いつも必死な翻訳者日記

フリーの実務翻訳者が綴る日常

100日祝を前に(その2ヵ月後に)

2009-07-13 14:32:42 | はるたんと私


  *お食い初めの前(=2ヵ月ほど前)に書いたものです*


「情報」を「知識」として持つことは簡単だけれど、
それを、客観的にとらえて、自分に当てはめてみることや、
未来の自分に当てはめて、具体的に想像してみることは、案外難しい。
(要は、自分がその立場にないと、その状況を本当に理解するのは難しいということ)

“生まれたばかりの赤ちゃんは、
 2~3時間毎に母乳を欲しがって泣く”

そんな“予備知識”は、ちゃんとあった。
戸塚区主催の両親教室の時、
『赤ちゃんの一日』の円の中を、
2時間ずつ斜線で塗り、3時間毎に「起:授乳」と書き込んだ。

その右側には、『おかあさんの一日』。
11時に就寝し、6時に起きるように書き込んでみた。
『赤ちゃんの一日』と矛盾がないように、表を作成すると、
私の夜の睡眠は、2回ほど分断されることになる。

こんな睡眠パターンの生活が、本当に始まるのか?
そして、こんな生活は本当に“可能”なんだろうか…?

漠然と感じた不安。
でも、その不安は、あくまでも漠然としたもの。
深くは考えず、特別に心配する気持ちもなかった。
今から4か月半ほど前、12月半ばのことだった。


               


それからしばらくして、はるたん誕生。
その後の生活は、想像以上に大変なものだった!

最初の夜、寝る前。
“やっぱり はるたんは 夜中に泣くのだろうか?”
“果たして 私は 起きられるのだろうか?”

(以前から sunny に、私が夜中、泣き声に気づかずに寝続けるのではないかと
 真剣に心配されていた。←そんなわけないじゃん

午前4:45。
「泣いた!」  起きた!(私達)

本当に、こんな風に、毎日、夜中に起こされるんだなあと思った。

夜中に2回以上起こされたら、気が狂うのではないかと思った。
(人間にとって、睡眠が分断されるということは、こんなにも辛いことかと思った)
だんだんに慣れていったのだけれど。

世の中の すべての“お母さん” を、無条件に尊敬できる日々だった。


               


これも“なんとなーく”だけれど、
授乳と授乳の間の、
こまぎれの時間を使うことができるのではないかなあ
と思っていた。

でも、実際には、
とりあえず「自分の睡眠」。
例えば、仮に
2時間眠って起こされて、1時間お世話をして・・・、
そんなペースだと、total 7時間眠るためには、10時間かかる。
しかも、分断された4回睡眠。

それに、
こまぎれの時間の中で、
ご飯だって食べなければならない。
作る時間や、片付ける時間も。
洗濯だってしなきゃ、生活できない。
残りの時間なんて無いのだと 思い知った。


               


しかも、常に「臨戦態勢」。
泣き声に
一度呼ばれたら、1~2時間 開放されないかもしれない。
食事はいつも、5分以内。
キッチンで 立ったまま食べることもある。
行儀が悪いことなんて わかっているけれど、
ダイニング・テーブルに運ぶまでの何秒かが惜しい。
だって、次の瞬間に、泣き声に呼ばれるかもしれないんだから。

洗濯物は、
「この1枚を干し終わるまで泣きませんように…」
1枚… 、そして1枚…、祈り続けながら干していく。

ただ、
“極限状態”の中にいると、
行動は自ずと、最も重要なことに絞られてくるもの。
それが私の場合は、「食事」と「夕飯準備」と「洗濯」だった。

私にとっては、「仕事の締め切り前」と似ている状況?
仕事の経験が役に立ったかも?
買い物にだって、行かなくても大丈夫。
生協が来る前日に、冷蔵庫が空っぽになるのが、案外 快感だったりね。
ただ、食事も睡眠も、自分のペースでできないという点が、
仕事の締め切り前とは、圧倒的に違ったけれど。


               

それから、
こんなにも外に出られないものだとは!!
(知らなかった…。)
一般に、新生児(生後1か月程度まで)は、外に出すべきではない。
子供を1人で家に置いて出かけるのも×。
ということで、
私&はるたん だけになる日中、必然的に、私も外へは出られない。

最初の頃は、私自身、
睡眠不足でボロボロ状態だったから、
外に出られないことが むしろ幸い、と思う面もあったのだけれど。

ある日、一瞬、外に出る機会があった。
外の世界は、明るくて、キラキラだった。
お日さまの光が 気持ちい~! 空が青い~!
早く、はるたんと一緒に、外へ出かけたい。

2か月時の検診の際、尋ねてみたら、
まだまだ外へは出さない方が良いとのこと。
(「買い物」って聞いたのがいけなかったのかも)
免疫力の弱い早産児なので、尚更。

「出てはいけない」と言われると、出たくなるもの。
免疫力がつく6か月頃まで云々…という情報を目にして、
暗澹たる気持ちが立ちこめて来た頃、
春が来た。




初めて 検診以外で、
私一人で散歩に出かけることができた。
それが、この頃。


               


子供って、意外と「突然」成長する。

そこに至るまでには、
様々な、目に見えない発達が積み重なっているのだろうけれど、
“できる”と“できない”の境界線を飛び越えるのは、一瞬。
(逆上がりが突然“できる”ようになるようなもの?)

あれは、忘れもしない、
4月1日の朝。

「明るい!!?」「朝!!!」「はるたん!!?」

時計は朝の6時半。
はるたんが、初めて 朝まで眠った日。
そして、私、初めての6時間(連続)睡眠!

はるたんは、睡眠がまとまるのが早く、
翌日からは一度も、夜中に起こされることがなくなった。

(早産児の場合、発達は、誕生日ではなく出産予定日を基準にした「修正月齢」で考える。
 修正月齢だと1ヵ月にも満たないうちに夜の睡眠がまとまったわけで、早すぎなのだけれど、
 早く外界に出ている分、昼夜を多く経験しているからかな? (通常の月齢=2ヵ月で考えても、早いけれど)
 首すわりも早かったのだけれど、こちらも、重力を早くから受けているせいかな?)



               


「ほんの わずかな時期のことだから」
「私も あの頃が 懐かしいわ」
育児経験者は、口を揃えてこう言った。

“渦中の人間”は、本当に大変なのに…。
少し不満に感じた。

すぐ大きくなるから
すぐ楽になるから
というけれど、
その「すぐ」の間が、
渦中の人間にとっては とにかく長い!

でも、何ヶ月かしか経過していない 今現在の私ですら、
もう既に、“渦中の時期”の大変さを、すっかり忘れてしまっている。


               


はるたんの体重は、
ここ1か月で1.5kg(またもや1日50グラム)増えて、
約6kgになった。


          《ここまで、お食い初めの前、5月7日頃 記》


          《ここより 昨日 7月12日 記》


“寝返りの練習”を始めたことから、ベッドを“卒業”。
レンタルしていたベッドを返却する時、
母が はるたんに、「ベッド、かわいかったねー」と話しかけているのを聞いた時。
産まれる前から準備し、生後すぐの時期から着ていた50cmの肌着をしまう時。

「はるたんが、これを使うことは、もうないんだ…」
さみしく思った。
(これからも、成長するたびに、こういう気持ちを味わうのかな?
 それとも今は、“最初のもの”だから尚更そう思うんだろうか)

そう、
まだまだ育児歴・半年にも満たないくせに、
育児経験者のお母さん達と同様、
既に私も「子供の新生児期を懐かしむ人」になっている?

皆が言っていたのと同じ。
今を、未来から振り返ると、あっという間なんだ。

もうすぐ8kg。
あっという間の“今のはるたん”を、覚えていられるように、
未来からみたら、まだまだ軽い
今の はるたんを、
たくさん抱っこしておかなきゃ。・・・重いけど。