雑記帳

日々の徒然をとにかく書き込んでおきます

ナイアガラの滝

2016-07-04 00:03:15 | 旅行
前報で記載したように、ツアーバスは、トロントからナイアガラ川河口までのルートはオンタリオ湖の湖畔をたどり、ナイアガラ川河口のナイアガラ・オン・ザ・レイクを経て、そこからはナイアガラ川に沿って走る。そしてツアーバスはナイアガラの滝に到着した。
ウェルカムセンターでバスを降りる。カナダ側の川岸は、高い崖の上から滝と川を見ることができる。左にアメリカ滝、右にカナダ滝を一望にできる(下写真)。
 
左がアメリカ滝とブライダルベール滝、右がカナダ滝

 
アメリカ滝

 
カナダ滝

カナダ滝を撮した上の写真に船が2隻見える。これが、滝のそばまで行くクルーズ船だ。カナダ滝のすぐ近くにいる船は、天井部分が赤く見えるが、これは天井ではない。展望席に陣取る人たちが来ている赤いビニールがっぱの色である。
ガイドさんからクールズ船の切符を渡され、われわれも乗船のための順番待ちに並んだ。カッパを手渡されるので、下の写真のように、カッパを着て順番を待つ。
 
カッパを着てクルーズ船の順番を待つ

いよいよ乗船である。さほど待たされることなく、乗船することができた。
下から見る滝の壮観は、やはりその流れに圧倒される。静止画ではその迫力が出せないので、結局は動画撮影となった。
下の動画は、アメリカ滝の前をほぼ通過し終わったあたりから撮影している。

アメリカ滝

カナダ滝に近づいた。

カナダ滝

カナダ滝を見終わり、再度アメリカ滝のそばを通過する(下の動画)。われわれはカナダ側の川岸から赤いカッパを着て乗船した。これに対し、アメリカ側の川岸から出発する船があり、下の動画に出てくる。アメリカ側の船に乗船する客は、青いカッパを着ている。

アメリカ滝

クルーズ船は下記の間近まだ接近するので、しぶきのために全身がびしょ濡れになる。だからそこカッパを着ているのだ。私はカメラで動画を撮影したので、かめらも飛沫をもろに浴びてびしょ濡れである。ハンカチで飛沫を拭き取りながらの撮影だったが、この先カメラに変調がないか、心配である。終わってからガイドブックを読んだら、「カメラをビニール袋に入れるように」との注意書きがあった。後の祭である。

アメリカ滝とカナダ滝には大きな違いがある。アメリカ滝は、水が流れ落ちる下の部分に大きな岩石が堆積しており、滝壺がない。それに対してカナダ滝は、逆に深い滝壺ができているらしい。カナダ滝は100mの落差を障害なしに落下して滝壺に叩きつけるので、飛沫の雲が滝の上端を超えて高く上がっている。それに対してアメリカ滝は、飛沫が上がっているものの滝の上端までは至らない程度である。
ガイドさんによると、アメリカ人がこの状況に悔しがったそうだ。もう何十年も前だが、アメリカ滝の流れを一時的に中断し、滝の下部に堆積している巨大な岩石を取り除き、滝壺を人工的にこしらえようとしたらしい。その試みは結局失敗したらしいが、いかにも負けず嫌いのアメリカ人らしい。

われわれツアー客はガイドさんに案内され、アメリカ滝対岸にあるホテルの上部階展望レストランに向かった。窓からは、ナイアガラ川をはさんでナイアガラの滝がよく見える。下の写真はアメリカ滝である。高さがあるので、アメリカ滝の上流側の川面も写真に収めることができた。左側の大部分のアメリカ滝とともに、右端に幅の狭いブライダルベール滝を見ることができる。
 
対岸ビルレストランからアメリカ滝

昼食を済ますと、別の滝観光スポットに移動する。カナダ滝のカナダ側にある、「テーブルロック」と呼ばれる展望箇所だ。滝上流側の川岸のすぐ近くから、川と滝を眺める。
下の動画は、上流側の川の流れと、カナダ滝へ落ちていく水流を捉えたものだ。

カナダ滝へと流れ込むナイアガラ川

 
テーブルロックからカナダ滝


テーブルロックからカナダ滝とその向こうのアメリカ滝

テーブルロックからナイアガラ川の下流側を眺めると、右にアメリカ滝、そしてその下流側には川にかかるレインボー橋を見ることができる。あのレインボー橋を渡れば、カナダからアメリカ合衆国に入国することができる。
 
テーブルロックからアメリカ滝

以上でナイアガラの滝の観光が終了した。
ツアー客のうち、われわれ以外の5人の方々は本日、このナイアガラフォールズに宿泊する。その方たちをホテルに送り届け、ツアーバスは我々だけを乗せて、往路と同じ道をたどり、トロントへと向かった。

さてここでは、ナイアガラの滝について今回仕入れた知識を書き残しておく。

まず、五大湖とナイアガラ崖線の形成についてである。
ガイドさんのお話に加え、ウィキの五大湖ナイアガラ川ナイアガラの滝から得た知識が中心である。
1万年前のウィスコンシン氷河期、米国北部全体が氷河に覆われ、氷河が台地を削り、一方でその岩石を堆積した。氷河が溶け始めると川が地形を作っていった。五大湖とナイアガラ崖線(段丘)もこの時期に形成されたらしい。
エリー湖の起点とオンタリオ湖の河口とには99mの標高差がある。地峡にはナイアガラ崖線が通っており、ケスタ地形を形成している、とある。
ケスタについて調べると、「緩く傾斜し、交互に重なった硬軟の地層が差別侵食を受けた結果、非対称な丘陵が連続して形成された地形である。」とある。ガイドさんの話と総合して理解すると、ナイアガラ崖線の丘側は硬い地層であり、崖線の低地側は柔らかい地層であり、氷河期に氷河による浸食で柔らかい側がより多くの浸食を受け、100mの落差が生じた、ということであろうか。

1万年前に氷河期が終わると、五大湖の上の氷も溶け、5つの盆地に水が溜まって五大湖が形成された。エリー湖が満水になると、低地に向かって流れ出し、その一つがナイアガラ川となり、オンタリオ湖へと流れを形成した。膨大な水量の川である。
ナイアガラ川は、ナイアガラ崖線において当然のこととして滝が形成された。崖線の標高差が100m、膨大な水量であるから、最初から巨大な滝が形成されることが約束されていた。ナイアガラ川の誕生である。われわれは今回のツアーで、ナイアガラ崖線の上り道が終わったあたりで、「ここがナイアガラ川誕生の地です」というのを見せてもらった(前報参照)。
そこから現在に至るまでの浸食により、1万年間で滝の位置は10km後退し、現在の位置に至ったという。1万年間に10km(1万m)ということは、1年に1m、百年で百mである。結構な速度だ。ナイアガラの滝をヨーロッパ出身人が発見したのは何百年も前だから、ということは、当時はナイアガラの滝が今の位置よりも何百mも下流にあったということか。
しかし実際はそうではないらしい。
現在の浸食後退速度は、1年で3cmということだ。毎年1mと3cmでは大きな違いだ。一体何が起きたのだろうか。
ウィキによると、「1950年代までは浸食により年間1mずつ上流へ移動し、浸食が続けばエリー湖に埋没してしまうため、カナダ滝の落下水量を馬蹄形全体に均等化する工事が60年代にかけて行われ、現在、浸食スピードは年間3cm程度に抑えられている」と書かれている。しかし、水量が1/30に減ったのならいざ知らず、この記載程度の工事で、年間速度が1mから3cmに減るとはとても思えない。水力発電のための取水で滝の水量が落ちたことも原因といわれているが、それにしても発電の分水で水量が1/30に落ちたら、観光地としてのナイアガラの滝が成り立たないはずで、これも考えづらい。

ナイアガラの滝付近におけるナイアガラ川の地形を考えると、滝の下流側は南から北に流れているのに対し、滝の上流側は東から西に流れている。滝の位置で流れが直角に変わっているのだ。
ナイアガラ崖線の丘側が固い地盤であるといっても、その硬さにも段階があり、ナイアガラの滝の下流部分は比較的軟らかい地盤だったのではないか。そして、滝が浸食で10km後退して現在の位置に至ったとき、その上流側の固い地盤に突き当たったのではないか。即ち、現在の滝は、固い地盤の始まりの位置なのではないか。
今から数百年~千年前、滝が後退し、現在のアメリカ滝の位置に達した。アメリカ滝が形成されたが、アメリカ滝上流側の地盤が固いので、アメリカ滝は後退を止めた(1年に3cm)。一方で、現在のカナダ滝になるべき原カナダ滝は、当初はアメリカ滝のすぐそばにあったが、その後も後退を続け、現カナダ滝の位置まで到達した。ここでカナダ滝も地盤が固くなり、急に後退速度が低下した。

以上のように考えると、辻褄があった説明ができる。いかがであろうか。

ツアーバスはトロントに到着した。バスはわれわれが宿泊するリッツカールトンまで届けてくれた。ここでガイドさんともお別れだ。

われわれの部屋からは、オンタリオ湖が見渡せる。そして、窓の真ん前にはCNタワーがそびえ立っており(左下写真)、その右には、メジャーリーグの野球場であるロジャース・センターを見ることができる(右下写真)。
  
CNタワー                       ロジャーズ・センター

CNタワーは、高さが553.33m、1976年にカナディアン・ナショナル鉄道が建設した電波塔である。見ての通り、鉄塔ではなく、コンクリート塔である。コンクリート製でこのような高い塔ができるとは知らなかった。鉄塔とコンクリート塔、それぞれの利害得失について知りたいと思ったが、知識を得ることができなかった。

ロジャーズ・センターは、世界初の可動式屋根付き多目的スタジアムであり、トロント・ブルージェイズ(MLB)及びトロント・アルゴノーツ(CFL)のホームスタジアムであるとのことだ。

ところで右上の写真、CNタワーとロジャーズ・センターとの間、岸の向こうに陸地が見える。窓から眺めていたら、左から民間機が低空飛行で水面すれすれに飛んできた。水上機ではない。そしてCNセンターに隠れ、その右から現れたと思ったら、陸地に着陸していった。その陸地には滑走路があったのだ。ここはトロント・シティー空港であるらしい。

戻る                            続く
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