PIAFUL♪

ピアノを愛する私の・・・独断と偏見による
その時々の旬な話題?を気紛れに~♪

心の旅

2007-06-12 | book
人の心が読めることがこんなにつらいなんて・・・・・・。
次々と他人の心にワープした少女の “旅” の目的地は?

『心の旅』 著者 : 吉村 達也

問題児や不登校生徒のサポート校に入校させられた渚(17歳)。
ある日の薪割り実習中、失神し、自分の意識がどこかへ飛んでいくのを感じた。

最初の旅・・・
今にも自殺しようとするOLの心の中に入り込んだ。そして、聞いた。心の叫びを。
(自殺なんてやだ! 死にたくない! あたしを巻き添えにしないで!)

第二の旅・・・
死の床に臥した15歳の少年の心の中へ。親への愛に飢えた心を告白する少年。
(ぼくは、無条件の愛がほしかった。親から “おまえのことが大好きだ。おまえは
本当に大切だ” と、言葉に出して言われたかった)

第三の旅・・・(現実の渚も出血多量で生死の境を彷徨う状況下におかれていた)
男女の修羅場、無抵抗な女に向かって平然と暴力をふるう男の心の中へ。。
首を絞められているその女は、渚の母親・・・だった。
渚の心の叫び。(お母さん・・・・・・死なないで)

第四?の旅・・・
自分と母を捨てて行方不明になっていた父の心の中へ。父が今まで言えなかった
ことを全て聞いた。父と初めて言葉を交わし、心を通わせることもできた。

心を通わせるという本当の意味は、言葉を交わすこと!?
人と人との関係で大切なのは、真心ではなく言葉!?
愛していたら、言葉に出して伝えないと、それは本物の愛にはならない!?

言葉の大切さを、言葉で伝えることの大切さを、改めて考えさせられた小説です。