茫庵

万書きつらね

漢詩練習 - 退院

2008年11月26日 08時28分36秒 | 漢詩
二〇〇八年十一月二十六日

退院



小春風穏弄寒枝  小春、風穏やかにして寒枝を弄び
(しょうしゅん、かぜおだやかにして かんしをもてあそび)

上午陽光告戻時  上午の陽光、戻る時を告げる
(じょうごのようこう、もどるときをつげる)

庭樹梢梢盈喜色  庭樹梢梢 喜色に盈ち
(ていじゅしょうしょう きしょくにみち)

家人祝還笑語時  家人祝還笑語時
(かじん かえるをいわう、しょうごのとき)

漢詩練習 - はたちよしこさんの詩「つり橋」に唱和す

2008年11月20日 08時06分23秒 | 漢詩
二〇〇八年十一月十八日

妻のご縁で詩論研に出席させていただき、
ご本人とお話する機会も得られたので、
妻がいただいた詩集から「つり橋」に
唱和してみることにしました。

はたちさんの作品の明るく柔らかいイメージに
あわせて訳詩も作ってみました。



はたちよしこさんの 「つり橋」に和す   風雷山人


飛橋跨峪結双崖  飛橋、峪を跨いで 双崖を結ぶ
(ひきょう たにをまたいで そうがいをむすぶ)

碧澗潜梁到水涯  碧澗、梁を潜って 水涯に到る
(へきかん はしをくぐって すいがいにいたる)

人度宙空揺不墜   人、宙空を度り 揺れども墜ちざるは
(ひと、そらをわたり、ゆれどもおちざるは)

両垠護礎意偕偕  両垠礎を護り 意、偕偕なればなり
(りょうぎん いしずえをまもり い、かいかいなればなり)

(訳詩)
つり橋が深い谷をまたいで

ふたつの崖をつないでいます。

サファイア色の流れがその下をくぐり

海までそそいでいます。

人は宙ぶらりんの橋を渡ります。

揺れはしますが墜ちることはありません。

両側の崖ではしっかり土台を護っていて

橋はとっても元気だからです


漢詩練習 - 日本児童文学協会の詩論研出席

2008年11月17日 09時08分14秒 | 漢詩
2008年11月16日

妻と一緒に日本児童文学者協会の詩論研に行ってきました。
自分以外、周囲は名の知れた詩人ばっかり。

二〇〇八年十一月十六日

詩論研参加記念  冬韻

詩論研出席

北風吹到報初冬  北風吹き到り 初冬を報ず

満座詩才和気濃  満座の詩才 和気濃やかなり

驟雨一過神楽坂  驟雨一過 神楽坂

帰途散策聴昏鐘  帰途の散策 昏鐘を聴く



漢詩練習 - プロジェクト終了

2008年11月17日 09時04分40秒 | 漢詩
2008年10月31日

ちょっと遅くなりましたが、先月末で足かけ2年にわたるプロジェクトが
終了しました。

プロジェクト終了            風雷山人


共寒霜来入高楼 寒霜と共に高楼に入る
かんそうとともにこうろうにいる
(霜の冷たい季節に高層ビルに入った)

向案机坐掻白頭 案机に向かって坐し 白頭掻けば
あんきにむかってざし はくとうかけば
(デスクに向かって白髪頭を掻きながら作業しているうちに)

明月二旋知節序 明月二旋 節序を知る
めいげつにせん せつじょをしる
(2度も中秋の名月が巡り、季節が流れたのを知った)

送少龍発意悠悠 少(わか)き龍の発つを送り 意、悠悠たり
わかきりゅうのたつをおくり い、ゆうゆうたり
(出来たての成果物が手元を離れるのを見送って、のんびり気分)