映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「インサイドマン」

2007年09月20日 | 映画~あ~
昨年(2006年)6月に見に行きました。
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その日、ホラー映画友の会会長のニコラス氏(旦那です)はもちろん『オーメン』を見たかったそうなのですが、あんまり人気がないらしく1日に1回の上映。しかも上映時間まで3時間くらいあって「待ってられるかぁ!」ということで見た『インサイドマン』。

まぁ、これが面白かったこと。

デンゼル様にジョディー・フォスター、そして宇梶剛志ではなく(しつこい?)クライブ・オーウェン。ウォレム・デフォーなんかもでてたりする。出演者が豪華すぎるし、どうかなぁ…とあまり期待してなかったんだけど、予想を覆すおもしろさ。監督はスパイク・リー。


デンゼル様というと、基本的には『フィラデルフィア』の役柄のような誠実で正義感が強く、紳士でいて頭が切れるじぇんとるまん的イメージ(アタクシ個人のイメージですよ)なんだけど、この人の演技力っちゅうのは素晴らしいね。超越してる。さすがオスカー俳優!NY的「あぶない刑事」をそれがこの人の自なのでは?と思うほど、デンゼル・ワシントンではなく“一刑事(アク強め)”にしか見えなかった。

たとえば『Ray』でオスカーを獲ったジェイミー・フォックスもそうだけど、演じる役柄が多岐にわたり、しかも“ジェイミーらしさ”を出すのではなく、役柄の人物にしか見えない演技をするんだよね。レイ・チャールズだったと思えば、トムちんを乗っけて恐怖におびえるタクシードライバーだったり、あるときはアメフトの一流選手だったり。それがハリウッドの一流俳優たる所以なのだな、と納得せずにはいられない(一部を除く)。
(注・ジェイミー・フォックスはインサイドマンには出ていません)

弁護士役のジョディー・フォスターは、デンゼル様やジェイミーとは異なるタイプの一流俳優だと思う。だって絶対ジョディー・フォスターにアホ女の役は出来ないと思うから。そんなオファーもこないだろうけど。でも、インテリ役をやらせたら流石だな、と思う。今回も期待を裏切らないインテリ&敏腕弁護士役。その自信と功績が鼻につくビッチぶりも素晴らしかった。こちらもはまり役だったと思う。


映画の内容もさることながら、構成や洒落のきいたウィットつかいかた、そして含みと人種問題を観客に投げかけるエンディングも素晴らしい。そこはスパイク・リーの独特な手法が見事に表現されていて、とにかく飽きさせない。細かい部分、例えば上司と部下の関係、人種問題を背景とした仕事を円滑に進めるための気配りにもそれらが見て取れる。

明確な結末を映画に盛り込むのではなく、観客の想像力を掻き立てるエンディングも洒落てるなぁ、と大満足の映画でした。

映画上映後の会場では、「中途半端に終わった」とか「全然意味がわからない」といった声が聞こえてきたのだけど、そう思う人も多いかもしれない。人種問題の知識が少しないと、本当に「何じゃこりゃ}」というエンディング。そういう知識がある人には、思わず唸ってしまうほどの上手さのある独特なエンディングです。


お薦め度:★★★★★



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