バーンスタイン/ウィーンフィル「モーツァルト 後期交響曲集」

              

 大好きなモーツァルトの後期交響曲です。第35番《ハフナー》、第36番《リンツ》、第38番《プラハ》、第39番、第40番、第41番《ジュピター》の6曲。CDを何枚持っているのか分かりませんがいずれにしても質量十分、まさかまだ買うとは思っていませんでした。バーンスタインのモーツァルトが結構いいと読んだので、久しぶりにメジャーな名曲集を購入しました。レクイエムはよかったですが、バーンスタインのモーツァルトはあまりイメージできずに敬遠していました。

 ウィーンフィルの音ですし、どの演奏も活き活きしていてとてもいいのですが、変わっているなあと感じたのは第40番です。クールな旋律と様式美が魅力の曲ですが、気持ちを入れて優しく奏でているような人間味を感じる音楽になっています。言うまでもなくモーツァルトは感情移入や色付けをやりすぎるとダメなのですが、ウィーンフィルがしっかり受け止めてまとめています。

 スケールの大きな第41番も素晴らしい。モーツァルトの魅力的な装飾をこれでもかと濃いめに付けて表現していくのですが決してやり過ぎない。幸せの極みの音楽です。聴き過ぎてもう当面いいやと思っていたこういう名曲の良さを改めて知らしめてくれます。

 同じ言葉の繰り返しになってしまうので詳細は省略しますが、ハフナー、リンツ、プラハ、39番のどれも美しくて立派で愉しくて感動的です。

 モーツァルトのシンフォニーってこんなに魅力的だったんだ。当たり前ですね。4回、5回と繰り返し聴いてしまいました。


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「桂花」(渋谷センター街店)

          

 映画の後は麻布十番の「総本家更科堀井」で蕎麦を食べようと入店したのですが、大きな丸テーブル席を勧められました。一人なので仕方ありませんが、ゆっくり酒飲んで蕎麦を啜るにはテーブル席でないと落ち着きません。贅沢言うようですが(高級)蕎麦屋で前に人が座っている相席は勘弁してほしいです。さらしな、かき揚げはまた別の機会にしようと店を出ました。

 渋谷に移動してタワーレコードに寄った帰り、「中本」で北極ラーメンを食べてみようかと思いましたがこちらは昼の1時半で行列15人、こちらもちょっと長いです。

 結局、「桂花」です。桂花はこの大ラーメンブームの中で今となっては時代遅れのラーメン屋と認識されているかもしれませんが私は今も大好きです。倒産して再生中、横浜の店もなくなったので、首都圏は、新宿、池袋、渋谷だけとなりました。頑張ってほしいです。渋谷店は外観が汚そうでくたびれているので何とかした方がいいと思うのですが、そこまでは余裕ないでしょうか。

 いつもは太肉麺か桂花ラーメンなのですが、「五香肉麺」(だったか旧DIDI麺)にしました。トンカツがのっているのかと思っていたら、そうではなくて、スパイシーな衣を付けて焼いてあるポークソテーです。これが実においしい。気に入りました。

 そして、独特のコク、くさみのあるスープ、カタメの中太ストレート麺、シャキシャキのキャベツと万全です。やはり美味しいです。


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「監督失格」(TOHOシネマズ六本木ヒルズ)

              

 最近の新聞、雑誌の映画評で賛否両論ありと紹介されていて面白そうだったので観ることにしました。

 先行上映は六本木のTOHOシネマズ一館です。ネットでみたところ初回でも比較的空いていたので予約しました。上映初日に観たことはありますが初日の第1回は初めてです。

 久しぶりの六本木ヒルズ、オープン当初に観光で親を連れて来て以来です。しゃれた近代的な街並みで、さすがは東京の最新スポットです。劇場は5割程度の混みようでした。

 平野勝之監督と恋人のAV女優林由美香との愛と冒険、別離後の姿を追ったドキュメンタリー。メインは以前映画として公開されたという「由美香」の再編集です。平野と由美香が自転車で北の果て、北海道礼文島を目指します。しっかり化粧をして、日除けのための長袖、帽子を被ってどこか街にでも出掛けるような格好の由美香が、トラックがバンバン走る国道の脇を必死にペダルをこいでいる姿に魅入ってしまいます。涙流して、泣き言いって、ケンカして、泥酔して、同じような放浪者と交流しての二人の一カ月にわたる珍道中。真夏の移動でひどく辛そうですが、本当に幸せそうな二人。

 ドキュメンタリー番組は深夜や日曜昼のテレビでも結構深刻、重い内容も放映しているので、男と女のじゃれ合いに正直、期待外れというか、どうしてこれが映画なのという気持ちで観ていたのですが、北海道自転車旅行のロードムービーは何ともいえない魅力があります。自由、無計画、奔放さへの憧れです。私は憧れてもできない。

 この旅行の後に二人は別れることになります。平野監督は同じような北海道自転車旅行モノを撮り続けるけど行き詰ってしまう。8年近い年月が流れて、久しぶりに由美香の姿を映像に残す作業を始めた矢先、突然の死を迎えた由美香を平野監督が発見することになる。由美香の死の発見シーン、その後いろいろあって最終的に「由美香」の続編として本編をまとめるまでの記録です。
 この後半もショッキングですが、それでも見所は前半のロードムービーだと思います。

 ドキュメンタリー映画としての評価は難しいです。製作者側に都合のいい映像だけの編集だろうし殊更美化するのはどうかと思います。他人様が観るべきなのかどうかは私には分かりません。ただ、この映画にはリアルな迫力があります。さわやかな青春映画のような後味が残る。私は面白かった。「由美香」を観たくなり、帰宅後探しましたが、今は絶版のようです。


 上映後、庵野秀明プロデューサー、平野勝之監督による舞台挨拶、マスコミ向け撮影会がありました。こういうのを見学するのは初めてです。庵野氏は来年公開のエヴァで頭が一杯で矢野顕子の歌まで入った完成版は観ていないと言っていました。新劇場版エヴァQも待ち遠しいです。
 平野監督は矢野顕子に歌をお願いして、出来上がった曲の題名が「しあわせなバカタレ」と聞いて笑って泣いたと話していました。


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