音羽台みんなの生活ブログ

社会福祉法人翠生会  特別養護老人ホーム 音羽台レジデンス 板橋区にあるユニット型特養です。

施設見学見聞録シリーズ 練馬キングスガーデンさん

2015-11-28 10:41:09 | 相談員 日記
相談員の高橋です。
クリスマスが近くなってきましたね。


昨日は、練馬キングスガーデンの設計をされました、1級建築士 間瀬樹省さんが案内してくださるという贅沢な機会をいただき、施設からは私と管理栄養士、看護師と一緒に、訪問させていただきました。


練馬キングスガーデンは、社会福祉法人キングスガーデン東京が運営する、グループホーム、小規模多機能施設です。当法人でも、グループホーム、小規模多機能施設を運営しており、なんだかとても気になる存在でした。

さて、玄関をくぐり、靴をぬいで下駄箱へ。やけに賑やか。そして、スリッパがない…。そうなんです、そこには無垢の床板が敷き詰められ、ぬくもりがあり、スリッパなんて必要ないんです。

そして、賑やかな理由は、赤ちゃんたちが床の上でゴロゴロ転がりまわっていたんですね。初めてです。スリッパが必要のない施設も、赤ちゃんが1階の地域交流スペースでゴロゴロしているのを見たのも。こういう体験をすると、自分の見地の狭さを実感します。(写真を載せたいところですが、子どもとママがたくさんおられて、どの角度からとっても顔を映ってしまうくらいでしたので、断念します)

施設長の清水冬生さんと、地域交流スペースのコーディネイターの方から、施設についてのお話をいただきました。

この地域交流スペースは、施設の設計段階から構想に入っており、コーディネイターを配置し、本当に地域に根差した地域交流スペースを作るという思いを、施設長や開設スタッフ、設計の間瀬さんのなかで、共有していたとのこと。そして、現在では、月間の利用者数が1000人だとか…本日はママサロンの方たちが利用されていました。

コーヒーや法人内の作業所で調理したスイーツも販売され、もう、本当に異次元の世界。こんな素晴らしい空間を作り出している施設があるなんて。そして、このスイーツが、近所で評判を呼んでいるのだとか。

そして、生活スペースへ。鍵がかかっていない…もはや当たり前になりつつあるのかもしれませんが、私たちにとっては、驚きと反省と…何とかせねばとの思いと…鍵のかかっている特養で働いてる方にはわかると思います。
そして、生活されている方は、靴をはいていません。

2重構造の床(暖かさと衝撃吸収の為)の上にカーペットが敷いており、生活されている方も、働いている方も、素足かスリッパ。もう、驚かないようにしていましたが、ビックリ。そうですよね、家の中でリハビリシューズは、履かないですものね。うちの特養では、スリッパは危ないからと、自宅でスリッパの生活であっても、リハビリシューズを購入してもらっています…なんでかな…と相談員としての仕事を放棄して、ただただ、感動していました。

ここまでくると、もうびっくりしないはずでしたが、台所をみて、ビックリ。

ちゃんと、生活されている方と職員とで夕食を作っている。(写真は間瀬さんと清水施設長です)メニューと材料は配達されるそうですが、同じ材料をつかって、皆で考えて、メニューにないものを作ってもいいのだとか。なるほど、家ですものね。


非常階段は閉まっているものです。ふつう。でも、ここでは、家の中にある階段です。そのため、優しいオレンジ色の電気がつき、木目調の手すりや壁…
当然、階段での転倒のリスクもあるし、外に行ってしまうリスクもあります。でも、それが家ですよね。それが施設の方針なんです…とご家族には説明して、納得をして入居していただいていると。まさに、理念と設計、働く人たちの思いが繋がっている光景でした。

ごく当たり前の暮らしの風景がありました。
今の私たちの施設にはないものです。清水施設長とのお話のなかで、「特養は管理をしすぎます。」とのお言葉がありました。先日の下河原忠道さんの話の中で「管理は依存を生み、生きがいを奪い取る」とのお話もあったばかりでした。この「管理」と「リスク」を、私たちは間違えて理解しているのではないかと感じました。設計士の間瀬さんからは、「鍵がかかっているから、閉じ込められていると感じて、必死に出ていこうとするのではないでしょうか。最初から開いていれば、必死にはならないですよ。いつでも出ていけるのですから。ましてや、多くの人は、目的をもって外に行くのですから。認知症の方であっても。」と。また、施設長からは、「もし、ここから外に出てしまっても、地域の方が、ここに連れて帰ってきてくれます。地域のかたには、お願いをしています。そして、認知症サポータ養成講座を開かせていただき、認知症の理解を広めています」とのこと。
私たちも、入居されてる方の幸せのためにと、日々努力をしているます。しかし、そこには大きな、考え方の違いがあり、それが、今の「差」なのかもしれません。

本当に勉強になりました。特養ハピネスあだちさん、サ高住 銀木犀さん、そして、練馬キングスガーデンさん…どこも本当に素晴らしい施設です。働くスタッフから、管理者から、そして建物からさえも、思いが伝わってくるような施設でした。
感動ばかりしていられません、私たちの施設も、この風景を、この暮らしを提供しなければいけません。自分たちの当たり前を、もう一度確認しなくてはなりません。

皆で力を合わせて頑張ります。

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4階 ABユニット 事例発表

2015-11-25 08:42:09 | 介護 日記
介護マネージャーの斉藤です。

本日は、2か月に1度開催される「事例発表会です」。
今回は、4階ABユニットの発表となりました。ユニットリーダーのお二人が発表者です。


演題は「心因性頻尿に着目した排尿コントロール」でした。
これは、どこの施設にもある、悩ましい事例ではないでしょうか。
午後になると、排尿の訴えが目立ち始め、夕方になると、頻回にトイレの訴えが多くなる。内科的には問題なし。内服調整を行うも、効果なし。
ひたすら、トイレの訴えが多く、その都度、おトイレへ…と。

多くの職員が参加。もちろん、施設長も参加しています。


事例にはおいては、職員へアンケートをとり、その心因を取り除く効果のありそうな方法を試してみよう…となりました。
実際には、以下の試みを2か月間内で、段階的に実施。どの方法が効果があったかを検証した。
・実際に排尿があるのか、ないのか、尿量の測定を行う。
・排泄以外に集中できる作業(刺し子や習字などの楽しみ)の提供。
・家族の理解と協力をいただき、家族と本人の交換日誌を実施。施設にいる不安感の軽減を図る。


結果、トイレに行く回数は減り、一回当たりの排尿量も増えていました。また、排便のコントロールも良好となり、水様便の回数が減り、ほぼ毎回、普通便となりました。

最後には、ご家族からのビデオレターで発表は終了。ご家族とともに、今回の取り組みについて振り返りました。
その後、グループに分かれて、感想や課題などをワーキング。

「何度もトイレに行きたいというが、本当に排尿があるのか疑心暗鬼であった。しかし実際に尿測を行うと、微量であっても実際に排尿があった。それを確認すると、本人のつらさも理解できるたような気がしました。きっと、本人もつらいんだろうな…と」と、ユニット職員からの感想もありました。また、ご家族と一緒に、ご本人の生活を支える取り組みについても評価をいただきました。

ユニットリーダーの二人は、このような形式の発表は初めてでしたが、良い発表でした。自分たちで実践し理解しているからこそ、できた発表です。本当に立派でしたよ~ 
お疲れ様でした。
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第三回 「いたカフェ 架け橋」 開催いたしました~

2015-11-20 18:56:19 | 相談員 日記
相談員の高橋です。
更新も順調です。いや、順調ではないか…それもそのはず。いたカフェの準備をしておりました。



11月16日に成増アクトホールにて開催。ここは、定員42名。しかし、参加者名簿を見ると、事務局を含んで参加者54名…。大丈夫。机を出して、我々が立ち見して…下河原さんのお話を一人も多くの方に聴いて頂き、感動して、勇気をもらって、楽しんで、何より一人でも多くの人と繋がって帰っていただきたい。少々、定員より多いくらい大丈夫。

下河原忠道さん、到着。なぜか、私は緊張。写真を撮るのを忘れていました。
公演中は、話に夢中。ここでも、写真を撮るのを忘れる。ビデオはしっかりと撮りました。視聴希望の方は、相談室まで。永久保存です。

では、ここで、第三回いたカフェの内容を抜粋。

第三回 いたカフェ 架け橋 まとめ
平成27年11月16日(月) 18:30~20:45 
場所:アクトホール成増
参加:46名(事務局除く)
ゲスト:下河原忠道さん 「サービス高齢者住宅の未来」について語っていただく。

-抜粋-
こころに残ったことばたち

4年前に銀木犀をオープン。その前には、世界中の施設を見て回った。日本に帰ると、「冷たくて」「リスクばかり管理されていて」…と感じていた。なので、いろいろな趣向を施設にこらしています。おおよそ、高齢者施設/住宅には見えないし、高齢者施設/住宅では行わないことに取り組んでいます。

サ高住が住まいになる条件の一つに「安全性が限定されていること」があげられる。安全性の担保として、管理を生む。「管理は依存を生む」と考える。管理は、自立性の欠如、地域との関係の断絶、選択する自由を剥奪するものであり、「無気力を助長するもの」である。故に管理はしない。

この仕事に就いたときに「安心して死ぬことができる場所を作りなさい」と、看護師だった入居者に言われた。「病院は死ぬところではなく、元気になって自宅にもどすところ。死ぬ場所を作るために高齢者住宅の人たちががんばりなさい。」と。この言葉が、こと方との出会いが、原点です。

一生を終えたヒマワリは、アスファルトの上に葉や種を落とすと、ただのゴミになる。だけれど、土の上に葉や種を落とすと、次の世代に引き継がれる。これが、銀木犀。その人の命を次に繋ぐこと。

人はいつか死にます。人は死ぬ場所を自分自身で決めることができるはず。生活の場で看取る文化を取り戻すことが使命となった。

長生きの秘訣は、「人と人とのつながり」そして、「役割」である。意欲が能力を変える。心が動けば体が動く。我々、高齢者住宅のこれからは、もっともっと生活を「楽しむ」ことである。楽しむことのできる生活を。

※ここでは、すべてを紹介しきれません。本当に素晴らしい話でした。何度も何度も、ビデオを見返しています。宝物です。

座談会-言いっぱなしの聞きっぱなしの会-

「幸せな街に必要なものは何ですか?」


下河原さんにも、座談会に入っていただきました。


エイジングサポートの小川利休さんも。



・声をかけてくれる人がいる
・適度なつながりのある関係
・好きな時に人が集まれる場所がある
・物ではなく人が繋がっている
・でも、そのつながりを作ることが難しい
・お互いに助け合ったり、コミュニケーションを取ったり、高齢者施設に子どもが集まり、親が集まり、社会の縮図になるといいな。繋がりのある街。
・昔は、子どもが悪さをすると、近所のおじさんが怒ってくれていた。そんな風景が街から無くなっている。本当は、むかし、叱られたおじさんを、当時の子どもたちが助けてあげるような関係ができたらいいな。
・特養だったら、その中が街になるような。カフェとか交流の場があって、繋がることができる場所があるといい。介護とかPTとかNSとかだけではなく、街の人が施設に入って繋がれる場所があるといい。
・元気な街は、子どもが多い街。子どもが外で遊んでいる街。子どもがたくさんいれば、おじーちゃんや、おばーちゃんが、たくさんのことを、子どもに伝えることができる。
・人と繋がっていたい。とは言ってみたものの、隣の人のことなんかよくわからない。じゃ、明日からとりあえず、自分の周りからコミュニケーションをとっていけばいいのではないか。明日の職場からやってみます。


人と人とのつながり。あらためて感じました。大切です。


下河原忠道さん。超多忙な中、本当にありがとうございました。本当に素敵なお話しでした。幸せな街をみんなで作ります!

コーヒーをひたすら淹れてくれたくれた、看護さん。ありがとうね。
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九州地区開催 地域精神保健学会 ご報告の巻

2015-11-13 18:08:58 | 相談員 日記
相談員の高橋です。

先日、アップしました「地域精神保健学会」に参加してまいりました。

音羽台が所属する、翠会ヘルスケアグループが主催する学会です。医療、福祉、児童、ITと様々な事業体が参加しています。医療だけでも、いくつの事業体があるのか、よくわからないくらい大きなグループです。

さてさて、今年は、九州で開催され、我らが音羽台チームからは2題が選出されています。高齢者分科会では「摂食嚥下機能評価の視点から高齢者を観る」という演題で、施設ケアマネと管理栄養士が発表。シンポジウムでは、「地域における医療と福祉の連携」とうい課題で、居宅ケアマネの管理者が壇上に立つことになりました。
本番前に施設で、プレ発表を4回!行い、準備万端で、九州に向かいました。発表は、やればやるほど良くなることを再確認いたしました。
さて、私はというと、グループ本部の研修委員会ということで、九州にお供で付き添い。仲間には申し訳ないけれど、ややお気軽な感じ。


羽田からは、スターフライヤー初体験。

これが、豪華で驚き。我が故郷行の、某北海道路線とは趣が異なる感じ。椅子が皮。

福岡空港からは、電車です。

これまた、居心地の良い感じ。「九州の乗り物はすごいね~」と一同、関心しきりでした。

そして、駅から、現地まではタクシー。

マニュアル車であることを誇りに思い、何度も「マニュアルの車ば乗れんのはいかん」(同感です)と、何度も仰る運転手さんに出会い、やや車酔いを感じながら、車内の窓に貼ってあった「値段交渉は違反行為です」のステッカーに文化の違いを感じ、「九州のタクシーでは、ワイルドな行為が見られるんだね」と一同、関心をしておりました。

さて、それぞれが現地での委員会や見学に参加し、その夜は、前夜祭。内容は、ここには書けません。

一夜明け、発表会場に一同向かいます。


会場の前で、発表者のみの記念撮影。パシャリ。


基調講演の後は、さあ、いよいよ発表です。

かなりの人数の前で、緊張はしていましたが、素晴らしい発表をさせて頂きました。
拍手も一番大きかったし、質問も一番多かった(当社比)。本当に素晴らしかった。内容のまとまり、メッセージは会場に伝わったと胸を張って言えます。質問にも、自信をもって答えていました。


続いて、シンポジウム。

こちらは、さらに持ち時間が長く、会場の人数も多くなります。並みの心臓では、ここには立てません。
ここでも、音羽台の居宅ケアマネの発表は素晴らしく、一番拍手が多かった。一番、堂々としていました。

終了後の安堵と笑顔。


素晴らしかった。

介護マネージャーの齋藤さんも、ビデオ係で頑張りましたよ。


その日のうちに帰宅。懇親会に出たかった…


来年は、東京大会です。
今年一年を通して、ユニットごとの事例発表を実施しています。来年は、この発表の中から選ばれる予定です。
今年、発表した方々、本当にお疲れ様でした。
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法人研修 4年目研修なるもの

2015-11-10 12:06:23 | 相談員 日記
相談員の高橋です。

怒涛の更新ラッシュ(笑)。取り戻します。

翠会ヘルスケアグループには「4年目研修」なるものが、ございます。今年は、引率係として参加。実は、初参加。


就職4年目は、目標を失いがちな時期です。チームワークについて学ぶ機会を通じて、モチベーションの向上を図ることが狙いです。就職4年目の方々が、各事業所から集まり、ANAの整備工場見学、ANAの理念、チームワークについて学び、グループワークで参加者お互いの思いを共有して研修は終わります。

場所は、羽田空港近くのANA整備工場。ものすごく広い敷地。整備工場では、今まさに整備をされている飛行機を見ることができます。山のように写真を撮ってきましたが、残念ながら、ブログでの使用は禁止でした。男の子は、興奮です。間違いない。

ここでANAの安全理念についてご紹介。
「ANA 安全理念」ANAは、安全で快適な空の旅のため、品質の向上に努めます。
①リスク管理を行うことで、リスクを受容可能なレベルまで低下させ、その状態を維持すること。
②安全とは、日常的に脅かされている危険に対し、組織が抵抗力を持っていること。

安全理念を実現するために、すべてのセクションでは統一した理解をもっています。

整備スタッフは…
ANAブランドの基盤を守っている自覚。

グラウンドスタッフは…
ANAの第一印象という自覚をもって業務にあたる自覚。

キャビンアテンダントは…
旅の始まりと終わりを快適に過ごしていただくことの自覚。

パイロットは…
命を預かる大切な仕事としての自覚。

それぞれが、理念の実現という目標を成し遂げるために、自覚をもって業務にあたっています。

向上見学、リスク管理のマネージャーからのお話のあとは、ランチをはさみ、グループワーク。
お題は「チームワークとは」と、これだけ。
これが難しい。さまざま職種が参加しています。医師、看護師、PSW、MSW、SW、介護職員、保育士…立場は違えど、ワークは盛り上がっていました。
・他の職種を知り、尊敬できること
・自分の立ち位置を理解し、自分のなすべき事をすること
・情報の共有のための、話しやすい雰囲気つくり
・思いやり
・助けっぱなしの助けられっぱなし
・目標を共有する
・何のため、誰のための目標なのかを確認する
・挨拶からはじめる雰囲気つくり

などなど、たくさんの意見がでました。
参加した方々は、思いを共有し、明日からの業務に励んでおります。
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