映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「ウォーリー ~WALL-E~」

2009年01月29日 | 映画~あ~
2008年 アメリカ映画


昨年の12月に帰国した際、日本の本屋の店頭でこの『ウォーリー』のコマーシャル映像が何度も何度も流れていたのね。「700年間ずっとひとりで掃除をし続けていたお掃除ロボット」(←記憶あいまい)みたいなフレーズが頭を駆け巡るわけ。もう、そのフレーズ聞いただけで泣きそうになったわよ。700年間って。もうさ、可哀想すぎて、映画の中とはいえそういう設定にしたアニメーター?監督?製作者??とにかく作った人に「人でなし!」と敵意を持ちそうになるほど。いじめだわよ、こんなの。酷すぎるわよ。ということで、帰りの飛行機の中で見ました。


映画の中ではなんでウォーリーだけが地球に残されていて、一人で黙々と掃除を続けなきゃ行けないのかは描かれていなくて、状況説明がちょっと足りないような気がしました(←仲間はみな壊れてしまったらしい)。映画は、うーん、なんか『モンスターズ・インク』のモンスターがキティーを連れて逃げ惑うシーンみたいな感じ。あのシーンが1つの映画になったような。それなりに楽しめるんだけど、満足度が低いのよ。

人間たちはゴミだらけの地球を捨てて、宇宙船で生活しているのね。仕事は全部ロボットの任せて、人間はリクライニングチェアに座ってるだけ。暇つぶしのテレビやゲーム、スカイプみたいなテレビ電話。その椅子からは降りることも離れることもなく、テレビ電話以外直接誰かと話をすることがないのね。食べ物も飲み物の、呼べばロボットが持ってきてくれる。異常な空間。でも、思ったわ。「映画の中の話」、「アニメ」と割り切ってみていられないから、「異常」だと言う感情が生まれるのよね。そう、なんかそのうちそういう社会が出来上がるんじゃないか、という不安を煽られたのよ。人間が「ただ」生きているだけの状態。この間の『ディファイアンス』と対極なわけよ。生き方が。動かないから、皆丸々太って骨も退化。現代社会へのアンチテーゼなのかしら。ロボット云々よりも、こっちのほうが気になって仕方なかったわ。船長がヒーローになり、人々の歓喜喝采を受け地球に戻ろうとするところは、とっても「アメリカ」。ここにもヒーローがほしかったのね。


ウォーリーが探して大切にしてきた植物の芽。『サンシャイン』を思い出しました。こちらはあまり好きではなかったけど。



この映画、残念だったのは、描こうとしているテーマはいくつかあるのだけど、どれもなんか中途半端に終わっていてどれも描ききれてないのね。子供向けだけどきちんと問題提起ができ、しかも面白く、大人が見ても楽しめる映画ってたくさんあるけど、これは表面だけをなぞらえた感じ。まぁ、問題提起をしようなんてさらさら思っていないのかもしれないけど。


ただね、ウォーリーは文句なくかわいいのよ。ロボットを「かわいい」と言うのはちょっと自分の事ながら許せないんだけど、それでもかわいいわけ。ウォーリーが悲しそうな表情をすると、胸が締め付けられるほど。だって、700年も一人で働いてきたのよ?もうこれ以上かわいそうな思いさせないでよ!と。あ、なんか私、設定に泣かされてるわね。実際機内で涙したもの(まじ)。


大人にはちょっと物足りないような気がします。子供向きかな。



おすすめ度:☆☆★

『イン・ハー・シューズ ~In Her Shoes~』

2009年01月14日 | 映画~あ~
2005年 アメリカ映画

キャメロン・ディアスとトニー・コレット主演のドラマです。トニー・コレットは製作総指揮も兼任しています。監督も女性のようで、女性特有の目線で丁寧に描かれた映画だと思います。


正反対の性格、キャリア、スタイルを持った姉妹二人の関係を軸に、家族との関係を描いた作品。内容は軽い感じのものではありませんが、映画全体の色彩やキャスティング、物語の進め方により過剰な重圧感はあまり感じません。だからといって派手な映画でもありません。コメディーのはじけるようなテンポや笑いや、アクションや映像などの「ごまかし」がない分、俳優陣の演技力が試される作品といえると思います。


好きで何度も見てる映画って、感想を書くの難しいわ。1度見ただけなら印象に残った箇所について書けばいいのだけど、何度も見ているといろんなところが見えてきて絞りきれないのね。・・・まぁ言い訳はこのくらいにして。


トニー・コレットは『リトル・ミス・サンシャイン』のお母さん役もやっていたんだけど、もう全然違うのね。確かに同じ顔なんだけど、別人に見えるの。完全に。同僚(マーク・フェゥアスタイン)に食事に誘われても、もう本当に仕事以外のことに興味がなくて、その断り方も「興味のなさ」がばればれで、かなりきつい態度なのよね。そしてその自分の態度のきつさに自分は気がついていない・・・というところまで、見事に表現しているのよ。自分の容姿に自信がなくて、美人の妹にどこか引け目を感じている姉。仕事と彼との不倫とご褒美の靴。彼女の視界に入ってくるのはそれだけ。だから職場の人たちの自分への目線や同僚からの好意にも全然気がつかない。ある意味幸せなような気もするわ。そのくらい周りが見えなくなれるというのは。もしかしたら、それ以外を見ないようにしているのかもしれないけど。


演じる役柄だけでなく、女優として抱く印象もとても対照的な2人なのだけど、この映画の中では2人ともとても抑えた演技をしていてその技術の高さに驚きました。コメディーのように喜怒哀楽を大きな表情の変化やわかりやすい動作であらわすのではなく。同じ「悲しさ」でもその悲しみの深さの1mmの違いを表現しきっているような。「喜」から「怒」という感情の変化や違いではなく、同じ「喜」ならその感情の中での度合いというか。特にキャメロン・ディアスのこういう表現に驚かされました。

『ギャング・オブ・ニューヨーク』のときもダニエル・デイ・ルイスに引けをとらない演技力の高さは感じたけど、コメディーのイメージが強いから、余計に驚きだったのね。


「自分に自信が持てないから」、仕事に没頭してその心の溝を埋めようとした姉と、「自分に自信が持てないから」、その時々の楽しさや快楽で心の溝を埋めようとした妹。そして2人が抱えているトラウマには共通の理由があって、それが晴れていくと同時に彼女たちの表情や態度、服装や話し方まで変わっていく。『プリティー・ウーマン』見たいな強引なのではなく、本当に穏やかに地味に、でも確実によい方向に。



ローズが「弁護士」という肩書きを捨て、事務所の外の人たちと交流を持つようになり、いつもスーツだったのがカジュアルな服装になって行き顔つきまで変わっていく姿、なんだかすがすがしい気持ちになります。肩の力が抜けたと言うか。別に弁護士としてがんばっているのが悪いということでは決してないのだけど、のびのびしている彼女の姿が見ているこちらの気持ちまで心を軽くしてくれます。これ、どんな環境であれ日本で働いた経験のある女性なら共感できるんじゃないかな。

派手な映画ではないけれど素敵な場面がちりばめられた、そして丁寧に作られた映画だと思います。その割りにキャメロンの水着姿はしっかり(?)あってちょっと笑えるけど。かなり女性的な視点が色濃く反映された映画なので、男性には物足りない感もあるかもしれませんが素敵な映画です。



おすすめ度:☆☆☆☆

『いとこのビニー ~My Cousin Vinny~』

2009年01月09日 | 映画~あ~
1992年 アメリカ映画


これ何年前の映画なんだろう、と調べてみたら92年でした。17年前ですよ。当時私は中学生だったんだけど、この映画でマリサ・トメイがオスカーを獲ったことを覚えています。でも映画自体は見たことがなかった。いや、何度か見ようとしたのだけど、10代にわかる面白さではないのよ。だから毎回ものの15分くらいで挫折してました。

今回飛行機に乗ったときに、どういうわけかこの映画が選択リストの中にあって(だって17年前の映画だもの。このチョイスにびっくりよ。)もう迷わず見ました。なんか、「やっとこの映画を見て楽しめる年齢になったんじゃないか」というよくわからない自信(?)みたいなものがあって。機が熟した、みたいな(←おおげさ)。


いやー、面白かったわ。

内容はというと、都会っ子の学生2人がアラバマ州の田舎町をドライブ中。いろいろな偶然が重なりひょんなことから殺人容疑で逮捕されてしまう。自分の容疑を晴らすために雇ったのはいとこのビニー(ジョー・ぺシ)。しかしビニーにとってこれが弁護士としての初仕事。司法試験に落ち続け、最近弁護士資格を手に入れたばかりの新米。婚約者のモナ・リサ(マリサ・トメイ)とアラバマ入りしたのは良いが、裁判経験ゼロのビニーは裁判を闘うどころかその用意も進め方も、何をするべきなのかもさっぱりわからない。このままでは完全な負け戦。さてどうなる?・・・といった感じ。



主演はジョー・ペシ。ジョー・ペシって頭がつるつるしてたようなイメージがあったから、最初は彼だと気づかなかったんだけど・・・どうも私、ダニー・デビート(『ツインズ』『バットマン』のペンギン男)とごちゃ混ぜになっていたことがたった今判明。見事に2人の人物を一体化し、それぞれの名前も顔も知っているし作品だっていくつか見ているのに、私って、私って・・・。


弁護士が主役のドラマって、たぶん99%はものすごく頭の切れる人たちの議論合戦・どうやってトリックを見破るかというミステリー要素が強い作品が多いと思うのだけど、この映画はまずそこが違います。ジョー演じる弁護士ビニー、ダメダメなんです。いや、駄目どころの話ではなくそれ以下なんです。法廷にはジーパン、革ジャンで現れるし、手荷物は計算用紙とボールペンのみ。相手の弁護士がスーツを着て、革鞄からたくさんの参考資料などを取り出すのと見事に対照的。資料が少ないとか安物のかばんやスーツではなく、そもそもそれらを持っていない!法廷用語も全然わかっていなくて、審議の進め方もわからない。弁護士ではなく、親戚のおじさんが急遽出てきたみたいな雰囲気。胡散臭いんだけど、曲者というよりは「こ、この人大丈夫?」と心配になるほど弁護士として信用、信頼できる要素が皆無。見てるこっちが「ええぇ・・・」って力が抜けるほど頼りない。その設定が独特で新しささえ感じます(17年前なんだけど)。

ジョー・ぺシが映画のテンポを完全に操っていて、とにかく間延びせずワクワクし通しです。

そして抜群のスパイスがマリサ・トメイ!もうたまりません、マリサ!!!あの時代の、肩幅が2倍になるような肩パッドのスーツやレオタード。どれもものすごく派手で、頭も爆発していて、化粧も結構きつめで、正にあの時代!なのです。80年代後半から90年代初頭のケバケバしくて女性が強さを求め始めたあのファッション。特に黒地に花柄の全身タイツ(下着でなく一応洋服です)なんて、何処で買ったの?・・・っていうか、そのチョイスに脱帽!!!と脳裏に焼きついて離れないほど強烈。またマリサ、似合ってるのよ。意外におしりが大きくて驚きでした。ヒスパニック系なのかしら?体系とか顔つきとか。

そして少年たちを助けることになる彼女の供述のシーンはもう痛快。ものすごく「女性」の身なりの彼女が車に詳しくて、その知識を披露し相手の供述を打破していくシーンはたまりません。なんていうんだろう、聞いていて身を乗り出してしまいたくなるほど惚れ惚れとする知識と姿勢で、「モナ・リサ、よくやった!」とガッツポーズしたくなっちゃうほど。

ジョー・ぺシとマリサ・トメイのコンビが本当にはまっていて抜群なんです。映画の中だけど、どうしてモナ・リサがビニーの婚約者なのかは不思議ですけど。何で選んだんだろう・・・と。でもこのでこぼこ加減がものすごくいい。そしてモナ・リサのファッションと知識と柔軟さのギャップがものすごくいい!身近にこんな人がいたら、すごく魅力的で目が離せないと思います。


古い映画ですが、おすすめ!このビデオ(DVD)のジャケットが最高にかっこいいです。



おすすめ度:☆☆☆☆★

「(原題) Office Space」

2008年12月18日 | 映画~あ~
1999年 アメリカ映画

IT企業に勤める人々の不満やストレス、その爆発の仕方を描いた作品。私はコンピューター系の会社に勤めているのだけど、職場の人のほとんどはこの映画を見たことがあるらしい。もちろん、同僚のおすすめで見た次第です。
かなりB級で、日本ではDVD発売もされていないんじゃないかなぁ。ブラピと結婚する前のジェニファー・アニストンが出演しています。

通勤渋滞、毎日変わる仕事のやり方、会社の方針、いやな上司の圧力、個性的というかちょっと迷惑な同僚たち・・・いろんな要因が溜まりに溜まって爆発。スーツ着用を拒否、仕切られたデスク間の仕切りを取っ払い、終いには釣ってきた魚をオフィスでさばく。

ストレスが溜まるのはわかる。そういう上司、いるいる・・・とうなづきたくなる。でも、ついていけない。何で魚をオフィスでさばくのよ。ジェニファーがカンフー好きでそれをきっかけに仲が進展でもいいんだけど、「本文と関係ない」感じで無理やりっぽい。私個人としてはものすごく退屈だった。同僚たちにはすこぶる評判のようだけど。自分たちと共通するストレス、そして彼らの願望が映画の中でかなえられてるのか?もしそうだとしたら、わたし、まだ職場に馴染みきっていないのね、きっと。


10年も前の映画だけど、ジェニファーは全然変わってなくて驚きます。私的見所はそこ。だからといって彼女のファンではありませんけど。


おすすめ度:☆

「イントゥ・ザ・ワイルド ~Into the Wild~」

2008年11月10日 | 映画~あ~
2007年 アメリカ映画

先月、知り合いから借りて観ました。

何不自由なく裕福な家庭に育ったクリス。大学を卒業した彼は、両親の期待をよそに旅に出ることを決意する。それまでの自分の人生の中では目にしたことのなかった様々な現実や社会を目の当たりにし、さらに彼は「人生の探求」を追い求めてアラスカの大自然の中へ。


クリスを演じるのは、エミール・ハーシュ。この俳優さん、この映画で初めて知りました。彼の身を削るような演技、すごいです。大自然での生活で、彼はどんどん痩せこけていくんだけど、メイクで頬に陰りを作るとかそんな程度のものではなくて、見ていて本当に「骨粗しょう症、大丈夫かしら?」と心配になるほど。『マニシスト』(未見)のDVDのパッケージにあるクリスチャン・ベールの激やせにも俳優根性を感じましたが、エミールはんもすごい。しかも、悲壮感なし。そう簡単に食料を調達できないような環境で生活しているから、やせていくのは当然なんだけど、「自分が好きで、選んでやっている」からこそ、そこに絶望感や悲壮感は漂ってないのね。

クリスの父親役をしているのが、ウィリアム・ハート。『バンテージ・ポイント』で大統領役で出ていた俳優です。ウィリアム・ハートのお父さん役、すごくいいです。彼の存在感のおかげで、クリスと両親、特に父親との人生観の対比が際立っています。

クリスが彼の年齢で人生に求めるものと、彼の両親が彼らの人生において求めてきたものとのギャップ。両親たちは「経済的な裕福さ」を求めて生きてきて、そこに価値を置いている。だからクリスが卒業式後の食事の席にボロボロの車で現れたこと、「新しい車を買ってあげる」との申し出に、なぜクリスが怒ったのかが理解できない。でもクリスが求めていたのは、お金とか経済的な「成功」ではなく、人生の探求だった。

それでも彼の生い立ちを見てみると、裕福な家庭に生まれ育って、何不自由なく生活し、大学にも通わせてもらって将来有望な青年。だからこそできる旅であるのではないかと思いました。クレジットカードを捨て、所持金の1ドル札に火をつけて一文無しの状態から旅を始めるのだけど、お金を燃やすというのは観ていて気持ちのいいものではない。募金するとかほかにもいくらでも方法はあるのに、何で燃やすかなぁ、と。それは映画の演出とかではなく、クリスがその方法を選んだのだから仕方がないけど(この映画、実話がベースです)。そう、金持ちの家庭に育ったからこその思考だし行動だと思います。まだ本格的なたびを始める前だから、その後お金がないことで困ることを想像できなかったんだろうけど。後にマクドでバイトしてみたり。そういう矛盾や滑稽さ、「こいつ、馬鹿だな」という人間の“現実味”が詰まった映画です。

クリスの「内なる自分との対話」、そして旅を通して知り合う様々な人々との交流が描かれていて、対極にあるようなこの2つがとても印象的です。特に印象に残っているのは、ロンという老人との出会い、そして2人での生活。言葉少なだけれども、心に響いてくる場面です。この映画、主人公はクリスなのだけど、それぞれの登場人物の感情のゆれが、いい塩梅で描かれていて感心します。ロンの孤独感、クリスを失いたくないという恐怖感や、クリスの両親の必死の捜索、それでも息子の居所が全くわからないという「針のむしろ」のような生活。妹の兄を思う気持ちと同時に兄と両親との間で苦悩する姿。いやみがなく、強調しすぎることもなく、しかしながら映画に深みを出すのに十分に描かれています。クリスの周囲の人々の心の揺れにも注目です。

脇役としてヴィンス・ヴォーンも出演してます。『ドッジボール』に出てた俳優ね。この映画の中のヴィンス・ヴォーン、彼の出演している映画の中で一番約にはまっているのではないか、と思います。彼の出演している映画って、『ウェディング・クラッシャーズ』とか『Mr&Mrsスミス』とか何本か観ていますが、もしこの映画で初めて彼を知ったら、たぶん彼に対する印象も違ったものになっていたのではないかと思うほど。いやー、いい配役です。


この映画、ショーン・ペンが監督をしているのですが、とても彼の色の強い作品だと思います。感動に持っていこうとか泣かせようとか、そういう作風ではなくて、
人間のおろかさ、滑稽さ、かわいらしさ、すばらしさ…そういう人生の出来事を華美に描くのではなく、ありのままを描いています。


この映画、日本で現在公開中だそうですね。大作好きな方には物足りないかもしれませんが、ちょっと考えさせられるだけでなく、大自然の美しさも堪能できるいい作品です。



おすすめ度:☆☆☆



「イルマ-レ ~The Lake House~」

2008年09月18日 | 映画~あ~
2006年 アメリカ映画


2000年の韓国映画『イルマーレ』のリメイクです。実は本家の韓国バージョンも見たことがあるのだけど、ええ、毎度のことながらうろ覚えでございます…だから、そう、こういうことが何度もあったから、あたくしこのブログ始めたのよね。物忘れ防止のために。

おぼろげな記憶なのだけど、ものすごく透明感のある美しい映画だったことは覚えているのよ。細かいところは覚えてないんだけど、韓国映画が得意とする「純愛」路線はもちろんのこと、うまいひねりのあるストーリー展開で映画に引き込まれた記憶が。

そんな繊細な映画のハリウッドリメイク。アメリカ映画がどこまで作りこめるか。

正直、この映画見るの、怖かったのよ。ほとんど覚えていないとはいえ(おい)、美しくて面白みのある映画だったから、良いイメージが残っているじゃない?だからハリウッド版の出来がいまいちだったら、通常のがっかり具合では済まない訳よ。落差が激しいわけ。主演の二人は豪華だけど、うーーーん、どうなんだろう、と。だって、『スピード』の2人よ?いや、2人とも好きだけど、「カーアクション&勢い映画」で共演していたからって、だからなんだって言うの??…というのが正直な気持ちだったわけで。だって、趣が全然違うじゃない? 同じシリーズで共演するのとはわけが違うし。そしてこれは私の個人的な見解なんだけど、キアヌの映画って当たり外れ激しいし・・・。


映画を見始めて10分くらい。「ああ、嫌な予感が当たっちゃったかなぁ…」とすでにあきらめモードだったんだけど、これがね、意外に良かったのよ!全く「序章」と言うものがなく、もう初っ端から物語が始まっちゃっていて、最初の10分は「え?えっ??展開早い、っちゅうかいきなり話の核心に触れすぎていて状況が飲み込めない」というがっかりがあったの。いきなり詰め込みすぎてる感じがして。あ、あくまで「あたくしは」よ。そらどんなに展開が早くても、「ばっちこーい」とついていける人も大勢いるんだろうけどさ。あたくしには早かったわ。でもその後すぐに回復。

私はサンドラ・ブロックがとても好きなの。役の幅が広くてものすごくシリアスな社会派ドラマもうまいし、コメディーは抜群に面白いし。でも強面じゃない、彼女?だからベタベタのラブ・ストーリーのサンドラ・ブロックを見るのも、実は怖かったりしたのよ。なんか、逃げ道がほしくなっちゃうような。見てるほうが恥ずかしくなっちゃうのよ。

でもね、この映画、全く持ってコメディーではないし、王道のラブストーリーなんだけど、所々にちょっと笑えるユーモアのある会話があったりして、それがすごく良かったわ。そのユーモアの根源はもちろんサンドラね。あ、サンドラというかケイトね。主役の。ケイトは医者で、ものすごく聡明な女性。それで冗談のひとつも言えないまじめ一本の人物像だと、映画の中でのキャラクターが弱いのよね。でもユーモアが加わることで、ケイトという役柄に息吹が吹き込まれたように思う。もっと身近で親近感の持てる人物像が確立される。もちろん台詞として台本の中に存在している言葉なのだから、誰が演じようと「ユーモアのある女性」という役柄になるのは当然なんだけど、サンドラがうまいのはこの部分。ただの「台詞」ではなく、その一言や会話のテンポで「クスっ」と笑わせるのよ!これってものすごく難しいことだと思うのよ、あたくし。台詞に「言わされてる」感がないの。

この相手役がキアヌ(アレックス)なんだけど、キアヌが相手だからこそ、この台詞回しの「間」が生きてくるのかもね。相手がへたくそだったら、笑いとまでは行かないけど、この「クスッ」が殺されてしまうわけだし。この「クスッ」って、この映画の中でものすごく大事な要素だったと思います。ケイトと恋人との会話の中では出てこない「クスッ」なんです。アレックスのときは出てくるの。この笑いにも満たないかもしれないけど、心を開いているからそのユーモアが伝わる間柄=ケイト&アレックスの絆の強さが伝わる「クスッ」なんです!!!


2004年のケイトが登場するシーンでは、たった2年なんだけどその「古さ」がきちんと出ていて面白かったです。髪型とか表情とか。細かいところだけど、ただ設定が「2004年(2年前)」なのではなく、ビジュアル的にも「ちょっと前」の雰囲気が出ていました。


キアヌって、どこと無く陰のある静かな役どころが本当に良く似合うと思いました。


そうそう、韓国版では「イルマーレ」は海辺に立つその家の名前だったんだけど、このアメリカ版では、街にある高級レストランの名前なのね。アメリカ版はそもそも海ではなく湖に建っているし(だから、原題は『The Lake House』ね)。一応、そのレストラン『イルマーレ』は話のキーにはなっているんだけど、映画の題名として使うほどかと言えば全くそうではない。ただ、韓国版『イルマーレ』と言う名前のイメージが日本では強く定着しているから、リメイク版の名前も同じものを使うと言うのは仕方が無いことだな、と思います。

アレックスが建築家なのは韓国版と同じ。でもケイトの人物像や、物語の舞台である「家」の歴史などは全く異なるもの。話のベースは同じなんだけど、アメリカ版独自の性格を持った映画だったと思います。全く別のものではないけど、韓国版・アメリカ版、それぞれがそれぞれの良さを持って独立しているような。


アレックスの弟が、なんか役に地に足が着いていなくて、ちょっと浮いている印象だし、絶対にアレックス(キアヌ)と兄弟には見えないんだけど(笑)、それでも映画は良かったです。




おすすめ度:☆☆☆☆


「ウォンテッド ~Wanted~」

2008年07月03日 | 映画~あ~
2008年 アメリカ映画

アンジェリーナ・ジョリー、モーガン・フリーマン、ジェームズ・マカヴォイ主演のアクション映画です。

さえない会社員のウェズリー(ジェームズ・マカヴォイ)は、ある日謎の女性フォックス(アンジー)と出会う。突然自分の身が危険にさらされ、彼女はそれを救ってくれたのだ。彼女が属する謎の暗殺者集団に招集された彼は、自分が暗殺者の素質を持った選ばれし者であると知らされる。訓練を重ね、一人前の暗殺者に成長したウェズリーだが、大仕事を任されるが、それを遂行することで重大な秘密に気づいてしまう。


ほかの映画を見にいったときの予告編で、面白そうだったので期待していたのだけど、期待していた中身と全然違っていました。なんというか、・・・「子供だまし」? 中身が無いのよ。派手なアクションもあらすじとしての物語もあるけど、矛盾だらけ。アメリカの漫画をベースにしているということで、この出来にも納得なんだけど、正直映画に入り込めないのよね。もっと面白みやひねりのある物語を期待しておりましたので。


世界を救うための暗殺者集団なのだけど、敵を暗殺する際に一般市民が思いっきり巻き添えだしさ。何かを達成するためには犠牲もいとわない、という前提がこの物語にはあるらしいわ。私は賛同しないけど。

ウェズリーの暗殺者への訓練が、なんか「ええっ?」って思うようなありえなさで、笑うどころかため息です。映画としてのインパクトをつけるためなのか、妙にグロいシーンがあったり。内容ではなく映像で勝負の映画なので仕方が無いとはいえ、やっぱり中身は大事だと思わざるを得ませんでした。

大仕事をやってのけた後のウェズリーは、初めとは別人格のようにたくましく、自信に溢れ、「さすが俳優!」という一面を見せてくれます。また、彼のガン・アクションも後半は見もの。

このウェズリー役のジェームズ・マカヴォイを見ていると、なんだかジェラルド・バトラーに目元とか似ているなぁ、と思っていたんだけど、二人ともスコットランド出身らしいです。スコティッシュって独特の顔つきがあると、今まで感じたことが無かったのだけど・・・あるのかも。

アンジェリーナ・ジョリーのガン飛ばしはすさまじいです。あの目でにらまれたら、私、確実に泣きます。あんなに鋭く、さらにドスの効いたガンを飛ばせる女優がほかにいるでしょうか?「ほんとにこの人、小さな子供の親なの?」と思うくらい、その凄みといったら無いです。田舎町を特攻服で走っている現役の暴走族だって、絶対にかないません。そして、ガリガリです、アンジー。激やせとは聞いていたけど、映画も激しいアクションだし、「ああ、そんな激しいアクションしたら骨折れるっ!!!」と心配になるほどのガリガリぶり。「この人、こんなんで双子の出産できるのか?」と見てるこっちが別の意味でハラハラします。

モーガン・フリーマンは前作の『最高の人生の見つけ方』とは全く異なる役柄で、同じ人物とは思えないダークな影を感じる演技です。


日本での公開は9月20日から。



おすすめ度:☆☆★

「インディー・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」

2008年05月24日 | 映画~あ~
2008年 アメリカ映画


「Indiana Jones and the Kingdom of Crystal Skull~インディー・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国~」

題名が長すぎて、タイトル部分にすべて入りきらなかったのでこちらに↑。
日本では6月14日からの公開となる『インディー・ジョーンズ』の4作目。アメリカイギリスでは一足お先に今週の木曜日、5月22日より公開です。

この映画の公開前、イギリスでは3週にわたりこれまでの3作品を放送していました。実は私、インディー・ジョーンズ観た事がなくて、このテレビ放映で初めて観たくらい。これまでの作品の感想はまた別に掲載するとして・・・。

はいはい、4作目です。主演やもちろんハリソン・フォードです。そりゃさ、今まで3作品から約20年たっているのだから、年もとりますよ。でもね、それでもインディーはかっこいいの。いや、別に熱烈なファンとかではないんだけど、映画の中のハリソン・フォードはやっぱりかっこいい。髪が真っ白でも、あの帽子が似合ってるんです。

内容はといいますと、大して説明するまでもないいつもの『インディー…』です。クリスタルで出来た頭蓋骨がキーになっているのですが、この頭蓋骨さ・・・なんていうか、“透明プラスチックで出来た頭蓋骨の模型にスーパーのビニール袋を詰め込んだ感じ”なのです。わかってもらえるかしら。ヴィレッジ・ヴァンガードに売ってそうな。まぁ観てもらえれば納得してもらえると思うけど、とにかく「クリスタル」の高級感というか、それがゼロ。大事そうにそれを抱えるハリソン・フォードを観て、「俳優って大変」と思ったくらい。クリスタルとは到底思えないプラスチックを大事そうに抱えて演技するハリソンをちょっと尊敬したわ。

そして敵役のロシア軍隊+女隊長。映画のクレジットにもポスターにも、「ケイト・ブランシェット」の名前があったにもかかわらず、彼女の存在というか彼女が出演していることすら忘れていました。あんなに常に画面上にいたにもかかわらず、彼女に気づかなかったわたし。だって、似非ロシア語訛の英語を話すあのロシア女がケイトだったとは。なんか映画の核になってる人物なんだけど、なんかインパクトとか凄みがなくて「何なんだ、この配役」って思ったほど。『シャーロット・グレイ』のときのケイト・ブランシェットに感じた凄みは、ジョージ・ルーカスに削除されたよう。一緒にいったイギリス人たちは、似非ロシア訛英語を話す彼女の、ところどころで発せられるロンドン・アクセントの英語がなんとも間抜けで面白かったらしい。(私にはわかりませんでしたとも)でもこれは、この間抜け加減がいい方向に作用してたと思うわ。本来わざとらしさ、子供だまし的な感じがこの映画の良さだと思うし。

でも許せないというか気分が悪くなる場面も。特に映画に関係なく、「ちょっとした笑い」のための場面で、ネバダ州で行われている核実験に遭遇したインディーが難を逃れて命拾いする・・・というシーンで、明らかに笑わせようとしているんだけど、これを「笑い」に使うスティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカスの感覚がわかりません。日本人だからこそほかの人たちより過剰にいやだと思ったのは確か何だけど、でもさ、原爆(原爆実験)を大衆映画の笑いにしたらあかんとおもう。

この映画の1作目もナチスドイツが関係する話なんだけどさ。原作がそうだから仕方ないんだけど、小説として話が書かれるのと、映像としてエンターテイメントとしてそれを本に笑いを入れる映画って、私個人としてはやはり受け入れたくない。ブラック・ユーモアでもなんでもなく、ただのかませ犬みたいな使い捨ての笑い。

インディーの相棒は、『トランスフォーマー』の男の子。なぜ彼が大作に、しかも主演なのか私にはさっぱりわからないのだけど、きっとスピルバーグのお気に入りなんだろうなぁ。でも彼がインディーの昔の恋人の息子だったというあたり、親子感がうまく出ていた気がします。

全体的にはどうだったかというと、いつもの『インディー・ジョーンズ』で、子供(特に小学生の男の子)には面白さが詰め込まれた、大好物のような作品なのだと思います。4人で見にいったのですが、私ともう一人(24歳・男性)は3回ほど眠りに落ちかけました。


おすすめ度:☆

「アメリカン・ギャングスター~American Gangster~」

2008年04月21日 | 映画~あ~
2007年 アメリカ映画

60年代後半のアメリカ、ニューヨーク。長年仕えていたボスの死後、独自の麻薬ルートを開拓し、その力を確固たるものとしていったフランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)。麻薬捜査チームのリーダーに抜擢されたリッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)は、ニューヨークにはびこる麻薬汚染を捜査から、フランクの存在にたどり着く。

監督は『グラディエーター』のリドリー・スコット。今回もラッセル・クロウを採用。ラッセル、好きなんでしょうね。

2大俳優の競演なのですが、なんとなく地味な印象の映画です。実話を元に作られているので、これは仕方がないのかも。『Ray』でもそうだけど、実話を基にしていると歌っているからには、盛り上げるために山場を作ることもできないだろうしね。

主役であるギャングのフランクさんなんですが、私が見る前に想像していた「ギャング像」と全く異なります。対極です。ギャングというか、仕事のできるビジネスマンです。売り物は麻薬。そこは全うなギャング道なんですが、堅実でよく働く。「自分が、自分が!」と前にしゃしゃりでない。ちょっと違うんです。だから伝説なんでしょうけど。その堅実さは、デンゼル様しっかりと表現されていらっしゃいます。目立とうとするタイプではないけど、ギャングの長のお約束のお召し物、毛皮のコートと帽子のセットも難なく着こなしてしまうあたり、さすがデンゼル様な訳です。

一方ラッセルさんはといいますと、離婚訴訟を戦いながら、自分の弁護士である女もきっちり自分のものに。麻薬捜査にも手を抜きません。ある時はスチュワーデスをも自分のものに。ワイルドな風貌。女大好き。ラッセルさん、そのままですね。でも60年代のちょっと長めのバングス…失礼、前髪。ラッセルさん、似合わないですね。ブルドッグ顔には短髪が一番なんでしょうね。

デンゼル様が見初めた相手は、ミス・プエルトリコ。この方、まぁ美人なんでしょうけど…華がない。残念だわ~。途中、「ギャングの女」っぷりをあげてくるかと思いきや、なんとなく中途半端なままプエルトリコに帰ってしまわれました。実話とはいえ映画なので、もっと癖のある、それでいて美しい女性がよかったなぁと思います。

出演者は俳優2人以外もかなり豪華ですが、その豪華さがなんとなく生かしきれていないような気がします。ジョシュ・ブローリンは存在感はあったけど、胡散臭さが感じられた(あ、演技かも)し。この人の初映画って『グーニーズ』なんですって!見たことないけど、実は今日テレビで放送されてたわ。またも見逃しちゃったけど。ほかにキューバ・グッティングJr、キウェテル・イジョフォー(デンゼル様の弟役)などそれぞれが個性のある俳優さんたちだから、もう少しそれらが映画に出ているとキャラが立ってよかったなぁ、と思います。キウェテルさんって今回初めて名前を知ったのだけど、『ラブ・アクチュアリー』の人だったのね。覚えとこ。

よくできた映画なんだけど、事前に期待しすぎたのか入り込むほど夢中になれる作品ではありませんでした。でももう一度ちゃんと日本語字幕入りで見直してみようかと思います。



おすすめ度:☆☆☆

「The Accidental Husband(原題)~アクシデンタル・ハズバンド(仮)」

2008年04月14日 | 映画~あ~
2008年 イギリス映画(←サイトによってはアメリカって…どっちがホント?)

ユマ・サーマン、コリン・ファース、ジェフリー・ディーン・モーガン主演のコメディー。舞台はニューヨーク。ユマ演じるエマはラジオの人気番組を持つ「愛のエキスパート」。文句のつけようのない婚約者(コリン・ファース)もおり、何もかもが順風満帆。ある日一人の女性の恋愛相談に乗り、「別れた方がいい」と忠告。その結果振られたのが消防士のパトリック(ジェフリー)。見ず知らずの女・エマに婚約破棄に追いやられたパトリックは軽い復讐心からエマと自分が結婚しているよう、ネット上で戸籍を改ざん。婚姻届を提出しに行ったエマは「すでに結婚している」といわれ、その取り消しを求めてパトリックに接触する。

説明が長くなったわ…入り組んだ話ではないのですけど、まぁこんな話なわけです。

実はコリン・ファースを見たくて(ブリジット・ジョーンズ以来なんか好き)劇場に足を運んだのですが、実はそれほど出番が多くなく・・・・・・というか実はコリンがぜんぜん魅力的でない。何の仕事をしているのか忘れたけど、ものすごく成功していて誠実で知的で洗練された都会の男性で、エマの婚約者としてパーフェクトなはずなんだけど・・・なんか物足りないのよねぇ。別れても惜しくないというか(お前が言うか?)。まぁ、お金はあるだろうけど。

それよりもジェフリー・ディーン・モーガンがものすごくいい!洗練されたかっこよさではなくて、なんというかむさ苦しいけど、クマのぬいぐるみみたいに愛嬌があっておもしろい。男性に好かれそうな(変な意味じゃなくて・えへ)、おおらかでやさしそう…あれ、そうだったっけ?もしかして私、自分の中で勝手にジェフリー像を作り上げているかもしれません。この映画見たの、3月半ばだったしなぁ(言い訳)。いや、まあとにかく彼がいいんです。ケーキ食ってるシーンがもう抜群にいいのです。実際こんなのが彼氏(旦那)だったらものすごくウザイけど、いいんです見てる側だから。前に見た『P.S. I LOVE YOU』にもいい役どころで出演していて、どちらも少しタイプが似てます。なんとなく。そういえば今回はオーストリア系(だったかな?ブンデスリーガ《ドイツのサッカーリーグ》に詳しかったからたぶんそっち系)の役で、『P.S.~』ではアイルランド人の役。英語も独特の訛りを話していたような気がするのでジェフリーってイギリス人かしら・・・と勝手に思っていたのですが、シアトル生まれのアメリカ人でした。何系かはウィキペディアではわかりませんでしたけど。

そしてユマ・サーマン。個性のある美人だし、「恋愛専門家」とか似合ってたりするし(胡散臭くて)、女性に人気がある設定だけあってどのカットを見てもちゃんとキマッてるし。でも、なんていうのかね~。「間」とでも言うのかしら?コメディーだから笑いたいじゃない?でもね、なんか安心できないの。「ユマに私たちを笑わせることができるのかしら?」ってコメディー見てるのにハラハラしてしまうのよ。私、笑えなかったらどうしよう、って不安になってしまうの。今までにもコメディーには出ているし(私は見たことないけど…あ、KILL BILLってコメディー?)コメディーなれしていないことはないんだろうけど、なんか信用できない。いや、がんばってたよ、ユマは(何様?)。でも、ユマが主役のはずなのにコメディーの流れや雰囲気を作っていたのはジェフリー。ここがちょっと残念。その点『P.S.I LOVE YOU』のヒラリー・スワンクは見事だった、と比べても仕方がないけどあらためて感心してしまう。

それでも笑えるし、楽しめる作品。他のサイトの映画評は散々でしたしわからんでもない(笑)ですが、軽い気持ちで楽しめるのでいいんじゃないかなと思います。ただ、もっのすごくベタな「ガールズ・ムービー」ですので、そういうのが苦手な方には、特にエンディングはきついと思います。

日本での公開は現在のところまだ決まってなさそう。もしかしたらDVDスルーの可能性もあるかも…。



おすすめ度:☆☆☆  軽~い気持ちでどうぞ。