茫庵

万書きつらね

漢詩練習 - 二〇〇九年五月十三日 四川の震災から1年

2009年05月13日 20時24分48秒 | 漢詩
二〇〇九年五月十二日は

古の漢詩人にも縁の深い蜀の地を、
突然襲ったあの大地震から一周年でした。

震災一年
               風雷山人

一片愁雲天籟鳴  一片の愁雲 天籟鳴く
         (いっぺんのしゅううん てんらいなく)

青山緑樹百禽声  青山緑樹 百禽の声
         (せいざんりょくじゅ ひゃくきんのこえ)

献花敬弔新墳下  献花敬弔 新墳の下
         (けんかけいちょう しんふんのもと)

往事追懐無限情  往事追懐 無限の情
         (おうじついかい むげんのじょう)


【大意】
愁いを含む一片の雲
どこからか聞こえる風の音
山には青青と緑樹が茂り
鳥の声が響く

真新しいお墓の元
花と慰霊の祈りをささげ
古今の人々の営みに思いを馳せれば
限り無く込み上げてくる万感の情


  初夏の空 慰霊の祈り しみわたる



漢詩練習 - 二〇〇九年四月三十日 客先の退職者送別

2009年05月11日 12時44分43秒 | 漢詩
二〇〇九年四月三十日

客先で一緒に作業していた中国の人が、契約修了になり、帰国する事に
なったので、その送別の詩を作りました。

実は先だっての旅行はこの人の送別会も兼ねていました。
春の花が散っていく時節、去り行く春を惜しむ=本人との別離を惜しむ
とし、残る花(見送る人々)もいずれはどこかに去ってしまうのだから、
ひとつひとつの出会いと別れを大事にしていきましょう、という思いを
述べたつもりですが、意図が伝わったかどうかは不明です。


惜別離
              風雷山人

紅飛紫散惜春中  紅飛紫散 惜春の中
         (こうひしさん せきしゅんのうち)

新緑層層片片風  新緑層層 片片の風
         (しんりょくそうそう へんぺんのかぜ)

今日殘花何処去  今日の残花 何れの処にか去る
         (こんにちのざんか いずれのところにかさる)

人生歳月別離衷  人生歳月別離の衷
         (じんせいさいげつ べつりのこころ)

【大意】

花は飛び散る、緑は萌える。

別れを惜しむや、春の風。


  行く春を惜しむそよ風残り花


漢詩練習 - 二〇〇九年四月二十七日 客先の旅行に参加

2009年05月11日 12時33分16秒 | 漢詩
二〇〇九年四月二十八日

客先の小旅行に夫婦同伴で参加してきました。行き先は南房総の白浜です。
なぜか宿ではカニが食い放題になっていました。
二十六日の日曜日にチェックイン、二十七日の月曜日の午後には東京に戻り、
仕事、というハードスケジュールでした。
まさにカニを喰いにいった、という感じ。
現地では我々夫婦を邪魔したら悪いと思ってか、ほとんど自由行動でした。

行き:
 風が強かったです。前日まで悪天候だったためかも。
安房白浜:
 久しぶりにカニの食い放題に挑戦しました。
帰り:
 風はおさまり好天に恵まれましたがとにかくバスの中は暑かったです。
 我々夫婦は到着するまで喋りっぱなし。運転席のすぐ後ろに陣取ったので、
 運転手さんはうるさかったと思います。


安房白浜
          風雷山人

陣陣強風見白浪  陣陣たる強風 白浪を見る

羊腸宛宛到安房  羊腸宛宛 安房に到る

嘉肴旨酒歓何尽  嘉肴旨酒 歓何ぞ尽きん

詰旦蒼天笑語長  詰旦 蒼天 笑語長し



漢詩練習 - 二〇〇九年四月二十四日 新人歓迎会

2009年05月11日 12時28分08秒 | 漢詩
二〇〇九年四月二十四日

実は退職者送別会は、新人歓迎会も兼ねて行ないました。
私は客先で作業していたので当然どちらにも出れませんでした。
こちらは若者に向けてのメッセージです。
良いことも悪いことも含めて人生だ!
でも会社には仲間がいるよ。頑張ろうね。
というほどのつもりです。

新人
             風雷山人

莫忘初心自有眞  初心忘る莫かれ 自ずから眞有り
         (しょしんわするなかれ おのずからしんあり)

寂然端坐凛精神  寂然として端坐すれば 精神凛たり
         (じゃくぜんとしてたんざすれば せいしんりんたり)
          ※)静かに坐すればぴりりと気が引き締まる、の意

一門盛会春如夢  一門の盛会 春の夢の如し
         (いちもんのせいかい はるのゆめのごとし)

禍福不関歳月巡  禍福に関わらず 歳月巡る
         (かふくにかかわらず さいげつめぐる)


【大意】

楽も苦もある   (らくもくもある)

浮世の波に    (うきよのなみに)

漕ぎ出す船出の  (こぎだす ふなでの)

潔さ       (いさぎよさ)


  苦も楽も 分かつ仲間と 月見酒




漢詩練習 - 二〇〇九年四月二十四日 退職者送別

2009年05月11日 12時23分29秒 | 漢詩
4月一杯で退職する人の送別会が催されました。
私は参加出来なかったので詩を送りました。
詳しい事情は何も知らないのですが、
優秀な人なので、選択に誤りは無いだろう、
という思いで作りました。

送別
            風雷山人

颯颯薫風散積憂  颯颯たる薫風 積憂を散らす
         (さつさつたるくんふう せきゆうをちらす)

百花飛盡復何求  百花は飛び盡くして 復た何をか求めん
         (ひゃっかはとびつくして またなにをかもとめん)

天晴一碧無塵念  天晴一碧 塵念無し
         (てんせいいっぺき じんねんなし)

此日傾杯是好謀  此の日杯を傾く 是好謀たり
         (このひはいをかたむく これこうぼうたり)


【大意】

花と一緒に   (はなといっしょに)

憂いも散らし  (うれいもちらし)

新緑匂ふ    (しんりょくにおう)

初夏の風    (しょかのかぜ)


  初夏の風 運ぶ季節と 新境地


漢詩練習 - 二〇〇九年四月五日 詩写展日記

2009年05月11日 12時11分31秒 | 漢詩
このところ色々と忙しくてついこちらの更新から遠のいていました。
本日は、詩写展の当番の日に夫婦連れだって会場に行った時の詩です。

詩写展当番
          風雷山人

花笑鳥歌草色宜  花笑ひ鳥歌ひ 草色宜し
         (はなわらいとりうたい そうしょくよろし)

青眼喫茶忘時移  青眼茶を喫し 時の移るを忘る
         (せいがん ちゃをきっし ときのうつるをわする)

陽春麗日迎詩客  陽春麗日 詩客を迎ふ
         (ようしゅんのれいじつ しかくをむかう)

清話悠然惜別離  清話悠然 別離を惜しむ
         (せいわゆうぜん べつりをおしむ)


【大意】
結構なお日和、詩写展開催中の喫茶店に来てみました。
お茶を飲みながら展示作品に見入ってしまい、
つい、時間が経つのを忘れてしまいました。
すると、お偉い詩人と詩画の作家さんのグループが来られて
話題百出、詩の話、芸術の話など、沢山されて、
名残惜しみつつ帰られました。


という訳で、この日、私ども夫婦のような素人から見たら、
同席する事も恐れ多い、大ベテランの方々が来られて、
しばらくの間、詩や芸術について歓談する、という
幸運に恵まれたのでした。