PIAFUL♪

ピアノを愛する私の・・・独断と偏見による
その時々の旬な話題?を気紛れに~♪

ひたひたと

2007-06-07 | book
打ち明けるにはあまりに凄絶な秘密を持つ五人・・・

著者の遺作となった作品集・・・
『ひたひたと』 著者 : 野沢 尚(公式サイト

未完の連作(五話で完成するハズだった)のうち二話が収められている。
「秘密の友人」 という、ネットのHPにアクセスしてきた五人の男女が、
“一生、胸の奥にしまい込み、他言しないと誓った秘密” を語り、共有しあう。

「十三番目の傷」・・・一人目の告白
全身に、12の深い傷跡を刻んだ(自傷行為にふける?)女性外科医、彼女と関わ
り、殺人者となった男が語る。
「ひたひたと」・・・二人目の告白
十歳の時、中学生に性的虐待をされた女性がトラウマを語り、現在の秘密を語る。

二作とも意外な結末に。(実は、引き込まれるように読んでる途中で、結末が推測
できた。不本意な方向に・・・(・"・;))被害者から加害者に変わる?女!悪女!?
こんな女とは関わりたくない!女のσ( ̄。 ̄) オイラも思えるほど・・・怖い!

あと3人の告白が終わった時、辿り着くのは何なのか?どんな局面を迎えるのか?
今となっては・・・。。。
野沢作品は、読後に強烈な印象を残す。良い意味でも悪い意味でも(・Θ・;)

“君が現世に刻みこんだ生の証しは作品として残っている”
“生きることは 死ぬことだ。死ぬことは 人々の心の中で生き続けるこということだ”
                                (北方 謙三 弔辞・・・より)