大関暁夫の“ヒマネタ”日記~70年代大好きオヤジのひとりごと

「日本一“熱い街”熊谷発コンサルタント兼実業家の社長日記」でおなじみ大関暁夫が、ビジネスから離れて趣味や昔話を語ります

私の名盤コレクション15~Leon Russellとスワンプ名盤(3)「Leon Russell/Leon Russell」

2011-11-13 | 洋楽
★「Leon Russell/Leon Russell」(3)
1. A Song for You
2. Dixie Lullaby
3. I Put a Spell on You
4. Shoot Out on the Plantation
5. Hummingbird
6. Delta Lady
7. Prince of Peace
8. Give Peace a Chance
9. Hurtsome Body
10. Pisces Apple Lady
11. Roll Away the Stone

さて前回デイブ・メイスンの話で本作に至る経緯を紹介しましたが、いよいよレオン御大のお話です。レオンは、デイブのアルバム制作と前後して自身初のソロ作の制作に入り、それを機にデラニー&ボニーのバックメンであるフレンズからは一旦抜けます。ところが、このアルバムの制作ではレコード会社との折り合いが悪く、満足のいく出来にならぬままリリースが決まらぬ事態に陥ります。そんな折、彼の米南部的音楽性に一人のイギリス人が注目し近づいてきます。それが、ムーディ・ブルースやプロコルハルムのプロデューサーだったデニー・コーデルです。彼は行き詰まり気味のレオンを焚きつけて一緒にスワンプ専門レーベルのシェルター・レコードを立ち上げ、自己のやりたい形で作品を世に問う方向に持っていったのです。

レオンのソロ作のアレンジャーを務めたのは、ビートルズのエンジニアで知られるグリン・ジョンズ。彼は局面打破の策としてロンドン録音を提案。ちょうどデイブ・メイスンのアルバムを作り終えた「レオン一派=デラボニ&フレンズ」の面々は、大挙して英国へ渡りこのレコーディングを主導します。そして、デラボニに大きな関心を寄せていたジョージ・ハリスンやエリック・クラプトンをはじめ、リンゴ・スター、ストーンズのチャーリー・ワッツとビル・ワイマン、ジョー・コッカーなど、錚々たるブリティッシュロッカーたちも参加して、レオン一派+英国軍団による大スワンプ勉強会の様相となり、本作は思いがけないほどの豪華メンバーで制作をされたのでした。

本作は英国ミュージシャン参加の影響もあって、スワンプロックとしての完成度の点では次作に譲るものの、レオン・ラッセルという人物がなぜそれほどまでに当時同業者から注目されていたアーティストであったのか、このアルバムを聞けばその理由が十分に分かるほど素晴らしい内容です。1曲目は彼の代表曲でもある「A Song for You」。アルバム中、この歌だけはスワンプとは言い難いのですが、多くのアーティストにカバーされた永遠の名バラードです。2曲目からは一転、2.「Dixie Lullaby」4.「Shoot Out on the Plantation」6.「Delta Lady」11.「Roll Away the Stone」等スワンプ系の名曲が目白押し。デラニーのいかにものギターとジョージやクラプトンと思しきスワンプになりきれないそれを聞き分けてみたりするのは、本作のマニアックな楽しみ方でもあります。楽曲、歌、演奏、どれをとっても間違いなく名盤と言っていい1枚でしょう。

※この項まだ続きます。次回は本作のレコーディング・セッションがもたらしたスワンプの次なる展開です。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿