『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

3月14日(木)アルベロベッロ ー マテーラ ー ナポリ

2024-03-22 23:01:54 | 旅行
やはり早朝から目が覚めたので、散歩。

ホテルは駅のすぐ側なので、まず駅に。
駅員のおじいちゃんが既に掃除などしていて、にっこりとご挨拶。
澄んだ空気と朝日が気持ち良い。
少し寒かったので、ダウンベストのフードを被っていたのだけれど、ほぼドラえもん状態。



適当に歩いていたら、大きな教会に。小鳥の囀りと鐘の音が素晴らしく、動画に。



朝食後は、現地の日本人ガイドさんに連れられてトゥルッリ観光。
彼女の声や話し方が、親しかったオペラ歌手で、数年前突然、癌で逝ってしまったKさんにそっくりで、とても懐かしかった。

その後自由時間となり、夫はカフェでまったり。
私はダッシュでショッピング。
基本、ショッピングはハンティングなので身軽に一人で動き回ることにしている。




短い時間の中でしたが、可愛い小鳥の声のするお手製の素朴な葦笛が2ユーロだったので、5本ゲット。岩城先生、そして子供の生徒さん3名、そして自分用。

更には小さな銀製のプーモのペンダントチャームも48ユーロで。
これは同行の女性達から、とても羨ましがられた。
大きいものはそうでもないけれど、小さな買い物には本当に才能があると思う。

その後バスでマテーラへ。
事前に調べて知ったのは、狭い岩を削って造られた部屋・サッシに、貧しい小作農が家畜と身を寄せ合って大人数で暮らしていたこと、更に政府の方針で1952年には強制移住が行われ、いわばイタリアの恥ずべき場所として取り扱われていたという歴史があるということ。
なので、ちょっと怖気づいていたのだけれど、実際のマテーラは華やいだ活気のある明るい都会。

このサッシ群が大きな観光資源となって、今ではとても栄えている様子。



到着後すぐ、サッシの洞窟レストランでランチ。
雰囲気も良く、お店の人もみな陽気で日本語も飛び交う。
キノコとトマトのパスタ、ちょっとつくねっぽい独特のソーセージ皆美味しかったけれど、特にジェラートがたっぷりで美味しかった。
私は白ワイン、夫はイタリアの軽めのビール。どちらも乾燥している空気のせいか、とても美味しい。





その後の徒歩観光は上り下りもあり、中々ハード。

音楽学校もあって、トランペット、太鼓、フルートの音も聞こえてきた。
みなのびやかな良い音だった。イタリアの音、というのは確かにあるなあと思った。
日本の音大でこれだと、きっとすぐにクレーム電話で大変だと思うけれど、大らかなところが羨ましい。

この一帯は007やキリストの映画のロケでよく使われているそうで、そういわれてみれば?という箇所も沢山。

素晴らしい景色を堪能し、またバスでナポリ。
道中見えた夕日が美しかった。
この旅も、もうじき終わってしまうのだな、とちょっと感傷的になる。



ホテルのレストランで、夕食。
白、赤、のワイン、そして大きなナポリピザを持て余すが美味しかった。
イタリア人がピザの縁を残す、ということにも納得。
そうじゃないと食べきれない。



そして、デザートタイムとなり、ここで添乗員のUさんと一緒に企んでいた10分程のサプライズ演奏。
フルートの先生、ということはなんとなく何人かには話していたけれど、まさか、ここで演奏するとは?で、とても喜んでいただけました。

お店の人も「帰れソルレント」はご当地ソングということで一緒に大きな声で歌ってくれて盛り上がる。
次にこの度で生まれた自作のシチリアーノ。最後には「ナポリの6度」も使って、それ風に。
シンプルな民謡調なので、変奏曲に今後展開して、いつかコンサートで、また宇高さんとやってみたい。今回の旅の一番のお土産かも。
そして、「オーソレミオ」で締めて、アンコールには全員の無事の帰国を願いつつ、「ふるさと」。

フルートはいつも旅に持参している10万円くらいのヤマハの初心者用モデル。

18年のポルトガルの古城、19年のナイル川クルーズの船上、と一緒に旅して来ているけれど、トランクに入れたままでも壊れることなく、丈夫で、結構良い音出してくれる。

もちろんリペアマン綾部さんによる特別調整が施されていればこそだけれど。

特筆したいのは、今まで、こうした練習もなく、食後にパっと、吹くという時は通常の準備して臨む本番よりもヘンな緊張があったのだけれど、今回はそれが全く、微塵もなく、ただただ、こうして一緒に集えること、聞いていただけることが嬉しく有難く、ドキドキなんて全くなかったこと。
「ソの字立ち」による心身の変化進化が進んできているのを、久々だからこそ大きく感じることができた。

夜にホテルの部屋で小さな音でロングトーンをしてから寝る、というのは旅の間にフルートの持ち方を忘れない様に、といつもやっていることだけれど、ちゃんと普通に吹くのはこの日が初めて。
でも、息もむしろ長く続いていて驚いた。

ナポリの空気を吸い込んで、イタリア民謡にして送り出す。こんなに楽しいことはない。

植村泰一先生が、その師のオーレル・ニコレから「音楽はコミュニケーションのためにある」と教わったことを、かつて話していただけたけれど、その意味がちょっと解った気もしたナポリの夜。

嬉しい感想を沢山いただいて、ルンルンしていたのに、すっかり門前の小僧の耳年増となっている夫は「あ~あ、やっぱりロットの音とは全然違うな~~」と水を差す。

そんなの当たり前じゃん!(´;ω;`)




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