映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「ヒストリーオブバイオレンス ~History of Violence~」

2008年01月10日 | 映画~は~
善良な市民がある日突然強盗に襲われ、勇敢にも戦い居合わせた人々を救ったことから、彼の秘密の過去が暴かれてしまう。


映画前半で描かれる、彼の家庭の円満ぶりは思わずうらやましくなるほど。妻が突然チアリーダーのコスプレで現われ、主人のトム(ヴィゴ・モーテンセン)をベッドに押し倒すシーンは、彼が暴力とは無縁どころか、夫婦関係も奥さんに手綱を握られているくらい気の優しい男…という印象がうまく伝わります。

しかし前半に比べ秘密が暴かれていく後半の、緊張の意図が切れたような展開には少々がっかり。悪役の外見が、子供向けのヒーロー物を見ているのかと錯覚するくらいわかり易過ぎて笑えます。

ひ弱キャラだった息子が豹変してしまうのは、父親への不振が起爆剤となっているのか、それとも切れてしまったのか。もしくはDNAなのか?もしかして重要なシーンカットされてた?(←ケーブルテレビの放送を見たので…)

そうそう、映画の冒頭シーンの長回しなのだけど、物語を始める上でのかませ犬である強盗を映し出すことで何か特別なヒントが隠されているのか、と思ったのだけど。「長まわし」という手法でインパクトつけたかっただけなのかなぁ。あそこだけ独特の空気をかもし出そうとしていたように感じたので、その効果が後に生きてくると思ってましたが、特に意味はなかったよう。


主人公ヴィゴ・モーテンセンの「切れ者」ぶりは、役柄ではなく人間としての存在レベルから漂ってきたのでネットで調べてみたら・・・

なるほど。役柄では隠しきれない頭の回転のよさがありました。本当の切れ者って、においのように自分のインテリジェンスを空気中に放出してしまうのかしら。


世間はかなり高評価だったけど、期待しすぎたのか私にはあんまり。



お勧め度:☆☆★