映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「ミス・ポター~Miss Potter~」

2008年04月22日 | 映画~ま~
2006年 アメリカ・イギリス映画

一度記事が完成したのに、ネットの接続がどうもよくなかったらしく消えました…むきーーーーっっっ!!!!!

さ、気を取り直して。

ピーター・ラビットの作者、ヴィクトリアス・ポターの伝記映画です。伝記映画というとものすごく堅い印象ですが、いろんな要素が詰まった映画らしい映画です。

結婚適齢期をとうに迎えたヴィクトリアス・ポター(レネー・ゼルヴィガー)は、自らが生み出したウサギのキャラクター「ピーター・ラビット」を出版しようと、出版社に通う日々。洋服を着たウサギの話なんて…とどこも取り合ってくれず、上流階級の女性が仕事をするなど考えられない時代背景もあり、ヴィクトリアスは変わり者扱い。ある日ある出版社でノーマン(ユアン・マクレガー)と出会い、作品を気に入ったかれた出版を了承。「ピーター・ラビット」は瞬く間にベストセラーになる。ノーマンを通し、ヴィクトリアスは彼の姉であるこちらも変わり者のミリー(エミリー・ワトソン)と親友に。ヴィクトリアスとノーマンは恋に落ち結婚を意識し始めるが…。

この映画が日本で公開された2007年9月当時。テレビCMを打っているにもかかわらず、あまり話題に上りませんでしたよね。でもね、仕方がないのですよ。この同じ時期に、『HERO』(木村さんのやつね)、『スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ』。その後『ALWAYS 続・三丁目の夕日』と日本映画が立て続けに持ち上げられていた時期なんです。この邦画が興行的にどうだったかは知りませんが、そのコマーシャルはものすごかった。そんな中での『ミス・ポター』の公開。地味でしょ?目立たなくても仕方がなかったんですよ、きっと。そういう私も『ミス・ポター』は観ずに『めがね』観にいきましたけど…。

だって、そりゃファンはいるだろうけど、日本人にとって「ピーター・ラビット」ってあんまり身近じゃないし、その作者なんかもっと身近なわけないし。俳優陣は豪華だったけど、興味を惹かれなかったんですよね。


というわけで全然期待せずに観た『ミス・ポター』ですが、これがなかなかいい作品だったんですよ!先日書いた『アメリカン・ギャングスター』と同じく実話を基にした映画なのですが、テンポがよくて、かわいらしさ、悲しさ、喜び…といろんな要素がぎゅっと詰まった良作なんです。

なんといってもレネー・ゼルヴィガーがいい!!実はレネー、どちらかというと苦手なタイプなんです。いろんな彼女の映画見てますしうまいと思うんだけど、いわゆる「美人女優」とは言い切れない外見、そしてかなり独特の演技。私の中では「不思議ちゃん枠」です、レネー。シニカルな演技や場面も、彼女を見ているとコミカルに感じたりもするのですが、その独特さが今回は生きてます。お絵かき大好きの変わり者ヴィクトリアスが、レネーのまじめなんだけどコミカルに見えてしまう表情などがぴったり合致。レネーが今まで演じてきた役柄の中で、これが一番いいんじゃないかとすら思います。あくまで個人的な感想ですが。

そして忘れてならないもうひとりの不思議ちゃん、エミリー・ワトソン。彼女もものすごく独特な役柄が多いですよね。『本当のジャクリーヌ・デュ・プレ』とか『パンチ・ドランク・ラブ』とか。そしてこれまた独特の外見。彼女も苦手枠だったんです。だって彼女に気をとられて映画自体にのめりこめないんだもん。それが、この映画ではいいんです。彼女演じるミリーも、この時代に珍しく独立心旺盛で結婚適齢期無視の女性なんですが、この時代に媚びない感じがエミリーの演技によってものすごくキャラ立ちし、ものすごく魅力的な人物として映画に存在しています。ちょっと見る目が変わるんじゃないか、と思うくらい。

ユアンは良いです。演技もうまい。そして映画の中でも魅力的。ただ今回はほか2人の主演女優たちがものすごく良かったので、ユアンについては特にコメントなし。

紙の上で動き出す動物たちのファンシーさも、「ヴィクトリアスには本当にこう見えているんじゃないか」と思えてくるほど。映画情報サイトでは、イギリスの風景も見ものだと書いてありますし、実際美しいのだけど、内容がとにかく良いので風景にまで私は目がいかなかった!きっと湖水地方は美しいんでしょうね(夏限定)。


おすすめ度:☆☆☆☆★


最新の画像もっと見る