茫庵

万書きつらね

漢詩練習 - 二〇〇九年四月二十四日 退職者送別

2009年05月11日 12時23分29秒 | 漢詩
4月一杯で退職する人の送別会が催されました。
私は参加出来なかったので詩を送りました。
詳しい事情は何も知らないのですが、
優秀な人なので、選択に誤りは無いだろう、
という思いで作りました。

送別
            風雷山人

颯颯薫風散積憂  颯颯たる薫風 積憂を散らす
         (さつさつたるくんふう せきゆうをちらす)

百花飛盡復何求  百花は飛び盡くして 復た何をか求めん
         (ひゃっかはとびつくして またなにをかもとめん)

天晴一碧無塵念  天晴一碧 塵念無し
         (てんせいいっぺき じんねんなし)

此日傾杯是好謀  此の日杯を傾く 是好謀たり
         (このひはいをかたむく これこうぼうたり)


【大意】

花と一緒に   (はなといっしょに)

憂いも散らし  (うれいもちらし)

新緑匂ふ    (しんりょくにおう)

初夏の風    (しょかのかぜ)


  初夏の風 運ぶ季節と 新境地


漢詩練習 - 二〇〇九年四月五日 詩写展日記

2009年05月11日 12時11分31秒 | 漢詩
このところ色々と忙しくてついこちらの更新から遠のいていました。
本日は、詩写展の当番の日に夫婦連れだって会場に行った時の詩です。

詩写展当番
          風雷山人

花笑鳥歌草色宜  花笑ひ鳥歌ひ 草色宜し
         (はなわらいとりうたい そうしょくよろし)

青眼喫茶忘時移  青眼茶を喫し 時の移るを忘る
         (せいがん ちゃをきっし ときのうつるをわする)

陽春麗日迎詩客  陽春麗日 詩客を迎ふ
         (ようしゅんのれいじつ しかくをむかう)

清話悠然惜別離  清話悠然 別離を惜しむ
         (せいわゆうぜん べつりをおしむ)


【大意】
結構なお日和、詩写展開催中の喫茶店に来てみました。
お茶を飲みながら展示作品に見入ってしまい、
つい、時間が経つのを忘れてしまいました。
すると、お偉い詩人と詩画の作家さんのグループが来られて
話題百出、詩の話、芸術の話など、沢山されて、
名残惜しみつつ帰られました。


という訳で、この日、私ども夫婦のような素人から見たら、
同席する事も恐れ多い、大ベテランの方々が来られて、
しばらくの間、詩や芸術について歓談する、という
幸運に恵まれたのでした。



漢詩練習 - 写詩展出品用

2009年03月30日 12時37分42秒 | 漢詩
二〇〇九年三月二十九日 推敲

その後、いろいろと気になったので推敲しました。
これを写詩展に出品することになりました。

早春観梅
           風雷山人

紅梅一点映蒼天  紅梅一点 蒼天に映ず
         (こうばいいってん そうてんにえいず)

草木萌芽春爽然  草木萌芽して 春爽然
         (そうもくほうがして はるそうぜん)

半日観游林下路  半日の観游 林下の路
         (はんにちのかんゆう りんかのみち)

東風到処瑞香伝  東風到処 瑞香伝ふ
         (とうふういたるところ ずいこうつたふ)



以下は推敲前の状態です。


二〇〇九年二月二十八日

静岡に行きました。
行きの新幹線の中で一首。
これは今度とある喫茶店の写詩展に出品するものです。
梅の花の写真につけて飾ってもらいます。

                    風雷山人

一枝画景早春天  一枝の画景早春の天
         (いっしのがけい そうしゅんのてん)
十里尋春思悄然  十里に春を尋ね思い悄然
         (じゅうりにはるをたずね おもいしょうぜん)
早暁探梅林下路  早暁探梅林下の路
         (そうぎょうたんばい りんかのみち)
午晴暖日瑞香伝  午晴の暖日瑞香伝ふ
         (ごせいのだんじつ ずいこうつたふ)

梅花一枝    (ばいかひとえだ)
搜して歩けば  (さがしてあるけば)
香伝わる    (かおりつたわる)
春の路     (はるのみち)

 早咲きの 紅色清し 梅の花

漢詩練習 - 期限が守れない

2009年03月08日 21時25分19秒 | 漢詩
二〇〇九年三月八日

今年の2月は結構暖かく感じていたのに
3月になってから雪がちらつくほどの寒さと悪天候続き。
仕事はスケジュールからの遅延が増えるばかり。

色々と悪い時には悪い事が重なるもので。
人生そんな時もあります。

久々の残業詩です。
ほんとうは詩を作ってる場合じゃないのですが。。。
あと、詩と違って私自身は夜はぐーすかぴーです。

              風雷山人

遅れ

寒風氷雪凍雲天  寒風氷雪 凍雲の天
         (かんぷうひょうせつ とううんのてん)

終日遷延気凛然  終日遷延 気凛然
         (しゅうじつせんえん き りんぜん)

奈此閑愁私自愧  此の閑愁を奈せん  私に自から愧ず
         (このかんしゅうをいかんせん ひそかにみずからはず)

冷威料峭夜難眠  冷威料峭 夜眠り難し
         (れいいりょうしょう よるねむりがたし)


【大意】

寒さが続く   (さむさがつづく)
遅れも続く   (おくれもつづく)
気持ちは焦る  (きもちはあせる)
手は止まる   (てはとまる)


  春の雪 期限遅れに 気が滅入る


漢詩練習 - 早春観梅

2009年03月08日 18時11分30秒 | 漢詩
二〇〇九年二月二日

作詩時期は前後しますが
後ろの【大意】が未完だったのでこちらが後になりました。

二〇〇九年二月一日、品川公園の梅林にて。
これも写詩展に出そうと思って作詩したものです。
最終稿が何になるかはまだわかりません。
時間はあるのでもう一首位作って選ぼうかと思っています。

早春観梅     風雷山人

漫歩優優泉石旋  漫歩優遊泉石旋る
         (まんぽゆうゆう せんせきめぐる)

午陽燦燦近郊辺  午陽燦燦近郊の辺
         (ごようさんさん きんこうのほとり)

一枝画景梅花笑  一枝画景梅花笑ふ
         (いっしがけい ばいかわらふ)

十里東風二月天  十里の東風二月の天
         (じゅうりのとうふう にがつのてん)


【大意】

梅花求めて  (ばいかもとめて)
庭園歩けば  (ていえんあるけば)
一枝微笑む  (いっしほほえむ)
春の風    (はるのかぜ)

  早春の 梅も微笑む 昼下がり


漢詩練習 - 静岡からの帰りの新幹線の中で

2009年03月08日 17時55分39秒 | 漢詩
二〇〇九年三月一日 同年三月八日推敲

三月一日、静岡からの帰りの新幹線の中で作詩。
三月八日、推敲して「夜來」を「蕭蕭」に変更。


春雨自遺
           風雷山人

天瞑一脈讀書情  天瞑一脈讀書の情
         (てんめいいちみゃく どくしょのじょう)
蕭蕭慈雨薄寒生  蕭蕭たる慈雨 薄寒生ず
         (しょうしょうたるじう はくかんしょうず)
春灯炯炯書窗下  春灯炯炯 書窗の下
         (しゅんとうけいけい しょそうのした)
煎茗焚香心自平  煎茗焚香 心自ずから平らかなり
         (せんめいふんこう こころおのずからたいらかなり)


春夜の讀書とお茶と香 (しゅんやのどくしょとおちゃとこう)
しとしと雨が     (しとしとあめが)
ちと寒い       (ちとさむい)

  春の宵 草木濡らす 霧の雨



漢詩練習 - 父の誕生日に

2009年02月15日 14時24分57秒 | 漢詩
二〇〇九年二月十五日
                風雷山人

父親が誕生日を迎えたので作詩。

昨年は入院したりして大変だったので
春の宵の散歩の様に平穏に暮らせる様に、
ということで送りました。


横斜影落夕陽移  横斜 影落ちて夕陽移る
(おうしゃ かげおちて せきよううつる)

月色玲瓏到処宜  月色玲瓏 到る処宜し
(げっしょくれいろういたるところよろし)

詩趣悠然周小径  詩趣悠然小径を周れば
(ししゅゆうぜん しょうけいをめぐれば)

春宵良節好風吹  春宵良節好風吹く
(しゅんしょうりょうせつ こうふうふく)


春の夕陽が沈みゆき

夜興は冴える月明かり

趣き感じ歩く道

好風遊ぶ春の宵


  散歩道 風とたわむる 春の宵




漢詩練習 - 桐山堂さんサイト10周年記念懇親会出席

2009年02月02日 12時23分15秒 | 漢詩
二〇〇九年二月一日

漢詩の添削、批評をして下さってた桐山堂さんのサイトが
開設10周年、ということで、懇親会が催されました。
私もこれに参加させていただきました。
帰宅後、御礼のメールにて本作を桐山堂さんにお送りしました。

二〇〇九年一月三十一日 桐山堂サイト十周年懇親会出席

                  風雷山人

桐師教導続連綿  桐師教導 連綿と続き
(とうしきょうどう れんめんとつづき)

情熱薫陶無比肩  情熱の薫陶 比肩無し
(じょうねつのくんとう ひけんなし)

祝十周年詩友聚  祝十周年 詩友聚まり
(しゅくじゅっしゅうねん しゆうあつまり)

歓談不尽会盟堅  歓談尽きず 会盟堅し
(かんだんつきず かいめいかたし)

【大意】

 桐師教導 歴史あり
 情熱溢れる 教え受け
 育つ門人 集まりて
 祝十周年の 卓囲む

  集い来る 詩人の宴 冬の街
  (つどいくる しじんのうたげ ふゆのまち)


漢詩練習 - はたちよしこさんの俳句に和す

2009年01月23日 08時24分46秒 | 漢詩
二〇〇九年一月二十日

はたちよしこさんからのメールに書かれた俳句に応ふ  七陽韵
あやとりの川に冬日がさす、という内容でした。

                   風雷山人

窓外寒威敷薄霜  窓外の寒威 薄霜を敷く
(そうがいのかんい はくそうをしく)

爐邊暖取両童唱  爐辺に暖を取り 両童唱う
(ろへんにだんをとり りょうどううたう)

午陽嬉笑翻花鼓  午陽 翻花鼓に嬉笑す
(ごよう、ほんかこにきしょうす)

繍架綸橋映麗光  繍りて綸橋を架ければ 麗光に映える
(ぬいとりてりんきょうをかければ れいこうにはえる)


【大意】

家の外は寒さ厳しく薄霜が降りています

温かくした部屋では 女の子が2人歌声をあげています

お昼時、窓から冬日がさす中、あやとりに興じる笑い声

糸の橋が照り映えてとてもきれいです


     あやとりの 冬日にかざす 糸の橋



漢詩練習 - 二度目の詩論研出席

2009年01月20日 08時46分41秒 | 漢詩
二〇〇八年一月十八日、またまた詩論研に行ってきました。

漢詩の話を40分ほどして欲しいと言われ、
素人なりに漢詩にまつわる話をして、
現代の漢詩や中国の児童文学の話を混ぜて、
なんとか時間きっかり話をつなぎました。
帰りに喫茶店で暫し談笑の時を得て、
色々な話が聞けてたいへん勉強にもなりました。


二〇〇九年一月十八日、二度目の詩論研出席 四支韵

                    風雷山人

歓談無際日西移  歓談際無く 日西に移り
(かんだんきわなく ひ、にしにうつり)

青眼論詩暮色遅  青眼詩を論じ 暮色遅し
(せいがん、しをろんじ ぼしょくおそし)

清話傾杯神樂坂  清話傾杯 神樂坂
(せいわ、けいはい かぐらざか)

親交一献忘帰期  親交一献 帰る期を忘る
(しんこういっこん かえるときをわする)


【大意】
話は尽きぬ 昼下がり

詩論は続く 日は暮れる

夕闇包む 神樂坂

時を忘れて 傾聴す