PIAFUL♪

ピアノを愛する私の・・・独断と偏見による
その時々の旬な話題?を気紛れに~♪

ヨッパ谷のヨッパグモ

2006-01-21 | book
夢幻の異空間へと読者を誘う?自選ファンタジー傑作集・・・

『ヨッパ谷への降下』 著者 : 筒井 康隆

表題作 〈川端康成文学賞受賞作〉「ヨッパ谷への降下」・・・
ヨッパ谷に巣を作っているヨッパグモ。このヨッパグモというのは 体長一ミリにも満
たない乳白色をした不透明の生物(蜘蛛類?)で、何千匹もが ひとつの巣の中に
棲んでいる。(らしい)
ヨッパグモの巣は繭の表面のように艶やかで、絹の反物の如く例えようもなく奥深
い美しさである。(らしい)

ん~。実際に存在する生き物なんじゃないの?って思ってしまうような詳細さ。
ヨッパグモって 小さい体に似合わず大食で、例えば幼児なんか骨にされてしまうか
も知れないぐらいの勢い。(らしい)

「ご飯の中に、お豆腐の中に社会が見えます」 「お味噌汁の中に国家があります」
と口走るような異様な感受性を持った朱女(あけめ)。
ヨッパ谷に架かる橋から、厚く張りめぐらされたヨッパグモの巣に転落(降下?)して
しまった朱女を助けに行く・・・。なんだか不思議で奇妙な世界に誘われてしまった。

ファンタジーとは言っても、全くの作り話ではない。(らしい)
この傑作集の中の 「薬菜飯店」、「エロチック街道」の “温泉隧道” など 実在してい
る。(らしい) ヨッパ谷の底に流れている “僧都川” も 確かに実在するし、事実では
ないにしても、真実について語られていることは否めない。(らしい!?)
だからかな~現実かも?って錯覚しそうになるのは。筒井康隆独特のユーモア!?