ナナ日記

ミニチュアダックスのナナは16才9ヶ月で虹の橋を渡って行きました。
この頃は庭仕事と時々読書。歴史好き。

『早咲きの花』

2007年04月14日 | 映画
菅原浩志監督の『早咲きの花』を観てきました。
戦争を舞台にした映画は絶対に泣けるから普通は敬遠しているんですが、菅原監督の作品だと見ないわけにはいかない・・と意を決して、旦那と観にいきました。

もう、1時間を過ぎたあたりから、涙、涙で、嗚咽が漏れそうでした
ずっと辛いシーンというわけではなくて、殆どのシーンは戦争中の子供たちがどんなふうに遊んだりケンカしたり、翔りまわったりしているかという日常を描いた物語なんですが、1時間を過ぎたあたりから、友達のお父さんが戦死したり、担任の先生が、出征してその後戦死したりして、段々戦局が悪くなり、子供たちも学校へ行けずに、海軍工廠で勤労動員されたりしてきて、戦争の悲劇の中に有無を言わさず巻き込まれていく。
そして、戦争末期の8月7日、海軍工廠も空襲を受け、子供たちが、訳もわからず逃げ惑い、倒れ、死んでいく姿が、もうたまりませんでした

この豊橋市の戦争中の悲劇と、今の豊橋で生きる高校生達との話がからんで、現代にメッセージが伝わってくる映画でした。
浅丘ルリ子さんや、子役の子達がすばらしい演技なんですが、先生役の徳山秀典さんがすごくいい役でした。
戦争に賛成しているわけではない、子供たちが本当に好きで、宇宙を語り、未来を語り、決して死んではならないといい、自分は出征していくんです。
別れを告げる前に、板書した宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の詩を子供たちが朗読するのを、脇でみている先生の表情に、心に秘めた思いが現れていて泣けました

子役もね~、表情を思い出すだけで、泣ける・・・。

だんなと(この人も、ボロボロ泣いていた)、戦争を起こす大人にはなるまいね!子供たちにはなんの責任も罪もないんだから。と話しました。

勤労動員で、13歳~18歳くらいの子供たちを、多分空襲があれば真っ先に爆撃される海軍工廠で働かせる国。
戦車の下は装甲が薄いから、爆弾持って下に入って爆発させればやっつけられるんだって!と話しながら、じゃ持って行くおれらはどうなるんか?と素朴に聞く子供。そういう死ぬ訓練を毎日させてる国。
そんな国にしてはいけない・・・と思います。


決してメッセージを語る映画ではないんだけど、ただただこんな時代にこんなことが起きて、こんな風に生きていた人たちがいたんだよということが、心に深く沁みる映画でした。
菅原監督の映画は「僕たちの7日間戦争」「ほたるの星」そして、「早咲きの花」と見ましたが、私にとってはどれも多分ずっと心に残る大切な映画になると思います。

『火垂るの墓』みたいに、真次たちは、今の私達を見守ってくれているんだろうなあ・・・。大切に生きろよって。