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チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「非のないところにアン・ブーリンの首は断たない/ドニゼッティ作曲歌劇『アンナ・ボレーナ』」

2011年02月02日 01時16分13秒 | 説くクラ音ばサラサーデまで(クラ音全般
"Anna Bolena(アンナ・ボレーナ)"は、イタリアの作曲家、
Gaetano Donizetti(ガエターノ・ドニゼッティ、1797-1848)
のオペラのタイトルである。
あんな、ぼれーな、なんていうと、
オンボロバアサンみたいに聞こえるが、
Anne Boleyn(アン・ブリン、1507-1536)
のイタリア語形みたいなものである。
アン・ブリンとは、英国国王ヘンリー8世の、
6人いたとする妃のうちの2番めである。
産んだ女子はのちのエリザベス1世である。

3年前の英国映画
"The Other Boleyn Girl(ディ・アダー・ブリン・ガール)"
=もう一人のブリン家の女子(邦題=ブーリン家の姉妹)
では、「ブラック・スワン」で今年のアカデミー賞主演女優賞の
最有力候補と目されてるナタリー・ポートマン女史が扮した。いっぽう、
最近のTVドラマ「THE TUDORS~背徳の王冠~」では、
同じくナタリーという名のNatalie Dormerが演じた。こちらは、
ベッド・スィーンで脱ぎまくってた。

当初はヘンリー8世が惚れまくって、
前妻キャサリン・オヴ・アラゴンとの離婚を画策して
ローマ教会と断交した素因になるほどの女性だった。が、
男子を産まず、やがてジェイン・スィーモーに心が移ってくと、
メンドクサい、ジャマな女になってしまう。結婚後2年あまり、
アン・ブリンは「反逆・姦通・近親相姦・魔女」という罪で、
ロンドン塔のタウア・グリーンで斬首された。が、
……火のないところに煙は立たぬ……
まったくの事実無根というわけでもないようである。
男子を産まなければ捨てられる、という強迫観念から
案・不倫にはしってしまった、という説もある。

ともあれ、
その"悲劇"を描いたのが、ドニゼッティのオペラである。が、
同人の他のオペラ同様に、"薄い"音楽である。
この「アンナ・ボーレーナ」のもっとも著名な場面は、
2幕第2場でアンによって歌われる
「私の生まれたあのお城」である。

[Al dolce guidami]
(アル・ドルチェ・グイダーミ)
「al=a前置詞+il定冠詞(~へ) dolce=優しく guidare+mi=私を導け

[castel natio,]
(カステル・ナティーオ、)
「castel=castello城 natio=生まれ故郷の」

[ai verdi platani,]
(アイ・ヴェルディ・プラータニ)
「ai=冠詞定冠詞a+i(~に) verdi=緑の
platani=platanoプラタナス(スズカケ)の複数」

[al queto rio,]
(アル・クエート・リーオ、)
「(al=前述) queto=quietoの文語(静かな) rio=文語(小川)」

[che i nostri mormora]
(ケ・イ・ノーストリ・モールモラ)
「che=関係代名詞 i=定冠詞 nostri=nostroの複数(私たちの)
mormora=mormorare(小川がさらさらいくよの3単)」

[sospiri ancor.]
(ソスピーリ・アンコール)
「sospiri=sospirare(ため息をつくの2単) ancor=ancoraの文語(未だ)」

[Cola, dimentico]
(コラ、ディメンティコ)
「cola=彼方での文語 dimentico=文語(忘却してる)」

[de' corsi affanni,]
(デ・コルズィ・アッファンニ、)
「de'=de前置詞+i定冠詞 corsi=correreの過去分詞(過ぎ去った)
affanni=affanno(苦悩)の複数」

[un giorno rendimi]
(ウン・ジョルノ・レンデミ)
「un=不定冠詞 giorno=日 rendimi=rendere+mi私に返せの単命」

[de' miei primi anni,]
(デ・ミエーイ・プリーミ・アンニ、)
「(de'=前述) miei=mio(私の)の複数
primi=primo(はじめのほうの)の複数 anni=anno(年)の複数」

[un giorno solo]
(ウン・ジョルノ・ソーロ)
(un=前述) (giorno=前述) solo=唯一の」

[del nostro amor.]
(デル・ノストロ・アモール)
「del=冠詞前置詞=前置詞di+定冠詞il=(~の)
(nostro=前述) amor=amore(愛)の文語」

歌詞はまあよくできてる。が、節は、
Henry Bishop(ヘンリー・ビショップ、1786-1855)のオペラ
"Clari, Maid of Milan(邦題=ミナノの乙女)"の中のアーリア、
"Home! Sweet Home!"
を引用したものなのである。ドニゼッティはこの歌を、Fを
ドに設定、してヘ長調とした。(2/4拍子)
*****♪ドーーーーーーー・>シーーー>ラーーー│
>ソ<ラ>ソ、>ファ<ソ>ファ・>ミーーーーーーー│
>レーーーーーーー・<ミーーー>レーーー│
>ドーーーーー<ミー・<ソーーーーーーー♪

"Home! Sweet Home!"の
*****♪ドーーーーーーー・ーーーー>シーーー│
>ラーーーーーーー・ーーーー>ソーーー│
ソーーーーーーー・ーーーーーーーー│
>ミーーーーーーー<ソーーーーーーー│
>ファーーーーーー・ーーーー>ミーーー│
<ファーーーーーーー・>レーーーーーーー│
<ミーーーーーーー・ーーーーーーーー│
ーーーーーーーー・●●●●●●●●♪
を修飾したものである。
あちこちに指が出てる感じである。

ところで、
アン・ブリンが「魔女」とされた一因に、
右手の指が6本だったことがある。
このような多指症の有名人は他に、
豊臣秀吉、ジュゼッペ・タルティーニ(だから、"悪魔のトリル")、
J・D・サリンジャー(ライ麦畑では子供を捕まえやすいだろう)、
足指では江青(化粧品ではない)、
などがいるらしい。私の場合は脂ぎった
多脂症である。

ドニゼッティは美しい妻と子(が、3人の子はすべて早世)を残して
故郷イタリアのベルガモからフランスのパリに出稼ぎにいってた。が、
47歳頃から頭痛や麻痺に悩まされた。そして、
精神を病んだとして、精神病院に強制入院させられる。
両親や妻も相次いで死んでしまう。
親類・知人らがせめてもとベルガモに戻してやった。が、すでに
誰も認識できない状態だったドニゼッティは50歳の生涯を閉じた。
脳梅だったようである。
不倫というわけでもブリンというわけでもなかったろうが、
娼婦とは交わったはずである。

"Home! Sweet Home!"
は、我が国には、
「埴生の宿」
として紹介された。
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