろう。
 Tシャツ屋があった。通りに面している店よりも多少高級な感じが。価格はかなり嵩む。
 グアムは和食もどきの店が大半の様だ。チャモロ料理の店は探してもまったく見当たらない。
 結局手近の『TASUKE』と言う店に入った。ラーメンと寿司がメインの店である。
 ラーメンとリブカレー。バディの希望でキムチ豆腐tとサラダ、ビールを一本つけて三十ドル余り。
 麺はソーキ蕎麦?の如し。落第。
 店を出てから「食べ物についてあれこれ言うのは良くない」とバディが宣う。
 私としては価格相応のものを喰いたいだけ。
 口論になりかけたが適当にあしらう。

  つ づ く
 



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