gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/kyodo_nor/nation/kyodo_nor-2020072501002098
このニュースに関しては,圧倒的に医師が悪者にされている。殺人だと断罪されている。
しかし,よく読めばALSを患わっていた患者は安楽死を望んでいたというではないか。
この問題,自分が「不治の病」に侵されたらどうするか,で判断がわかれると思う。
もし自分がALSになって余命宣告を受けたら,やっぱり安楽死させてくれっていうと思う。
何もできない自分。ましてや,患者は海外旅行などに行く活発な女性であった。それが一気に奈落の底に突き落とされた。
奈落の底というもの,一度経験しないとわからない。想像できないものだ。
僕も味わったときがある。幸い1年で「底」から這い上がれたと思っているが,いまだに引きずっているところがある。詳細は書けないが,そのときの絶望感といったらたとえようがない。まさに「突き落とされて」,それまでの「日常」が変わったという体験である。
患者の苦しみを考えたとき,これを「殺人」と断罪することは「思考停止」を意味するのではないか。
日本では安楽死が認められていない,だから殺人である。これでは,「法律がそうなっているから反論してはいけない」という悪魔の論理と同じである。
そもそも,法律は「合理的かどうか」で判断すべきものではないか。しかしながら,日本では「合理的=功利的」と曲解されている。
僕は,この事件に関してはALS患者の意思を尊重したい。親の意思も社会通念も関係ない。
個人の尊厳を守るのが本当の民主主義だと,あらためて強く感じている。