川上未映子「ぜんぶの後に残るもの」

              

 読売新聞日曜版読書欄に「こんどの震災と原発事故をめぐる考察のうちで、もっとも心にすっとしみこんだのは、川上未映子さんの週刊誌エッセイでした。五月までの分が『ぜんぶの後に残るもの』(新潮社)に入っています。言葉の軽快なリズムの奥に、世界を冷静に見すえる線が一筋とおっている本。」とありました。

 私も同じ印象を持っていて、震災後、日経新聞の夕刊に川上未映子のエッセイが何回か掲載されたのですが、その震災に関する文章に非常に共感を覚えたのを覚えています。他の記事、作家とは一味違う偽りのない感情、漠然とした不安を感じる文章だった。小説を読んだことはないのですが、この人はいいなあと思いました。

 震災に関するエッセイが巻頭に7~8編、多数はそれ以外の通常のエッセイ集です。作家の周りで起こったこと、ネットで知ったことなどについての四方山話しなので詳細は省略しますが、世の中の大きな熱に対してちょっと斜に構えてひんやりとした視線を投げかけるスタンスが気持ちいい。この手のエッセイは一冊に纏められると少々ツーマッチ、飽きてしまうのですが最後まで楽しく読み通せました。

 ところで、このエッセイの大多数が載ったのは週刊新潮の「オモシロマンティック・ボム!」という連載です。これまでたまに週刊新潮は買っていたのですがその存在すら知りませんでした。おそらくエッセイなんて内容ないし読むだけ時間の無駄という固定観念があったからだと思います。
 そんな中、このエッセイは面白い、毎号でも読みたいと楽しみにしているのが(といってもたまにしか買いませんが・・・)、柳沢みきおの「なんだかなァ人生」です。ムチムチ、ムンムンのエロい漫画を描いている人ですが、意外や意外で本音さく裂の文章が面白い。こちらも早い単行本化を望みます。


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「ロックフォール ガブリエル・クーレ」(クィーンズ伊勢丹 横浜店)

          

 2011年9月28日。ピンク・フロイドの最新デジタル・リマスターの発売日です。特に「ザ・ウォール」、史上最高の一枚のリマスターをどれだけ待ったことか。これについては時間がないのでまた後日です。


 今日は横浜のタワーレコードで「ザ・ウォール」他を買った後、クィーンズ伊勢丹に向かいました。最近探している食材があったのですがここでは見つかりませんでした。
 そこで、お気に入りのフランスのチーズとワインを買いました。私は随分長い間チーズを心から美味しいと思ったことはなかったのですが、ようやく美味しいと思えたチーズに巡り合えました。

 「ロックフォール ガブリエル・クーレ」という羊の乳の青かびチーズです。総称がロックフォールでガブリエル・クーレという生産者です。臭くてしょっぱくてフレッシュで濃厚な味がします。クセがありますがそれが美味しい。沖縄の豆腐ように凄く似ています。1回分は小さな切れ端でそれを少しずつ舐める程度で十分なので、グラム当たり高いですが量は少なくてよいです。他の店でも同じ商品を見るのですが、クィーンズ伊勢丹のものが断然新鮮に見えます(写真:持ち帰りの際に鞄の中でよたってしまいましたが)。


 その後、ヨドバシカメラに出向いて、今朝のNHKニュースで紹介されていたアイリラクサーという目の周りのマッサージ機を体験しました。こめかみ、目を押して結構気持ちいいです。8300円と手頃だし迷いましたが一旦保留にして帰ってきました。

(翌日、アイリラクサーを購入するつもりで再訪したのですが、最後にもう一度体験してと思ったところ動きません。電池を交換してもらいましたがダメで故障のようです。購入予定はACアダプター方式の方で電池式は何か接触が悪かったのかもしれません。たまたまだと思うのですが再度保留にしました。下りのエレベーターで、こめかみを指でグリグリ揉んで、目の上を手で押したところ結構いいマッサージになったので機器は要らないかもしれないと思いました。)


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南Q太「ひらけ駒! 3」

             

 最近知った将棋マンガです。第3巻まで一気に読みました。すごく面白かった。

 将棋に熱中してプロの卵を目指している小学生の菊地宝とミーハーな母親の将棋ライフを綴ったほんわかとした雰囲気の物語です。この手の勝負事を題材とするマンガは主人公とライバル達との鬼気迫る闘いが繰り広げられるのが普通ですが、この漫画の主人公はまだ将棋界の当事者ではなくて、その外側の一ファンの立場で将棋を楽しんでいます。プロ棋士の指導対局でのやさしい振る舞いに歓喜したり、プロが公式戦の際に決まって出前を注文する将棋会館近くの蕎麦屋に行って興奮したりと将棋界のあらゆることに憧れているお気楽な緩さがあります。

 宝の成長物語が漫画の主軸ではあるのですが、ひょんなことから女性団体戦に誘われて、自らも将棋のルールを覚えて対戦することになった母親の話しが面白い。
 駒の動きは知っていてもどう戦えばいいのか分からなかったところから、矢倉や美濃囲いを覚えて、主要戦術の冒頭の定跡を覚えていくと、観戦していても内容が少しずつ理解できるようになってだんだん楽しくなってきます。ちょっと前の自分とこの母親の取り組みがオーバーラップして、かなり感情移入して読み進めました。

 壁にぶち当たった宝と保護者としてではなく将棋そのものに魅了され始めた母親の今後の展開が楽しみです。


 そういえば発売されたばかりの第3巻を駅の大型書店の漫画コーナーに買いに行ったのですが、新刊を積み上げているコーナーにありません。おかしいなと思い探したのですが他のコーナーにもなし。そこで店員さんに訊いたところ、書棚の中に既刊の1巻、2巻と並んで3巻が2冊並べてあっただけでした。
 あまり売れていないんでしょうか。「週刊モーニング」の連載なのでそこそこの認知度はあるんじゃないかと思うのですが。将棋を知らなくても十分楽しめるマンガです。


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沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち」

              

 大型書店の店頭に山積みされてプッシュされている沼田まほかるの「九月が永遠に続けば」、「彼女がその名を知らない鳥たち」です。今回、初めて著者のことを知りました。56歳でのデビューです。

 2作のうち、より扱いの大きいデビュー作でホラーサスペンス大賞受賞の「九月が永遠に続けば」です。女性主人公の研ぎ澄まされて増幅された感情表現にクラクラして惹き付けられました。桐野夏生をさらに過激にした感じでしょうか。目が眩む。ただ、途中からの展開に少しずつ違和感を感じてしまい結局付いていけなくなりました。

 それで、第2作である「彼女がその名を知らない鳥たち」についても正直途中で止める覚悟で恐る恐る読んでいたのですが、こちらは止まらなくなりました。

 終わってしまった不倫の思い出を引きずりつつ、成り行きで関係を持った気持ちの悪い肉体労働者の陣治と暮らす十和子。華やかな過去の恋愛シーンの回想と下品で汗臭い現在の男との生活が綴られていきます。書店の手書きポップには前半は読むのが辛いようなことが書いてありましたが、とんでもない、ここが滅茶苦茶に面白いです。
 十和子は陣治の献身的な世話を受けつつも、品のないしぐさ、卑屈な行動を軽蔑して、罵倒し続けます。そして、新しい男との出会い、不可解な出来事、隠されていた過去が明らかになる・・・。

 書店の手書きポップにあったようにラストシーンは驚愕です。よくある映画、小説の宣伝コピー「あっと驚くラストシーン」にはだいたい驚かないのですが・・・。ぞっとして、何とも言えない複雑な感情が湧いてきます。忘れられなくなります。

 とにかく読ませます。面白い。これは名作だと思います。個人的には、桐野夏生の「OUT」、「柔らかな頬」、奥田英朗の代表作、角田光代「八日目の蝉」などと並んで日本のエンターテイメント小説の代表作の一つです。


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「センリ軒」(築地場内)

          

 8号館のセンリ軒は狭くて常連さんで混雑しているので素人がゆっくり食事する雰囲気ではないです。そこで「ヒレカツサンド」(600円)を持ち帰りました。カツがごろっと大きくて食べ応えがあります。美味しい。ケチャップ風味のソースがパンに浸み込んでいるのもいい感じです。



          

 こちらは1号館の「喫茶 木村家」の「ロースカツサンド」(450円)です。パンがしっとりしていて、こちらもイケます。


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「二代目 ぐるめ亭」(日吉)

          

 家族で外食となるとほとんどは回転寿司の「二代目 ぐるめ亭」です。130円、180円から200円、300円、400円と少し値段高めですが美味しいです。

 本日の旬は「生さんま」。脂がのっていて美味しい。


          

 こちらも旬の「炙りさんま」。炙りで香ばしいです。


          

 いろいろといただきましたが、この後は定番で外せない好物です。「いか」。数種類ありますがどれも絶品です。


          

 「生げそ」。この新鮮なコリコリ、堪りません。


          

 店で一番高い「まぐろ大トロ一貫握り」(320円)です。今日のはいつものと比べると少し落ちたかもしれません。


          

 「生赤貝」。この店は貝類の質が凄くいいです。若い頃は貝なんてほとんど食べなかったのですが最近は大好きです。


          

 個人的にはこの店のコスパナンバー1の「生サザエ」。生簀からすくって出して、握り2貫と刺身(実2切れと隠れていますが肝2切れ)、これで400円です。コリコリの歯応え最高です。


          

 最近の締めは「とろタク」の巻物です。とろとタクアンの組み合わせが旨い。


 本日は夫婦でたんまり飲んで、結構高めのネタをたらふく食べて、7800円でした。回転寿司としては高いですが、「大トロ」「サザエ」とか普段口にしない単語を発してもの凄い贅沢をした気分でこの値段なら満足です。


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ザンデルリンク/シュターツK・ドレスデン「ブラームス交響曲第4番」

             

 ドイツの名指揮者ザンデルリンクがベルリンで亡くなったと報道されていました。98歳、2002年に引退していたそうです。

 ザンデルリンクは、シベリウス、ショスタコーヴィッチ、ブラームスのボックスを所有していて、たまに聴いていました。
 旧東ドイツ、共産圏指揮者らしいというか誠実に手堅くまとめる指揮者の印象です。シベリウスの暗くて美しい音色、ショスタコーヴィッチの重心の低いがっちりした演奏にも惹かれますが、何といっても出色は、ブラームスの交響曲第4番です。ブラームスでは1番~3番も奇を衒わない正攻法の演奏でよいのですが、有名指揮者の強力盤と比較すると若干密度の点で劣るような印象です。

 それが第4番となると、出だしのメランコリックなメロディから情感たっぷり、それが自然な音楽として流れます。この濃厚な4番に関してはこの自然さがとても大事でここをやり過ぎると気持ち悪くてこれだけで聴くのを止めたくなります。ザンデルリンクは静かで内向きの美しい音楽を節度を保って歌い上げます。後半の第3楽章、第4楽章の迫力も立派。絶品です。
 チェリビダッケとシュトゥットガルト放送響との演奏も素晴らしかったですが、あの細かな表情を積み上げたような緻密な演奏とは違い、もっとたっぷりとした大きな流れがあります。
 ザンデルリンク盤は、このドレスデンの後のベルリン交響楽団とのものが名盤の誉れが高いのですが、私はこちらに満足してこれまで新盤を聴くことはありませんでした。いつかベルリン響盤も聴いてみたいと思います。


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AAA「♯AAABEST(トリプル・エー・ベスト)」

              

 AAAのベストです。デビュー6周年記念ということです。挿入された15曲がどこで発表された作品なのかよく分からないのですが、ベストにありがちなアレンジのバラバラな感じがなくて全体の統一感があります。比較的新しい作品を集めたものなのだと思います。

 それにしても「逢いたい理由」と「負けない心」が名曲です。この2曲が真ん中にあるのでビシッと締まります。メロディの魅力もありますが、歌は結局、口ずさみたくなる歌詞の力なんだなあと思います。小室サウンズいいです。その他の歌も佳曲揃い、最新シングルの「NO CRY NO MORE」と「CALL」も入っています。浦田、西島、日高、宇野、伊藤のメインボーカルの組み合わせは魅力的です。


1. BEYOND~カラダノカナタ
2. MUSIC!!!
3. 旅ダチノウタ
4. Break Down
5. Hide-away
6. Heart and Soul
7. 逢いたい理由
8. 負けない心
9. PARADISE
10. ダイジナコト
11. No cry No more
12. CALL
13. ハレルヤ
14. ハリケーン・リリ、ボストン・マリ
15. Get チュ-!


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シャープ「液晶テレビ AQUOS クアトロン 3D Z5 52型」

           

 これまでのテレビは松下電器製の32型でした。結婚した時に買ったのでもう9年使ったことになります。赤の色素が出なくなったのでさすがに寿命です。デジタル放送切替の混雑が終わったようなので大手電器店に出向きました。
 予備知識はあまりありませんでしたが、売れ筋を買うということで、液晶のシャープか、プラズマのパナソニックです。価格comで代表的なテレビの大手電器店価格をメモしておきました。
 映像はプラズマの方が優れているようですが、音声は前面スピーカーで液晶系がよいということだったので、液晶のシャープです。3Dは付いていなくてもよかったのですが、「赤・緑・青」の3原色に「黄」が加わって4原色で高画質化を図ったクアトロンというタイプにしました。音声最大出力30Wは他にそうないという点も魅力です。
 画面サイズはあまり大きすぎると逆に見辛いのではないかとも心配しましたが、妻のお友達情報で「大きすぎるかと思ったけど居間に備え付けると意外とそうでもない。もっと大きくてもよかった。」という声が結構聞こえるということで、ここはえいやっと52型にすることを始めから決めていました。
 価格は207,800円(ポイント10%まで差し引くと187,000円)。もっと安い店もあるかもしれませんが、大手価格は横並びだし、以前と比較すると十分に安い(普及初期の1インチ=1万円から▲60%)ので即決しました。

 本日、大きなテレビが我が家にやってきました。写真では小さく見えますが実物はかなりデカいです。それでもすぐに慣れそうです。52型で正解でした。これだけ大きな画面ですがデジタル放送でキメが細かいのでクリアに見えます。

 最近はDVDの映像はご無沙汰だったので(PCで観ていた程度)、いろいろと大画面で視聴してみようと思います。


          


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「博多屋」(日吉/川崎市幸区南加瀬)

          

 たまに自転車で通る道沿いに「博多屋」という看板を見つけました。暖簾には「チャンポン」とあります。あれ?こんな所に店があったんだと入ってみました。ちゃんぽんを食べたところいい味で気に入りました。それと店の雰囲気がすごくいい。定食屋としても飲み屋としても好きなように使ってくださいというオープンな雰囲気。さっぱりして元気のいいお母さんとおばあちゃんともう一人でしょうか。奥の厨房でカンカン、ジャーと調理する音が聞えます。

 場所は近隣の方しか分からないと思いますが、日吉駅から綱島街道を南下、アピタ手前のガソリンスタンドの交差点を左に入り直進、川を越えて、江川というバス停、交差点の近く左側にあります。

 夜に数度行ってみたのですが閉まっていました。どうやら昼だけの営業のようです。飲み屋の雰囲気もあったのでちょっと意外です。


          


 土曜日の昼に再訪です。まずビールと餃子(350円)です。餃子は皮がモッチリとしていて具も野菜中心で好みのタイプ、旨いです。そして、前回、他のお客さんが注文していて次回はこれと思った「みそチャンポン」(850円)です。美味しいのは分かっていたのであとは味の確認です。
 味噌の風味が結構濃いです。甘みがあって札幌味噌ラーメンのスープに近い。美味しいです。その日の気分で普通の塩味のチャンポンスープか味噌スープか。大盛りの野菜、中太麺もバッチリです。
 味もいいですが、やっぱり店の雰囲気がいいです。ゆったりしていてリラックスできます。

 他のお客さんがお母さんと話しをしていて、「夜は今やってないの?」「一時体調崩していたのと娘が外に出たいというので・・・」(娘さんの手伝いがないと夜は捌けないという意味でしょうか)といったことが聞えてきました。

 こういういい店はずっと続けてもらいたいです。


          

(後日、手書きメニューで気になった「みそとんこつラーメン」を食べましたが、正直うまくなかったです。お客さんの半分はチャンポン、もう半分は焼魚の定食などを食べています。)


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マルーン5「ハンズ・オール・オーヴァー」

             

 マルーン5というバンドが80年代風の音楽でいいと読んで興味を持ちました。早速、検索するとホームページに最新ヒットの「ムーブズ・ライク・ジャガー」のPVがあり、とても気に入りました。全然知らなかったのですがデビューアルバムは1000万枚の大ヒットなんだそうです。大好きな80年代風であればこれは鉄板に違いないと発表済の3枚のアルバムを購入しました。
 PVで観た「ムーブズ・ライク・ジャガー」は昨年発表の3枚目のアルバムには入っていなかったのですが、それを追加した再編集アルバムが丁度発売されたところでした。

 この3枚のアルバムをずっと聴いています。とってもいいです。ファンキー、ムーディ、ジャンク、シェイク、ダンス。本当に80年代のポップ、ロックです。好みのド真ん中の筈なのですが・・・何というか、80年代の音楽を取り入れている、影響を受けたというより、80年代の音楽そのものです。心に引っかかっていた違和感が何かと考えたら、このバンドが80年代に登場していたら評価されたのかなあということです。ヒットはしたかもしれませんが、他の音楽に埋もれたかもしれないなあという感想です。
 「ムーブズ・ライク・ジャガー」の他にクィーンの「愛という名の欲望」が入っているのですがアレンジが全く同じで、これではカヴァーではなくてカラオケです。アルバムに収録するレベルではないです。
 好きか嫌いかが全て、音楽を別に評論する必要ありませんが、単純に最高とは叫べないところがあります。少し複雑ですが、それでも、勿論、大いに楽しめます。


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ビル・エヴァンス「ワルツ・フォー・デビイ」(完全版)

              

 ビル・エヴァンスによる不朽の名作「ワルツ・フォー・デビー」と「サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」の完全版。1961年6月25日(日)、ニューヨークのヴィレッジ・バンガードで開催された5回のコンサート全てを順番に収録した3枚組です。

 この5回のセットから編集されて、2枚の傑作アルバムが生まれています。歴史に残るコンサートであればファンならその全貌をノーカットで聴きたくなって当然ですが、実際にノーカットで聴くと冗長だったりして、やはりオリジナルがいいと感じることが多いのはマイルス・デイビスの演奏とプロデューサーのテオ・マセオによる編集の関係で有名なところです。

 この演奏については、時代を考慮すると奇跡的に生々しい録音のよさも相俟って、決して冗長ではなく、素晴らしいトリオを隅々まで堪能できます。客席の談笑、食事中の皿、グラスがカチカチ鳴る音。歴史的な演奏をBGMに仲間と笑って食って喋っているニューヨーカー。張りつめた緊張感のある演奏と遠くに聞こえる客席のリラックスした雰囲気。不思議な空間です。

 このディスクは2002年に発売されたものがSHM-CDになり、アルバム名も変更となって再発売されたものだそうです。私は初めて聴いたのですが、改めて、エヴァンスのピアノ、スコット・ラファロのベースに酔いしれます。人類の至宝と呼んでいい演奏の記録だと思います。


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ももいろクローバー「ももクロ春の一大事~眩しさの中に君がいた~」 

               

 ももいろクローバーの4月10日のコンサートライブ映像です。1部、2部構成で、後半がこの日で脱退した早見あかりのファイナルステージとなっています。

 といってもファンでない方には何のことだか分からないと思いますが、このステージがとにかく面白い。もともとこったコスチューム、セット、踊りを特徴としていますがその持ち味がよく出ています。PVがプロレスもので武藤の決めポーズを使っている「Chai Maxx」では1部では神奈月が登場、2部では神奈月と武藤本人も登場してのパフォーマンスで笑わせます。
 なんといっても「ミライボウル」、「ココ☆ナツ」、「行くぜっ!怪盗少女」、「オレンジノート」、「ピンキージョーンズ」といったヒット曲がいいのですが、アルバムにも入っていないけど既に定番となっている「キミとセカイ」、「走れ!」、「ツヨクツヨク」など佳曲揃いで楽しめます。

 歌は基本的にソロパーツが生歌でサビのコーラスがテープを使用しての被せだと思います。テレビの口パクは仕方ないとしてもコンサートくらいは全て生歌が理想ですが、これだけ踊るので許容範囲です。

 それにしても早見あかりの脱退が残念です。私がももクロを知った時には、既に早見あかりは脱退していたのですが、よく見る動画のヒット曲映像にはまだ早見あかりがいてすごくいいアクセントになっています。ラップ歌詞担当で踊りも大きくて見栄えがして、MCでは司会役を務めるまさにキーマンといえるサブリーダーでした。ハーフっぽい顔立ちでさっぱりした性格なので、アイドルには向かない、女優を目指すというのも納得で仕方ありません。

 第2部の最後はさよならセレモニーで長いのですがファンには堪らないかもしれません。そして、メンバー退場後のフィナーレは別テイク映像が流れて終演かと思いきや、「ももいろクローバーは進化します」「ももいろクローバーZ」の表示で場内騒然。Z誕生というサプライズで終了です。
 特典映像では会場の様子をモニターで観るメンバーがそこで初めてZを知ってびっくりというシーンも収められていて面白いです。

 たまに観客席の映像となるのですが、私のようなおじさんもいて推しメンバー色のハチマキをしめてTシャツを着て応援しています。私も正直、観てみたい気もするのですが、客観的には気持ち悪いです。
 12月25日(日)のさいたまスーパーアリーナのコンサートの先行抽選予約が9月12日(月)まで受付中です。娘を年末までに洗脳して、ファンの娘に仕方なく付いてきました風に観戦しようかとも考えたのですが、小心者なのでたぶんそこまではしないと思います(そもそも抽選で当たる確率がどのくらいなのかも分かりませんが)。

 先日、実家に帰省した際、小学校3年生の姪っ子に会ったのですが、AKB関連の知識の深さに驚きました。テレビを見ていて、「あきちゃ髪切ったね」「玲奈は帽子似合わないんだけどなあ」とか母親と評論していました。全国津々浦々、低年齢層まで浸透していてAKB旋風の凄まじさを改めて感じ入った次第です。
 AKBグループに押され気味ですが、ももクロほど面白くてメンバーも個性的、いい歌を歌っているグループもそうないので、もう少し売れてほしいなと思います(熱狂的なファンは既についていて女性ファンも増加中とのことです)。

 ところで、このDVDは3枚組(全330分)で定価6090円なのですが、アマゾンだと4466円(▲27%)です。差があり過ぎて、これだと街中の音楽ショップに行く気はしません。


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バーンスタイン/ウィーンフィル「モーツァルト 後期交響曲集」

              

 大好きなモーツァルトの後期交響曲です。第35番《ハフナー》、第36番《リンツ》、第38番《プラハ》、第39番、第40番、第41番《ジュピター》の6曲。CDを何枚持っているのか分かりませんがいずれにしても質量十分、まさかまだ買うとは思っていませんでした。バーンスタインのモーツァルトが結構いいと読んだので、久しぶりにメジャーな名曲集を購入しました。レクイエムはよかったですが、バーンスタインのモーツァルトはあまりイメージできずに敬遠していました。

 ウィーンフィルの音ですし、どの演奏も活き活きしていてとてもいいのですが、変わっているなあと感じたのは第40番です。クールな旋律と様式美が魅力の曲ですが、気持ちを入れて優しく奏でているような人間味を感じる音楽になっています。言うまでもなくモーツァルトは感情移入や色付けをやりすぎるとダメなのですが、ウィーンフィルがしっかり受け止めてまとめています。

 スケールの大きな第41番も素晴らしい。モーツァルトの魅力的な装飾をこれでもかと濃いめに付けて表現していくのですが決してやり過ぎない。幸せの極みの音楽です。聴き過ぎてもう当面いいやと思っていたこういう名曲の良さを改めて知らしめてくれます。

 同じ言葉の繰り返しになってしまうので詳細は省略しますが、ハフナー、リンツ、プラハ、39番のどれも美しくて立派で愉しくて感動的です。

 モーツァルトのシンフォニーってこんなに魅力的だったんだ。当たり前ですね。4回、5回と繰り返し聴いてしまいました。


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「桂花」(渋谷センター街店)

          

 映画の後は麻布十番の「総本家更科堀井」で蕎麦を食べようと入店したのですが、大きな丸テーブル席を勧められました。一人なので仕方ありませんが、ゆっくり酒飲んで蕎麦を啜るにはテーブル席でないと落ち着きません。贅沢言うようですが(高級)蕎麦屋で前に人が座っている相席は勘弁してほしいです。さらしな、かき揚げはまた別の機会にしようと店を出ました。

 渋谷に移動してタワーレコードに寄った帰り、「中本」で北極ラーメンを食べてみようかと思いましたがこちらは昼の1時半で行列15人、こちらもちょっと長いです。

 結局、「桂花」です。桂花はこの大ラーメンブームの中で今となっては時代遅れのラーメン屋と認識されているかもしれませんが私は今も大好きです。倒産して再生中、横浜の店もなくなったので、首都圏は、新宿、池袋、渋谷だけとなりました。頑張ってほしいです。渋谷店は外観が汚そうでくたびれているので何とかした方がいいと思うのですが、そこまでは余裕ないでしょうか。

 いつもは太肉麺か桂花ラーメンなのですが、「五香肉麺」(だったか旧DIDI麺)にしました。トンカツがのっているのかと思っていたら、そうではなくて、スパイシーな衣を付けて焼いてあるポークソテーです。これが実においしい。気に入りました。

 そして、独特のコク、くさみのあるスープ、カタメの中太ストレート麺、シャキシャキのキャベツと万全です。やはり美味しいです。


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