話はフクハラくんの RZ50に戻りますが、高校卒業間近の12月に、フクハラくんの運転でタンデムして走っていました。そこに対向車線から、CD80というバイクにのった警察官が通りかがったのです。警察官は止まれ、止まれと大声をあげましたが、フクハラくんは一気にアクセルをあけて逃走を企てたのです。当時50ccの最速スポーツなだけに、振り切れると思っていたようです。赤信号をいくつも無視して走っても、CD80の警察官はぴったり後ろにつき、振り切るどどころではありませんでした。2キロぐらい逃走したところでフクハラくんは逃走を断念し、RZ50を停車しました。後ろを走ってきた警察官は、赤い顔をして本当に怒っていたなあ。その後、後ろに乗っていた私は、すぐに解放されたのですが、フクハラくんは近くの交番まで連れて行かれ、何枚かの切符を切られたようです。翌日フクハラくんにどうだったか聞くと、フクハラくんの親父は結構エライ人だったので、何らかの要請をしたようです。どういう違反で切られたのか、何点減点だったのか、フクハラくんは教えてくれませんでした。そういう不思議な時代でした。
ZRX400をBASの品川デポで受け取り、自宅まで帰ってくるときに第三京浜を使うこととしました。品川から玉川インターまでは下の道で走り、やっと慣れてきたようなので、高速に入って最高速トライアルと思ったのです。まあ今のバイクはリミッターがあるから180kが限界かな。でも12年の経年変化でバイクも調子を落としてしまってるから、それに届かないかな、などと安直に考えてました。大学生のときに乗っていたγ400、そしてCBR400Rは軽くオーバー200kで、そのような状態でも直進安定性もばっちりでした。メーターが180までしか刻んでないので、それから先は手描きのメーター読みで、210キロぐらいまでさしておりました。当時のレーサーレプリカは、スピードが出れば出るほど、道路に強く押し付ける力が増して安定してました。12年前のバイクとはいえ、レーサーレプリカ以降のZRX400もかなりのスピードが期待できます。第三京浜の玉川インターから入り、すぐに始まる下り坂で、アクセル全開。タコメーターはレッドの手前でシフトアップ。ZRX400のエキゾーストノートは獰猛なうなり声にかわり、前方の獲物を狙うチーターのような加速を続けます。さて結果の最高速度は、驚くなかれ150k。笑い話ですが、ZRX400の経年変化ではなく、私自身の経年変化により、恐怖のためそれ以上のスピードが出せませんでした。考えてみればネイキッドのバイクで100k以上を出すのははじめてて、その凄まじい風圧と、狭まる視界が恐怖なのです。ZRX400の猫の額ほどのビキニカウルに頭を入れても、全く効果はありませんでした。私自身の経年変化により最高速トライアルは断念することとし、これ以降は、「スピードはいつでも出せるんだけど、スピードに溺れるケツの青いガキとは違うぜ」という高飛車なオヤジライダーとなることを宣言します。
どうしてもまたバイクにのりたくて、先日ヤフオクでZRX400(95年式)のライムグリーンを購入してしまいました。本当に衝動買いで、15年ぶりにバイクに復帰した「まもなく中年ライダー」です。静岡の方からの個人売買で20万円で購入しました。車検が8月まで残っていたので、最初に名義変更を行い、BASのデポ止めで受け取り、自宅まで自走で帰ってきました。バイク輸送のBASの安さには驚きました。浜松デポから品川デポまで、9345円ですぜ。先方が、無料でデポに入れてくれたので、この値段で受け取れました。オークション期間中に現物確認はせず、写真と人物評価などを考慮して購入しました。ですのでZRX400とは品川デポで初対面でした。感想は、ちょっと傷が多くやれているなという感じで、正直がっかりしました。やっぱりバイクや車などの売買の時は、現物を確認したほうがいいですね。でも後悔しても始まらないので、改造するからいいかと、気持ちを切り替えました。とりあえず直進安定性は大丈夫なので、レストアと改造をすれば、それなりのバイクになることでしょう。