「ねえ、おかあさん、運命って決まってるのかな?」「へっ?うんめい・・・?」
低学年の子供から出る言葉にしては、ずいぶん重たいのね。
彼がなぜ運命などという言葉を口にしたのか検討がつかないが、子供はたまに突拍子もない質問をする時がある。世間の母親達はこんな時、いったいどんな返事をするのだろうか。ぼんやり考えたあと言ってみた。
「運命は、自分で切り開いていくものでしょ。」
「じゃあ、決まってないの?」
「決まってるのは宿命でしょう。運命とは違う。」
「宿命ってなに?」
「そうだねー、うちの子に生まれてきた事とか、生まれてくるときにすでに持っていたものとか、そう誰かが言ってたよ。」
「ふーん。じゃあ、僕の将来は宿命?運命?」
「これからの事だから運命でしょ。自分の努力でつかんだり変えたりできるよ。でも、運命に翻弄されるとかいう言葉もあるしなー、良くなるとも限らないんだよなぁ。・・・・ブツブツ・・・。」
「・・・・・・。」
難しすぎてもう子供には分からない。分からなくてもニュアンスが伝わればいいと思っているから、私は大人に話すのと同じように普通に彼と話す。だって言葉はそうやって覚えていくものだから、使ってればいつかわかるようになるはず。今は分かっても分からなくてもどっちでもいい。真面目に聞いていようがいまいがどっちでも身になるはずだ。
子供と話しながら自分の過去を、またぼんやりと振り返る。自分で言いながら、そうなんだと改めて思う。貧乏なうちに生まれてきたのは宿命である。でも今も充分貧乏である・・・そう考えて、ふっと笑ってしまった。
「そうだね、運命は自分の力で変えていかなきゃね!よし、金持ちになるぞ!!」
「えーーー!それは無理じゃん?」
「なにおー!」
そんな風に子供から学ぶことがある。特に間違えたとき、とちった時、見失った時、子供と相談すると驚くほど純粋な返事が返ってくる。確かにそうだったなと反省できる。確かにそうだったというのは、自分がこうあるべきと、ずっと子供に教えてきたことだから、納得できるのかもしれない。それが理想であるから。
何かを作ったり変えていくには大きなエネルギーが必要だ。できればぬくぬくとその場に安定していたい。きっと人間は怠け者に出来ているのだと思う。自分の限界ももうわかっている。けど、子供を初め、自分の限界を押し上げていこうとする人達は素敵だ。「がんばれっ!」と応援したくなる。その人達からエネルギーを分けてもらい、また自分の限界も少しだけ上に上げることができる。
「ふんっ!貧乏で何が悪い!世の中にはもっといいものがあるのさ。あたしはそれをいっぱい持っている!」「それって何?」「お金がないのにDSが欲しいなんてわがまま言う奴には教えてやるもんかー!」「えー!なんでよー!教えてよー!」
人生の中で自分で選んで生きてきたこと、その一つ一つを思い浮かべてみると、それが私の運命だったんだな、今のところ結果オーライかもとちょっとうれしかった。

低学年の子供から出る言葉にしては、ずいぶん重たいのね。
彼がなぜ運命などという言葉を口にしたのか検討がつかないが、子供はたまに突拍子もない質問をする時がある。世間の母親達はこんな時、いったいどんな返事をするのだろうか。ぼんやり考えたあと言ってみた。
「運命は、自分で切り開いていくものでしょ。」
「じゃあ、決まってないの?」
「決まってるのは宿命でしょう。運命とは違う。」
「宿命ってなに?」
「そうだねー、うちの子に生まれてきた事とか、生まれてくるときにすでに持っていたものとか、そう誰かが言ってたよ。」
「ふーん。じゃあ、僕の将来は宿命?運命?」
「これからの事だから運命でしょ。自分の努力でつかんだり変えたりできるよ。でも、運命に翻弄されるとかいう言葉もあるしなー、良くなるとも限らないんだよなぁ。・・・・ブツブツ・・・。」
「・・・・・・。」
難しすぎてもう子供には分からない。分からなくてもニュアンスが伝わればいいと思っているから、私は大人に話すのと同じように普通に彼と話す。だって言葉はそうやって覚えていくものだから、使ってればいつかわかるようになるはず。今は分かっても分からなくてもどっちでもいい。真面目に聞いていようがいまいがどっちでも身になるはずだ。
子供と話しながら自分の過去を、またぼんやりと振り返る。自分で言いながら、そうなんだと改めて思う。貧乏なうちに生まれてきたのは宿命である。でも今も充分貧乏である・・・そう考えて、ふっと笑ってしまった。
「そうだね、運命は自分の力で変えていかなきゃね!よし、金持ちになるぞ!!」
「えーーー!それは無理じゃん?」
「なにおー!」
そんな風に子供から学ぶことがある。特に間違えたとき、とちった時、見失った時、子供と相談すると驚くほど純粋な返事が返ってくる。確かにそうだったなと反省できる。確かにそうだったというのは、自分がこうあるべきと、ずっと子供に教えてきたことだから、納得できるのかもしれない。それが理想であるから。
何かを作ったり変えていくには大きなエネルギーが必要だ。できればぬくぬくとその場に安定していたい。きっと人間は怠け者に出来ているのだと思う。自分の限界ももうわかっている。けど、子供を初め、自分の限界を押し上げていこうとする人達は素敵だ。「がんばれっ!」と応援したくなる。その人達からエネルギーを分けてもらい、また自分の限界も少しだけ上に上げることができる。
「ふんっ!貧乏で何が悪い!世の中にはもっといいものがあるのさ。あたしはそれをいっぱい持っている!」「それって何?」「お金がないのにDSが欲しいなんてわがまま言う奴には教えてやるもんかー!」「えー!なんでよー!教えてよー!」
人生の中で自分で選んで生きてきたこと、その一つ一つを思い浮かべてみると、それが私の運命だったんだな、今のところ結果オーライかもとちょっとうれしかった。
