大関暁夫の“ヒマネタ”日記~70年代大好きオヤジのひとりごと

「日本一“熱い街”熊谷発コンサルタント兼実業家の社長日記」でおなじみ大関暁夫が、ビジネスから離れて趣味や昔話を語ります

競馬メモ3.17-25

2012-03-26 | 競馬
2週分まとめて、GⅠトライアルを取り上げます。

◆フラワーカップ(3.17中山芝1800メートル)
・重馬場でのレースで、重の巧拙が出たイメージ。すでに一線級とは勝負付けが済んでいるオメガハートランドが勝つ。2着に1番人気メイショウスザンナ。良で再度力量を確認したいが、桜花賞では重馬場にならない限り、このステップからは今年は出番なしではないか。

◆若葉ステークス(3.17阪神芝2000メートル)
・きさらぎ賞を圧勝した1番人気ワールドエース。ヤヤ重もものともせず、ここもケタ違いの末脚を繰り出して圧勝。完全に皐月賞の本命に躍り出た。ほぼ人気どおりの決着で他馬に見るべきなし。

◆スプリングステークス(3.18中山芝1800メートル)
・重馬場で、3番人気グランデッツァがデムーロの好騎乗もあったが完勝。暮れのラジオ日経賞で3着とイマイチ下げた評価を再浮上させた。
・ディープブリランテは得意の重馬場でまたも詰めが甘く、直線自分の形で抜け出しながらあっさり差される始末。GⅠでは不要か。

◆阪神大章典(3.18阪神芝3000メートル)
・圧倒的人気のオルフェーヴルが気性の悪さを出して途中逸走しながら、最後は2着した。ほめられた競馬ではないが桁違いの強さだけは浮き彫りにされた。
・勝ったのはコース取りがよかった3番人気ギュスターヴクライ。これでGⅢ→GⅡ重賞2連勝。本番でも十分連対圏内。
・2番人気昨年の天皇賞馬ヒルノダムールは伸びがいまひとつで4着。道悪のせいなのか、せめてオルフェーヴルと馬体を合わせるぐらいのレースはして欲しかった。ただ本番で人気が落ちるなら引き続き要注意。

◆日経賞(3.24中山芝2500メートル)
・有馬と同じコース、同じ距離。重馬場と内有利の今のコース適正はあったものの、人気薄ネコパンチの逃げ切りではまともな評価はしずらいレース。人気のウインバリシオン、ルーラーシップは2、3着と形は作ったものの本番への評価ができるレースではない。昨年GⅠ無冠の武だが、最近乗れてきているので、春のGⅠは注意が必要か。

◆毎日杯(3.24阪神芝1800メートル)
・きさらぎ賞でワールドエースの2着したヒストリカル。鋭い差し脚で人気に応えた。きさらぎ賞でも上がりはワールドエース以上であり、本番でもワールドエース対抗馬最有力であろう。

皐月賞は今年はきさらぎ賞組のレベルが高く、1着ワールドエース、2着ヒストリカル、4着ジャスタウェイがその後重賞勝ち。3着のベールドインパクトもオープン特別を勝っている。すなわち、このレースを基準で考えるなら、ここを桁違いの足で抜けだした1、2着馬は世代最上位と見るべきか。本番はこの2頭の1点でもいいかもしれない。

高松宮記念

2012-03-24 | 競馬
春のGⅠシリーズ開幕です。まずは1200メートルの短距離戦高松宮記念。新装なった中京競馬場で行われます。昨年暮れの朝日杯から有馬記念、フェブラリーSと、GⅠ3連勝中の当ブログ、この春も頑張ります!

今年から始めた当ブログの「競馬メモ」を振り返りますと、人気でも①ロードカナロアが軸には最適かなと。ただし、これまで平たんコースばかりを使われており、ゴール前に急坂ができた中京コースには一抹の不安があります。同じ安田厩舎所属の⑩カレンチャンは昨年秋のスプリオント王で、前走はそれ以来の休養明けを0.2秒差4着で順調な調整ぶりと思わせられます。この2頭がそろって消えるのは考えにくいととりあえず予想します。

相手は、GⅠではGⅠレベルの馬が要注意というわけで、競馬メモにもあったGⅠレベルの馬2頭に着目です。⑮ダッシャゴーゴーと⑯ジョーカプチーノ。ダッシャは前走の惨敗で人気を落とした安田厩舎の3番手で、ともに降着処分ながら1200メートルGⅠ戦で2、4着した実力は確実にGⅠレベルにあります。ジョーカプはNHKマイルカップ勝ちの堂々たるGⅠ馬。しかも今回、ダッシャに横山典、ジョーカプにはウチパクが乗るというプラス材料もあり、ここは外せない狙いどころです。

馬連・ワイド2本軸で、
①-⑮、①-⑯、⑩-⑮、⑩-⑯
タテ目の⑮-⑯はワイドでおさえます。

4連勝なるか?春の第一弾幸先良く当てていきたいところです。

見せつけられた“本家”が失った“本当のイーグルス”~ドン・フェルダー来日公演

2012-03-20 | 洋楽
さほど期待していなかったものとの巡り合いで、それが思いのほか素晴らしかったりすると人は感動するものです。昨日の元イーグルスのドン・フェルダー(G)のビルボード・ライブでの来日ライブは、まさにそんな感じ。大満足のステージでした。

ドン・フェルダーは知る人ぞ知るあの名曲「ホテル・カリフォルニア」の作曲者。イーグルスには3枚目のアルバム「オン・ザ・ボーダー」からバンドに加わり解散まで在籍し94年の再結成にも参加します。ところが、2000年にグレン・フライ、ドン・ヘンリーの二人から突如「バンドに貢献していない」と解雇を言い渡され、彼らと訴訟関係になるという泥沼に。06年に示談が成立したそうですがバンドには戻らず、グレンとドンの金欲体質を暴いた自伝を出版するなどで話題を提供したりもしていました。今回のライブは、自身のバックバンドを率いての初来日であります。

ステージはいきなり聞きなれたイントロに導かれて「ホテル・カリフォルニア」でスタート。彼のトレードマーク、ダブルネック・ギターで哀愁のメロディを奏でます。間奏のリードギターはほぼレコードのままのフレーズながら、「これぞモノホン!」を感じさせられそのままリーンカネーション状態に。立て続けに、彼がイーグルス加入のきっかけになったセッション参加曲「過ぎた事」から大出世作「呪われた夜」へキラー・ナンバーでたたみかけられ、レスポールを基本に据えたレコードと同じ音に鳥肌は立つは思わず涙腺が緩みそうになるは、予想外の感動に引きづり込まれてしまいました。

ステージ構成は、イーグルスナンバーを軸にソロ作からの新曲とセッション参加した他アーティストのナンバーをまぶした展開。やはり、イーグルス・ナンバーが見に来ている満員のオーディエンスの“待ってました”でもあり、盛り上がりが違います。中でも特にコアなファンを喜ばせたのは、“本家”が最近ではまずステージでやらないであろう、フェルダー氏が中心に作られた曲「暗黙の日々」と「ゾーズ・シューズ」。特に「ゾーズ・シューズ」は例のトークボックス・ギター(チューブを加えてギターと声を混ぜて独特の音を出すヤツ。ジェフ・ベックが「迷信」で使って70年代にちょっとはやったアレ)で、オリジナルの雰囲気を再現するという念の入れようもちょっとした感動でした。

バンドは、ケニー・ロギンスやクリストファー・クロスのバックを務めたこともある西海岸のホンマモン連中で、リズムが“本家”よりも重たくしっかりしていて、いかにもライブ・バンドの風情があってこれまた素晴らしい。本家に比べればフェルダーのリード・ボーカルは確かに弱わくはあるものの、レコードの再現的に完璧主義を貫くピリピリした緊張感あふれるヘンリー=フライ・スタイルとは一味もふた味も違う、ウエストコースト・バンドのライブをまるでロスのライブハウスにいるかのような感覚で聞かせてくれる演奏でした。本場トゥルバドゥールにいるようであったというのは少々ほめすぎかもしれませんが、これぞポコやイーグルスに脈々と流れていたハズでありながら、今の再結成イーグルスが失ってしまった「西海岸らしさ」であるなといったところでしょうか。

思えば8年前にフェルダー抜きの再結成イーグルスをドームで見て、なんとも味気ない無機質な印象を抱かされ、昨年の再来日はパスした私。今回のようなステージこそが古くからファンである私がイーグルスに求めてた本来の“らしさ”なわけです。金まみれになる中で“本物のイーグルス”が見失ってしまった“本当のイーグルス”を見せられる思いであり、彼の自伝以上に痛烈な“本家”に対するメッセージを持ったステージあると感じさせられました。こんな「最高」もあるんだと、新発見させられた夜でした。

私の名盤コレクション21~Leon Russellとスワンプ名盤(8-2)「Lyla /Derek&The Dominos」

2012-03-18 | 洋楽
◆Lyla /Derek&The Dominos
1. I LOOKED AWAY
2. BELL BOTTOM BLUES
3. KEEP ON GROWING
4. NOBODY KNOWS YOU WHEN YOU'RE DOWN AND OUT
5. I AM YOURS
6. ANYDAY
7. KEY TO THE HIGHWAY
8. TELL THE TRUTH
9. WHY DOES LOVE GOT TO BE SO SAD?
10. HAVE YOU EVER LOVED A WOMAN
11. LITTLE WING
12. IT'S TOO LATE
13. LAYLA
14. THORN TREE IN THE GARDEN

さて「レイラ」の続きです。今回は楽曲のお話を。
このアルバムの全14曲にはこの後のクラプトンの基本スタイルがすべて詰まった、クラプトン・プロトタイプとも言えそうなアルバムでもあります。基本スタイルとはすなわち、ギターロック、ロッカバラード、ブルーズ、アメリカンの4タイプ。ここで大雑把にアメリカンと言ったのが、いわゆるスワンプ的ナンバーでもあります。

個別曲に目線を移すとまずは何と言ってもギターロックの名曲、タイトルナンバーの「レイラ」。この圧倒的な存在感は、火の出るようなインプロビゼーションを繰り広げていたクリーム以来の彼のファンを満足させるに十分な力強さでした。しかし、スワンプ・メンバーによるスワンプアルバムというアルバムの制作コンセプトから考えれば、ある意味最も異質なナンバーでもあると言ってもいいでしょう。

このアルバム中での座りの良し悪しはともかく、この曲の成功に味をしめたクラプトンは、この後何度となくこの焼き直し的ナンバーを作ることになります(「フォーエバー・マン」や「バッド・ラブ」はその最たるものでしょう)。「レイラ」によって形作られたこのスタイルはこの後長らく、彼を象徴するスタイルになるのです。このアルバム中ではもう1曲9「恋は悲しきもの」が同じくギターロックにあたると言えます。

よくよく考えると「レイラ」は、ブラインド・フェイス時代の名曲「プレゼンス・オブ・ザ・ロード」を逆パターン化したモデルでもあったのではないでしょうか。静かなメロディラインのナンバーが一転激しいギターナンバーへという「プレゼンス・オブ…」に対して、激しいギターリフとシャウトボーカルのロックが流れるようなピアノナンバーに展開する「レイラ」。実は、ジョージ・ハリスンを思わせる神の存在を歌った前者とそのジョージの妻パティへの恋心を激しく歌った後者、その両者が彼にとって対をなす重要な存在であったということなのではないかと思うのです。

次にロッカバラード。この代表格が2「ベルボトム・ブルース」です。ブルースといっていますが、バラードです。これなんぞは、先の「プレゼンス・オブ…」で開眼したメロディアス路線の発展形と言ってもよさそうなナンバーですが、英国人の集まりであったクリームやブラインドフェイスでは間違いなく生まれえなかった、アメリカ南部の泥臭さやマッタリ感が作風に深みを与えた名曲であります。

ここで新たな息吹を得たクラプトンの作風は、その後の「レット・イット・グロウ」や「ワンダフル・トゥナイト」「ティアーズ・イン・ヘブン」へと引き継がれていくのです。本作中ではオリジナルではありませんが、11「リトル・ウイング」(ジミヘンのカバー)が、イントロの仰々しさはいただけないものの、この路線でいい味を出しています。

さらに次回に続きます。

昭和問わず語り18 ~ 怪獣ブーム4

2012-03-16 | 昭和
怪獣ブームの話が途中になってしまいました。確かウルトラマンまでいっていたかなと。

ウルトラマンとくれば次はウルトラセブンですね。これは怪獣モノというよりも宇宙人モノ。巨大な怪獣が毎回登場して最後の対決シーンが見せ場だったウルトラマンとはやや違う展開でして、基本的には毎回異なる宇宙人が地球侵略を狙ってやってきてセブンと対決するというストーリーが前シリーズとは大きく異なる趣でした。話が難しいというか人間ドラマ(実際には人間と宇宙人の対話ドラマですが)というか、セブンがアパートの一室でちゃぶだいを挟んでメトロン星人と対話をするなんていう“名シーン”もあったりしました。

怪獣モノから宇宙人モノに移行したのには、実は大人の事情があったようです。当時怪獣ブームもピークアウト気味で予算が厳しくなっていたと。怪獣の着ぐるみ作りもそれなりにコストがかかっていたものの、さらなるコストはヒーローと怪獣が対決する町のミニチュア作りです。怪獣が倒されて町が壊れるところも見せ場ではあったのですが、確かにその制作作業たるやモデルとなる街のロケハンにはじまって設計、施工、色付等脚色…。なんでも着ぐるみとセット代で総製作費の大半を占めていたとか。これ毎週じゃたまらんわけですよ。その後のヒーローものである、仮面ライダーやゴレンジャーなどが、皆等身大の悪者を設定し空き地のような場所でばかりロケを敢行したのは、セット製作費の削減目的以外のなにものでもないのです。わずか最後の5分を盛り上げるために映画並みの製作費が投じられるのはいかがなものか、大人の考えは当然そうですよね。

当時子供の僕らは、「ウルトラマン」に比べてどうも消化不良気味でした。セブンがストーリー的に名作であると思えたのは、恐らく何度目かの再々放送で見た高校時代かなと思います。子供の頃は、話は理屈っぽいし、毎回等身大の宇宙人ばかりが登場して大きな怪獣の登場が減っちゃうしで、何気に不満を感じてたのは間違いありませんでした。でも毎週見てました。そんなセブンへの怪獣の登場数は少なかったけど、質は高いかなと思います。少数精鋭ね。セブンシリーズで一番有名な怪獣はエレキングでしょう。あれはウルトラシリーズでも1、2を争う怪獣デザインの名作です。あとは、セブンがピンチの時に助けてくれるカプセル怪獣の存在も魅力的だったな。ミクラス、ウインダム、アギラの3頭だったかな。これが弱いんだな、どれも。最初はイイ線いっていながら、だいたいやられてぐったりしたところで「戻れ!」って戻されるの。カプセルの中で死んじゃうんじゃないかと心配したよ、ホント。デザインでは、闘牛みたいな風貌で猫背のミクラスが可愛かったです。この後のウルトラシリーズの怪獣デザインの体たらくぶりを見るに、セブンが最後の栄光時代であることは間違いありません。

さてセブンの宇宙人モノ的性格ですが、実は円谷プロの宇宙人モノは映画も含めてけっこう歴史は古いんですよね。ただセブンに直結するのは、「ウルトラQ」のケムール人、「ウルトラマン」のメフィラス星人あたりです。超有名なバルタン星人は確かに存在感はあるんだけど、単なる地球征服者でちょっと動機が希薄なので、怪獣と同じ立ち位置と言うところが不満です。ケムール人は科学の力で寿命は延びたけれど肉体は衰えてしまい(あれ体が腐ってるんですよ。子供時分に臭い靴下を手にかぶせて「ケムール人だぁ」とか言ってたのはかなりいいセンスだったと自画自賛です)、人間の肉体を求めて地球に来るんだよね。メフィラス星人は武力によらない地球制服を宣言し、地球人の子供を人質にとって「あなたに地球をあげます」と言えって迫るんだったかな。あのシーンはその人質の子供と同世代の僕には本当に怖くてよく覚えています。「僕の所に来たらどうしょう」「あげますって言っちゃったらどうなっちゃうのかな」ってね。結局少年は絶対に「あげます」と言わずに、メフィラス星人は帰ったんですよ。これこそセブン系ストーリーの元祖ですよね。

そんなわけでウルトラセブンは、ウルトラマンとは見かけはともかく中身は全然違うヒーローものでした。あ、そうそう大切なことを忘れていました。ウルトラセブンと言えばアンヌ隊員。ひし美ゆり子さんね。ウルトラシリーズに登場した初めての“キレイなお姉さん”でした。「ウルトラQ」が終わって「ウルトラマン」が始まったときに、子供だって「え~っ、また桜井浩子(って当時は名前は知らなかったろうけど)」って思ってガッカリしたからね。子供心に紅一点女性隊員って大事だった訳で、アンヌ隊員は番組に別の花を添えてくれた貴重な存在だったのです。我々世代にはいまだにアンヌファンって多いみたいですよ。わかる、わかる。僕らにとって初恋の人みたいな存在なのかもしれません。

競馬メモ3.10-11

2012-03-15 | 競馬
■アネモネステークス(中山芝1600メートル)
一番人気パララサルーが不良馬場をものともせず、後方から一気の差し切り勝ち。ディープインパクト産駒の底力を見せつけた。他馬はレベル的に?。この馬のみ本番でもマークが必要。

■フィリーズレビュー(阪神芝1400メートル)
こちらも、一番人気アイムユアーズが力の違いを見せつけたレース。前走のG1での2着がフロックでないことを証明し、本番でも有力馬の1頭となった。一方2番人気のイチオクノホシは最後内から伸びたものの4着まで。決めて不足をまたも露呈した形に。距離伸びてこその馬かもしれない。

競馬メモ2.25-3.4

2012-03-06 | 競馬
2週分まとめて、クラシックのステップレース中心に書き留めます。

★アーリントンカップ(2月25日阪神芝1600メートル)
・勝ったのは2番人気ジャスタウエイ、2着が3番人気のオリービン。オリービンはCデムーロの好騎乗で早め抜け出し策が奏功。ジャスタウエイは最後方から直線だけの競馬。1頭だけ足色が違う切れ味でした。もともと素質馬が1800メートル重賞で連続4着でいいところなし。ベストはマイルか?NHKマイルカップではマークが必要。秋以降も人気が落ちてマイル重賞で人気薄激走の予感もある。要マーク。

★中山記念(2月26日中山芝1800メートル)
・そろそろ穴をあけそうだったシルポートがマイペースの逃げ。道悪にも助けられて逃げ切り目前を、フェデラリストが1頭他馬とは次元の違う足をみせてゴール前でしっかりとらえた。この足をGⅠクラスと言わずして何と言おう。間違いなく今年のGⅠ戦線で1、2着を争うであろう馬の登場といった印象である。狙いは、安田記念、天皇賞秋あたりの東京コースでこそこの馬の持ち味が活きそうな気がする。人気でもGⅠでハズしてはいけない馬。
・3着に昨年の安田記念馬リアルインパクト。道悪もあったかもしれないがフェデラリストには完全に置いていかれ、勝負付けが決まった後に3着に滑り込んだ印象。基本はサウスポーか。左回りでは警戒が必要だがどうも昨年のGⅠ勝ちは軽量に恵まれたものという気がしなくもない。
・圧倒的人気のトゥザグローリーは大凡走の10着。距離短縮の戸惑いはあったにしても、この凡走ではGⅠ奪取などとてもとてもの感じ。精神的な成長のなさに正直ガッカリさせられた。今年のGⅠ勝ちはないとみた。気が早いが、空家の宝塚候補はルーラーシップに絞られた?

★阪急杯(2月26日阪神芝1400メートル)
・高松宮のステップレースだが、メンバーがいかにも小粒。勝ったマジンプロスパーは大魔神佐々木氏の持ち馬という点以外にはあまり注目要素がないように思う。ギリギリGⅠ連対レベルの7歳馬サンカルロが休み明けで3着との比較からも、このレースのメンバーはGⅠではよくて掲示板か。

★チューリップ賞(3月3日阪神芝1600メートル)
・桜花賞の最大のステップレース。圧倒的人気の2歳女王ジョワドビーグルがまさかの3着。トライアルらしい競馬と言えばらしいが、本番も過信は禁物か。
・勝ったハナズゴールは、Cデムーロの好騎乗という問題だけでは片付けられないほどの完ぺきな勝利。一躍本番でも主役に躍り出た感あり。ただし、2度の凡走経験もあり、好走の条件があるのかもしれない。要研究か。
・2着セピアアロームは、2番人気の2歳GⅠで8着と惨敗して評価を落としたが、世代上位は間違いないことを証明した。この手の馬は人気しないが本番でも要注意。
・前走シンザン記念勝ちのジェントルドンナは4着。直線やや不利もあったようで、本番で人気が落ちるなら要マーク。牡馬相手に重賞勝ちのマイルでは侮れない。

★オーシャンステークス(3月3日中山芝1200メートル)
・高松宮記念を目指す有力馬はここに集まった。安田厩舎のカレンチャン、ダッシャゴーゴーあたりがGⅠレベルの基準馬であり、その馬との比較が焦点。2頭は、4、9着と馬券にならなかった。使われている馬との差が出たのかもしれないが、やや不満の残る使い出しではあった。勝ったワンカラットはもともとGⅠ掲示板レベルの馬。ただし好不調の波が激しく好調時にGⅠを走っていないだけに、本番も注意が必要。
・先の2頭の他には、ジョーカプチーノがGⅠレベル馬の休養明けで、自走は要注意。
・今年の高松宮記念は、中京コースが直線に坂ができ直線も延びたので、この中山1200メートルは意外に本番直結かもしれない。同条件の昨年のスプリンターズステークス好走馬も要注意。
・高松宮全トライアル終了時点では、シルクロードS勝ちのロードカナロアが頭ひとつ抜けた感じ。相手はオーシャンS組か。

★弥生賞(3月4日中山芝2000メートル)
・皐月賞トライアル、本番同条件のレース。一番人気は暮れのラジオ短波杯勝ちのアダムスピーク。レースは超スローに流れ直線の上がり比べ。アダムスは勝ち馬の直後にいながら前が詰まる不利があり、足を余しての8着。本番直結とは言い難く参考になりにくいレースであった。
・目立ったのはアーデントの差し脚。本番でも要警戒。ただこの超スローペースでは、何も評価できないのが実情か。皐月賞予想は難しい。

私の名盤コレクション20~Leon Russellとスワンプ名盤(8-1)「Lyla /Derek&The Dominos」

2012-03-04 | 洋楽
いよいよ「レイラ」登場です。

このアルバムに関しては、一般的にはタイトルナンバーがジョージ・ハリスン夫人パティとの悲恋を歌った名曲であるとか、ゲストのデュアン・オールマンとクラプトンのギター共演が素晴らしいとか、そういった取り上げが多いのですが、ここではあくまでスワンプの名盤として語らせていただきます。このアルバムがスワンプの名盤足りうる最大の理由は、まずそのメンバー構成にあります。68~69年にレオン・ラッセルと共に、初期のデラニー&ボニーのバックを支えた3人組、カール・レイドル、ボビー・ホイットロック、ジム・ゴードンが、英国人ブルースギタリストのエリック・クラプトンをバック・アップする形で結成された、正真正銘アメリカンなスワンプ系ロックバンドが、デレク&ザ・ドミノスなのです。バンド名のネーミングもデラニー&ボニーを意識したものと思われ、彼ら(と言うよりクラプトン個人?)が目指したところは、米英混合の最強スワンプバンドだったと想像がつくのです。

このバンドのスワンプ的観点からのキーマンは、メンフィス出身で牧師の父を持つボビー・ホイットロックです。彼は教会ゴスペルをはじめとした黒人音楽に浸って育った生まれながらのスワンパーであり、彼がデラボニ&フレンズ崩壊後クラプトンの家に転がり込んだことをきっかけに、ジョー・コッカー&レオン・ラッセルのツアーがはねた旧知の2人を誘ってバンド結成に至ったのでした。70年5月のジョージ・ハリスン「オール・シングス・マスト・パス」のレコーディングを終えた彼らは、その流れでデイブ・メイスンを含めた5人でバンド活動をスタート。しかしデイブは、理由ははっきり分かりませんが、デビューステージの後すぐにバンドを離れます。残った4人はそのまま、「オール・シングス…」と同じフィル・スペクターをプロデューサーにシングルのレコーディングからスタートさせますが、本格アルバム制作入りの前にプロデューサーはトム・ダウドにすげ替えられます。

「オール・シングス…」がまだ正規盤として世に出る前の段階だったので、彼らはフィルのスワンプ系作品のプロデュースぶりがいかなるものであるのか知る由もなかったのですが、自分たちのシングル用のレコードの出来あがりを聞き、恐らく“ウォール・オブ・サウンド”で飾られた演奏に「これはスワンプじゃない」との結論を得たのでしょう。彼らは“手遅れ”になる前にとプロデューサーを変更したのです。このことが、食い合わせの悪い「オール・シングス…」とは一味違うスワンプの名盤を作り上げる原動力になったのでした。オールマンのプロデューサーとして南部音楽に精通していたトム・ダウドはまさしく適任であり、英国人クラプトンのまだまだ未熟なスワンプ・ボーカルにホイットロックの南部的歌声をコーティングして味付けするなどの工夫は彼ならではのアイデアと言えます。また、デュアン・オールマンのゲスト参加を実現させたのも、当然彼の功績でした。

この作品は、レイドル&ゴードンの粘っこいリズム隊が南部臭を根底で支える中、ダウドがクラプトン&ホイットロックのからみを軸に作り上げた、スワンプ最高峰アルバムと言っていいでしょう。ただ、個人的にはあまりにハードロック的なタイトルナンバーと各面に1曲ずつおさめられたブルース曲を除き、1枚モノでこのアルバムが出されていたらもっと強力な印象のスワンプ・アルバムになっていたのではないかとも思われ、少々残念に感じています。そのあたりの詳細は次回触れます。