映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「ウォーリー ~WALL-E~」

2009年01月29日 | 映画~あ~
2008年 アメリカ映画


昨年の12月に帰国した際、日本の本屋の店頭でこの『ウォーリー』のコマーシャル映像が何度も何度も流れていたのね。「700年間ずっとひとりで掃除をし続けていたお掃除ロボット」(←記憶あいまい)みたいなフレーズが頭を駆け巡るわけ。もう、そのフレーズ聞いただけで泣きそうになったわよ。700年間って。もうさ、可哀想すぎて、映画の中とはいえそういう設定にしたアニメーター?監督?製作者??とにかく作った人に「人でなし!」と敵意を持ちそうになるほど。いじめだわよ、こんなの。酷すぎるわよ。ということで、帰りの飛行機の中で見ました。


映画の中ではなんでウォーリーだけが地球に残されていて、一人で黙々と掃除を続けなきゃ行けないのかは描かれていなくて、状況説明がちょっと足りないような気がしました(←仲間はみな壊れてしまったらしい)。映画は、うーん、なんか『モンスターズ・インク』のモンスターがキティーを連れて逃げ惑うシーンみたいな感じ。あのシーンが1つの映画になったような。それなりに楽しめるんだけど、満足度が低いのよ。

人間たちはゴミだらけの地球を捨てて、宇宙船で生活しているのね。仕事は全部ロボットの任せて、人間はリクライニングチェアに座ってるだけ。暇つぶしのテレビやゲーム、スカイプみたいなテレビ電話。その椅子からは降りることも離れることもなく、テレビ電話以外直接誰かと話をすることがないのね。食べ物も飲み物の、呼べばロボットが持ってきてくれる。異常な空間。でも、思ったわ。「映画の中の話」、「アニメ」と割り切ってみていられないから、「異常」だと言う感情が生まれるのよね。そう、なんかそのうちそういう社会が出来上がるんじゃないか、という不安を煽られたのよ。人間が「ただ」生きているだけの状態。この間の『ディファイアンス』と対極なわけよ。生き方が。動かないから、皆丸々太って骨も退化。現代社会へのアンチテーゼなのかしら。ロボット云々よりも、こっちのほうが気になって仕方なかったわ。船長がヒーローになり、人々の歓喜喝采を受け地球に戻ろうとするところは、とっても「アメリカ」。ここにもヒーローがほしかったのね。


ウォーリーが探して大切にしてきた植物の芽。『サンシャイン』を思い出しました。こちらはあまり好きではなかったけど。



この映画、残念だったのは、描こうとしているテーマはいくつかあるのだけど、どれもなんか中途半端に終わっていてどれも描ききれてないのね。子供向けだけどきちんと問題提起ができ、しかも面白く、大人が見ても楽しめる映画ってたくさんあるけど、これは表面だけをなぞらえた感じ。まぁ、問題提起をしようなんてさらさら思っていないのかもしれないけど。


ただね、ウォーリーは文句なくかわいいのよ。ロボットを「かわいい」と言うのはちょっと自分の事ながら許せないんだけど、それでもかわいいわけ。ウォーリーが悲しそうな表情をすると、胸が締め付けられるほど。だって、700年も一人で働いてきたのよ?もうこれ以上かわいそうな思いさせないでよ!と。あ、なんか私、設定に泣かされてるわね。実際機内で涙したもの(まじ)。


大人にはちょっと物足りないような気がします。子供向きかな。



おすすめ度:☆☆★


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