映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

『007 スペクター ~Spectre~』

2015年12月06日 | 映画~さ~
2015年 イギリス・アメリカ


日本でもこの週末から公開が始まった、007の最新作です。
あてくし、「スペクトル」だと思い込んでいたのですが、「スペクター」が正解なんですかね?ヤフーやグーグルで見てみたら、「スペクター」表記が多いようなので、それに倣ってみようとおもいます。

私がこの映画を見たのは1ヶ月ほど前なのですが、本国イギリスでも「ダニエル・クレイグの007史上、最高の出来」と大絶賛されての公開でした。もちろん映画館も大入りで、現在も絶賛公開中。


でも、「ダニエル・クレイグの007史上、最高の出来」かどうかと言われると、正直なところ意義ありと言いたい!


早速、感想に移らせていただきますが、わたくし個人的には断じて最高ではなかったです。もう、断然に前作『スカイフォール』の圧勝。

映画として観ている間は楽しめるんです。でも、スカイフォールが素晴らしかったのでどうしても比べてしまう。ダニエル・クレイグ以外のボンド映画は数本しか見たことがないので(ショーン・コネリーのもの)、いわゆる「007の形式美」(美女との絡みとかサービスシーン満載的な)をあてくしがどこまで理解しているかは正直なところ甚だ疑問なのですが、多分今回はいわゆる007映画の王道がいつもに増してふんだんにつめ込まれているんだと思います。もっとはっきり言うと、安っぽいシャレやわかりやすいサービスシーン(本編に全く関係のない美女たち)がとにかく多い。前回のスカイフォールでは、その配分が抑え気味で調度良かったんですよ(あくまで私個人の感想です)。それが、今回は胸焼け。

ただ、一般的なイギリス人にとっては、こういうわかりやすいお色気やシャレがあってこその007。決してただかっこいいだけのスパイ映画ではなく、しょうもないバカバカしさとか、世界中の美女をはべらすというわかりやすい「全世界の男の夢」を具現化することこそが007という映画の位置づけなので、胸焼けにはならないとのこと。ただ、ダニエル・クレイグの007の中で最高傑作かと言われると、同じく意義を唱えるひとも多く…いや、多いというか、私の周りで見た人たちは全員口をそろえて「前作のほうがいい」といいます。


そして、もう一つイマイチだった要因は主題歌!
今回はサム・スミスが主題歌を担当しているのですが、何度聞いても耳に残らない…。すいません、また前作と比べてしまいますが、アデルが歌ったスカイフォールのテーマ曲は、もう本当に、皆が口ずさんでいたくらい浸透していたんですよ。例えばスーパーの有線でこの曲がかかろうものなら、買い物客が自然と口ずさんじゃうくらいに。しかし、今回のテーマ曲はそこまでの市民権は得られていないのが現状。というのもね、難しすぎるんだと思うのですよ。スカイフォールが一度聴いたらサビの部分くらいはすぐに認識できるほど覚えやすかったのですが、今回のはもう何度聴いても覚えられない。良くも悪くも、引っかからないんです。更にぶっちゃけると、作曲したサム・スミス本人も「ちょっと音域を高くしすぎて、歌うのがしんどい」と認めているほど。本人もわかってるのなら仕方ないわよ…、と全く持って一般人な私も思うわけです。


それにしても今回の007は、いわゆる「お色気要員」の存在が個人的には目立っていたように思うのですが(モニカ・ベルッチ含む)、これが20年前なら多分そんな感想は持たなかったんだろうな、と自分のことながら思ったりもしました。時代の流れというのでしょうか。フェミニズムの台頭を感じた次第であるわけですよ。こんな適当な映画ブログでフェミニズムを語るのもどうかと思いますが(苦笑)、例えば20年前なら、ただのお色気要員、ボンドとのベッドシーンのためだけの「ボンドガール」を、なんとなくすっきりしない気持ちを持ちながらも「まあ、そういうもの」と流せたと思うのですが、2015年ともなるとそう簡単にも流せない風潮が強くなって来ているような気がします。これこそ個人的感想ですが、ダニエル・クレイグの007はそれ以前のものと比べると、こういうサービス要素って結構少なめだったと思うんです。でも、今回はサービス増量(もしくは以前の通常レベル)だったために胸焼け…というか、観ていてあまり気持は良くなかったというか。それも、私が前作ほど楽しめなかった原因の一つです。


関係ありませんが、「ボンドガール」ってボンド映画に出ている女性キャスト全員を指す言葉だってご存知でしたか?あたくし、「ボンドガール」=「映画の核心の握るメインの女性」だと思っていたのですが、違ったのです!女性キャスト全員というくくりなので、M(エム)を演じていたジュディ・デンチも、ただのお色気要員も全員がボンドガールのくくりなんですって!公開に先駆けてボンド映画特集がテレビで組まれていたのですが、ジュディ・デンチが言っておりました。

「『ボンドガールである』というのは、年齢に関係なくすべての男性を惹きつけるのよ。10歳の男の子でさえ、『007に出ている』というと、態度が変わるの!」と。

今回出演していたモニカ・ベルッチでさえ、ほぼ本編に関係のないチョイ役だったにも関わらず、ものすごく喜んでいましたし、話題にもなっていましたしね。「ボンドガール」力、恐るべしです。そういえば藤原紀香が以前から「夢はボンドガールになること」と言っていたような…本当にどうでもいいですけど。



ということで、12月4日から日本で公開の『007 スペクター』。
最高傑作では決してないと思っていますが(しつこい)、映画としてはもちろん楽しめます。特にダニエルのボンドを観ているひとはぜひ。



おすすめ度:☆☆☆ 


*画像はRotten Tomatoより


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