ピアノ連弾 2台ピアノの世界

世界中のピアノ連弾、2台ピアノ作品を演奏しています!

ワシ―リー・グロスマン著「人生と運命」

2012-03-27 05:31:18 | 日記

先日演奏会で取り上げたプロコフィエフの素晴らしい音楽がまだ鳴りやみません。
アーロン・ブベルニコフ氏の他の作品も近いうちに必ず演奏いたします。
旧ソ連、ロシア関係の作曲家については長い間さまざまな手段を用いて、出来うる限りの調査や探索をしていますが、「ロシア人でも入手は難しい」との返事をいただくこともあります。しかし、これまでに奇跡的な出来事で入手できた楽譜や情報はブログでも時折ご紹介していますが、入手できた要因は「あきらめないこと」です。

ある作品は読めない言語でしたので、作曲家名をウィキペディアで調べ、原語で検索し、必要楽譜を作品番号で判断、という方法で入手したこともあります。このような気持ちで楽譜や作曲家の情報を集めていますので、何度でも書きますが無断でプログラムを真似をされたことは到底許されることではないのです。

今後もこれまでと変わらず、どんな作曲家のどんな小曲でもおろそかにせず、全ての曲にきちんと向き合って優れた作品を1曲でも多く演奏していくことをプロコフィエフの作品からも教えられました。

話は変わって、あるオンラインマガジンの編集者が自分のブログで
”ロシア語は私の領分でないから言うが、日本のロシア文学者はそもそも怠惰ではないか。ずっと待っているが、いまだに翻訳されない大著がある。ワシーリー・グロスマンの「人生と運命」(Zhizn i Subda)。軍史家のアントニー・ビーバーが英訳した「赤軍記者グロースマン 独ソ戦取材ノート1941-45」のほうが先に邦訳が出てしまったのは皮肉で、ロシア文学者にとっては恥ずべき事態でないのか。”
と書いていたその「人生と運命」が2012年になってみすず書房より出版されました。その第1巻を読み終わりました。後2冊ありますが、この大作が翻訳出版されて、日本語で読めることをとてもうれしく思います。
特に母親の手紙の部分だけでも世界中の人に読んでもらいたい。

第二次世界大戦中のユダヤ人虐殺の話はプリーモ・レーヴィ始め、読むべき本がたくさんありますが、私はアナトーリー・ルィバコフ著の「重い砂」を強く推します。偕成社から出版されているこの本は紹介記事も少なく、読んだ人はわずかでしょうが、ルィバコフの他の著作は多少は読まれているので、この本ももっと広く読まれてほしいのです。音楽が生活の一部であった幸せな家族の話だけに前半の明るさと後半の悲惨さの対比は筆舌に尽くしがたいものがあります。

2台ピアノコンサートでロシア、そして、ソ連時代の作曲家の作品を何度も取り上げていますが、ドストエフスキーやトルストイだけでなく、このような20世紀の文学を広く読むことで作曲家の置かれていた立場や生活感などが身近に感じられます。「人生と運命」にも音楽の話はあちこちに出てきます。スクリャービンの名前も出てきます。音楽が主体のロシア文学ではV・オルローフ著「ヴィオラ弾きのダニーロフ」が秀逸です。生き生きとした演奏描写に感激して翻訳者にファンレターまで出し、アンドレイ・クルコフの未訳本の翻訳をお願いしたほどです。皆さんもたくさん本を読んでください。

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