生きることの切なさ、避けられない悲しみを描く名作 9編
切ない小説アンソロジー
『男の涙 女の涙』 石田 衣良 選/日本ペンクラブ編
「瘋癲の果て さくら昇天」・・・団 鬼六 『最後の愛人』 より
七十歳を越した老人が二十三歳の愛人に、自殺によって先立たれ流す慟哭の涙。
「話を読む」・・・眉村 卓 『妻に捧げた1778話』 より
病気で死を間近にした妻の病室で、自分の書いた短い話を読んであげている夢を
何度も何度も見る。いつかそれが現実になるのを待てばいい・・・。
妻が死ぬことを受け入れたくない?切ない涙。
「真珠のコップ」・・・石田 衣良 『スローグッドバイ』 より
昼間は介護士をしているコールガールと “普通の恋人” に。
彼女の嬉しい涙と、彼女の健気さを愛おしむ彼の涙。
「デューク」・・・江國 香織 『つめたいよるに』 より
生まれた時から可愛がっていた愛犬が死んだ。悲しみいっぱいの涙。
その悲しみの中で出会った少年は、デュークの化身??悲しみを癒してくれた。
「スターダスト・レヴュー」・・・浅田 次郎 『見知らぬ妻へ』 より
オーケストラでチェロを弾いていた圭二の挫折。“君を愛することは もうやめる”
そう決意した自棄な?涙。
「すべて世は事もなし」・・・永沢 光 『すべて世は事もなし』 より
喧嘩の絶えなかった同居人との一方的な別れがあり、ずっと一人で生きてきた。
今、僕は結婚して妻がいる。一人じゃない。くすぐったいような喜びの涙。かなぁ?
(pia には理解し難い作品でした。m(。・ε・。)mスマソン)
「麦を噛む」・・・伊集院 静 『ぼくのボールが君に届けば』 より
息子が、“紫外線に肌を当てることは一切できない” 難病に冒された。
― 俺は何かを伝えてやりたかった。あの子は何かを知りたがっていた・・・・・・。
“青空の下の野球場を見に行きたい” 入院中、息子は青空の下にユニホームで
出て行った。彼を死なせたのは 野球を教えた自分なのだろう・・・切なく苦い涙。
「凧になったお母さん」・・・野坂 昭如 『戦争童話集2』 より
空襲の最中、焼夷弾で燃え上がった熱い空気の中で、 汗を涙をお乳を血を すべ
て注いで我が子を助け凧のようにひらひらと舞い上がった母の愛情の涙。
「有難う」・・・川端 康成 『掌の小説』 より
十五里の街道で、行き交う馬車や馬が道端へ寄ってくれるごとに 「ありがとう」 と
頭を下げて敬礼する評判のいいバスの運転手。そのバスに、貧しさゆえに 売りに
ゆかれる娘とその母が乗った。娘に泣かれ運転手に叱られ、いい時候になるまで
思い留まることにした母の思いやりの?涙。なのかなぁ。
自分とは かけ離れた(時代だったり 状況の)涙は、想像するだけで精一杯でした。
でも、「話を読む」 「真珠のコップ」 「麦を噛む」 の3篇の涙には心を潤されました。
切ない小説アンソロジー
『男の涙 女の涙』 石田 衣良 選/日本ペンクラブ編
「瘋癲の果て さくら昇天」・・・団 鬼六 『最後の愛人』 より
七十歳を越した老人が二十三歳の愛人に、自殺によって先立たれ流す慟哭の涙。
「話を読む」・・・眉村 卓 『妻に捧げた1778話』 より
病気で死を間近にした妻の病室で、自分の書いた短い話を読んであげている夢を
何度も何度も見る。いつかそれが現実になるのを待てばいい・・・。
妻が死ぬことを受け入れたくない?切ない涙。
「真珠のコップ」・・・石田 衣良 『スローグッドバイ』 より
昼間は介護士をしているコールガールと “普通の恋人” に。
彼女の嬉しい涙と、彼女の健気さを愛おしむ彼の涙。
「デューク」・・・江國 香織 『つめたいよるに』 より
生まれた時から可愛がっていた愛犬が死んだ。悲しみいっぱいの涙。
その悲しみの中で出会った少年は、デュークの化身??悲しみを癒してくれた。
「スターダスト・レヴュー」・・・浅田 次郎 『見知らぬ妻へ』 より
オーケストラでチェロを弾いていた圭二の挫折。“君を愛することは もうやめる”
そう決意した自棄な?涙。
「すべて世は事もなし」・・・永沢 光 『すべて世は事もなし』 より
喧嘩の絶えなかった同居人との一方的な別れがあり、ずっと一人で生きてきた。
今、僕は結婚して妻がいる。一人じゃない。くすぐったいような喜びの涙。かなぁ?
(pia には理解し難い作品でした。m(。・ε・。)mスマソン)
「麦を噛む」・・・伊集院 静 『ぼくのボールが君に届けば』 より
息子が、“紫外線に肌を当てることは一切できない” 難病に冒された。
― 俺は何かを伝えてやりたかった。あの子は何かを知りたがっていた・・・・・・。
“青空の下の野球場を見に行きたい” 入院中、息子は青空の下にユニホームで
出て行った。彼を死なせたのは 野球を教えた自分なのだろう・・・切なく苦い涙。
「凧になったお母さん」・・・野坂 昭如 『戦争童話集2』 より
空襲の最中、焼夷弾で燃え上がった熱い空気の中で、 汗を涙をお乳を血を すべ
て注いで我が子を助け凧のようにひらひらと舞い上がった母の愛情の涙。
「有難う」・・・川端 康成 『掌の小説』 より
十五里の街道で、行き交う馬車や馬が道端へ寄ってくれるごとに 「ありがとう」 と
頭を下げて敬礼する評判のいいバスの運転手。そのバスに、貧しさゆえに 売りに
ゆかれる娘とその母が乗った。娘に泣かれ運転手に叱られ、いい時候になるまで
思い留まることにした母の思いやりの?涙。なのかなぁ。
自分とは かけ離れた(時代だったり 状況の)涙は、想像するだけで精一杯でした。
でも、「話を読む」 「真珠のコップ」 「麦を噛む」 の3篇の涙には心を潤されました。