今回はあの頃のラジオ事情を少々。
ナショナルのラジカセMAC FFを手にした当初は、もっぱらAM放送に明け暮れていました。日本の洋楽市場での売れ行きをある程度把握するために役に立ったのが、文化放送の深夜放送「セイヤング」今日のベスト10でした。深夜0時30分から毎日約30分間、リクエスト集計で決める日刊ベスト10チャートモノだったのです。
その週間総括版とも言えたのが、土曜深夜3時から放送していた「オールジャパン・ポップ20(以下AJP)」なる番組。これは文化放送をキー局とした全国ラジオチャートとレコード売り上げで集計された(という触れ込み)の洋楽チャート番組でした。司会は文化放送アナウンサー時代のみのもんた氏。毎週眠い目をこすって、日によっては120分テープの片面を使って番組丸ごと録音して、翌日聞いたりしていました。ただ当時はタイマー録音なんてない時代だったので、とにかく3時まで起きていないことには話にならず、聞き逃すこともたびたびでした。
この文化放送系の洋楽チャートで強かったのは、元ビートルズの面々にカーペンターズ、ミッシェル・ポルナレフあたりだったと記憶しています。その後の音楽生活では、当時のAJPで15位以下に初登場してすぐに圏外に消えてしまった曲に意外なほどの愛着心があって、どんな曲があったか今でも少しづつ記憶をたどっては、CDを探してみたりYOUTUBEで懐かしく聞いたりしています。例えばFirstClassの「Beach Baby」をiTunesで見つけた時は歓喜しましたし、ごく最近では、The Heywoodsの「Hartbreak Kids」なんて曲を思い出しYOUTUBEで探しまわって懐かしい再会を喜んだりしています。
そんなAM中心の生活に変化が現れるのは、クラスの友達が手にしていた「FMファン」なる雑誌の存在を知ったことがきっかけでした。この先2週間分のFM放送の番組内で流れる曲目が書かれているという事実はかなり衝撃的でした。当時FM放送はまだ始まったばかりでDJもAM放送に比べると知名度が低い人が多く、番組そのものもまじめ路線でやや面白みに欠ける気がしていたのですが、AMに比べた圧倒的な音の良さとしゃべりがイントロにかぶらないことが多いという特徴には魅力を感じていただけに、「FM放送で事前にオンエア曲が分かり、ラジカセでテープ録音できたらレコード代が浮くぞ」と、これはかなりな強力な発見をした気分だったのです。
さっそく本屋さんで「FMファン」を購入し、録音したい番組を事前チェックしては漁る生活が始まりました。中でも重要度が高かったのは、NHK夕方4時台にあった「軽音楽をあなたに」という番組で、約2時間日替わりでアーティストの特集や新しいアルバムを丸ごと放送していました。その日の放送予定を朝学校に行く前にチェックして、録りたい番組があるときは極力放課後まっすぐ帰って放送に間に合うようにしたりけっこう一生懸命でした。
ただ僕は当時野球部だったので、火曜日、木曜日、土曜日は放課後練習があり、その曜日に聞きたいアーティストの特集がぶつかると大変ショックを受けたものです。でもその補足役的存在として、同じNHK夜7時台の、番組名は忘れましたが、アルバム1枚を毎日丸ごと放送してくれる番組もありました。「軽音楽をあなたに」で録り逃したものの、ここで再度放送されることもけっこうあってこれもかなり重要度の高い番組だったのです。
一方新譜アルバム紹介で当時もっとも情報が早かったのは、NHKのAM放送夜10時台の「若いこだま」という番組でした(名称からして古い)。DJは当時はまだ駆け出しの音楽評論家、渋谷陽一氏。恐らく輸入音源を使っていたのでしょう。上記のFM番組はたいてい新譜が日本発売になった後に放送されるのが常だったのですが、この番組はあちらで発売になるかならないかのタイミングで、新譜から何曲かを紹介していました。AMなので、録音して保存には向かなかったものの、いろいろなアーティストの新譜の出来をチェックするには格好の番組でした。
それと渋谷氏は、ただ音楽を流すだけでなく、いろいろなアーティスト情報や洋楽の基本知識も伝えてくれたので、この番組もまた聞き逃せない存在であったのです。この番組は後にFMに移転して、「ヤングジョッキー」という番組に引き継がれたので、その時代に親しんだ人も多いのではないでしょうか。
この項まだまだ書くことがありますので、次回に続きます。
★本日の関連レコード
<ファースト・クラス>
ビーチ・ベイビー
<ヘイウッズ>
ハートブレイク・キッド
ナショナルのラジカセMAC FFを手にした当初は、もっぱらAM放送に明け暮れていました。日本の洋楽市場での売れ行きをある程度把握するために役に立ったのが、文化放送の深夜放送「セイヤング」今日のベスト10でした。深夜0時30分から毎日約30分間、リクエスト集計で決める日刊ベスト10チャートモノだったのです。
その週間総括版とも言えたのが、土曜深夜3時から放送していた「オールジャパン・ポップ20(以下AJP)」なる番組。これは文化放送をキー局とした全国ラジオチャートとレコード売り上げで集計された(という触れ込み)の洋楽チャート番組でした。司会は文化放送アナウンサー時代のみのもんた氏。毎週眠い目をこすって、日によっては120分テープの片面を使って番組丸ごと録音して、翌日聞いたりしていました。ただ当時はタイマー録音なんてない時代だったので、とにかく3時まで起きていないことには話にならず、聞き逃すこともたびたびでした。
この文化放送系の洋楽チャートで強かったのは、元ビートルズの面々にカーペンターズ、ミッシェル・ポルナレフあたりだったと記憶しています。その後の音楽生活では、当時のAJPで15位以下に初登場してすぐに圏外に消えてしまった曲に意外なほどの愛着心があって、どんな曲があったか今でも少しづつ記憶をたどっては、CDを探してみたりYOUTUBEで懐かしく聞いたりしています。例えばFirstClassの「Beach Baby」をiTunesで見つけた時は歓喜しましたし、ごく最近では、The Heywoodsの「Hartbreak Kids」なんて曲を思い出しYOUTUBEで探しまわって懐かしい再会を喜んだりしています。
そんなAM中心の生活に変化が現れるのは、クラスの友達が手にしていた「FMファン」なる雑誌の存在を知ったことがきっかけでした。この先2週間分のFM放送の番組内で流れる曲目が書かれているという事実はかなり衝撃的でした。当時FM放送はまだ始まったばかりでDJもAM放送に比べると知名度が低い人が多く、番組そのものもまじめ路線でやや面白みに欠ける気がしていたのですが、AMに比べた圧倒的な音の良さとしゃべりがイントロにかぶらないことが多いという特徴には魅力を感じていただけに、「FM放送で事前にオンエア曲が分かり、ラジカセでテープ録音できたらレコード代が浮くぞ」と、これはかなりな強力な発見をした気分だったのです。
さっそく本屋さんで「FMファン」を購入し、録音したい番組を事前チェックしては漁る生活が始まりました。中でも重要度が高かったのは、NHK夕方4時台にあった「軽音楽をあなたに」という番組で、約2時間日替わりでアーティストの特集や新しいアルバムを丸ごと放送していました。その日の放送予定を朝学校に行く前にチェックして、録りたい番組があるときは極力放課後まっすぐ帰って放送に間に合うようにしたりけっこう一生懸命でした。
ただ僕は当時野球部だったので、火曜日、木曜日、土曜日は放課後練習があり、その曜日に聞きたいアーティストの特集がぶつかると大変ショックを受けたものです。でもその補足役的存在として、同じNHK夜7時台の、番組名は忘れましたが、アルバム1枚を毎日丸ごと放送してくれる番組もありました。「軽音楽をあなたに」で録り逃したものの、ここで再度放送されることもけっこうあってこれもかなり重要度の高い番組だったのです。
一方新譜アルバム紹介で当時もっとも情報が早かったのは、NHKのAM放送夜10時台の「若いこだま」という番組でした(名称からして古い)。DJは当時はまだ駆け出しの音楽評論家、渋谷陽一氏。恐らく輸入音源を使っていたのでしょう。上記のFM番組はたいてい新譜が日本発売になった後に放送されるのが常だったのですが、この番組はあちらで発売になるかならないかのタイミングで、新譜から何曲かを紹介していました。AMなので、録音して保存には向かなかったものの、いろいろなアーティストの新譜の出来をチェックするには格好の番組でした。
それと渋谷氏は、ただ音楽を流すだけでなく、いろいろなアーティスト情報や洋楽の基本知識も伝えてくれたので、この番組もまた聞き逃せない存在であったのです。この番組は後にFMに移転して、「ヤングジョッキー」という番組に引き継がれたので、その時代に親しんだ人も多いのではないでしょうか。
この項まだまだ書くことがありますので、次回に続きます。
★本日の関連レコード
<ファースト・クラス>
ビーチ・ベイビー
<ヘイウッズ>
ハートブレイク・キッド