腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

スペランカーコレクション(VITA版)

2018年07月31日 02時10分15秒 | PS VITAゲーム感想文
【ハード】PS VITA
【メーカー】Tozai Games
【発売日】2013年4月25日
【定価】1234円(DL専売)
【購入価格】0円(PSプラスフリープレイ1807)
【プレー時間】9時間

今年は、比類なき「スペースインベーダー」の発売から40周年である。……マジで? いや俺も信じたくないんだけどさ。
日本ゲーム業界は、実質的にはインベーダーブームから始まった。その数年後にはファミコンが登場し、普及は加速していく。
それから数十年。現在では「ゲーム」は文化・娯楽として完全に根付いている。社会にすっかり容認された。……多分、な。
そして認知度が上がったゲーム文化には「国民的ゲーム」が幾つも生まれた。マリオやドラクエ、ポケモン等である。
国民的と言う以上、「国民の大半が知っている」と断定していい。プレー経験がなくても、誰もがキャラや絵を頭に描ける。
本当に「有難い」ことである。ゲームに興味ある者が知っているのは当然。でもそうでない人間も知っているのだから。
ぽっと出の人気では「国民的」にはなれない。突出した品質を、それも長く提供し続けてやっと成し得るのだ。
それだけに、この立場を得たゲームは、凄まじく「強い」。当たり前だ。何十億の宣伝費に勝る認知度が既に存在するのだ。
比類なき我が国最強のゲーム達には、これからも業界を引っ張ってほしいと願って止まない。……盛者必衰? 知らん。はぁ。

で。マリオやドラクエを「表」国民的ゲームとするなら、「裏」も存在すると思う。尤もこちらは国民的とまでは言えないか。
広く一般的とまではいかなくても、ゲームにちょっとでも興味ある者なら誰もが知っている……「共通認識」ゲームのことだ。
例えば、メタルギアソリッド。このシリーズは国内でミリオンを売ったことがなく、「国民的」には遠く及ばない。
だがスネークのキャラや「ダンボールに隠れる」といったネタは、ゲームやる人間なら誰でも知ってる。断言出来る。
例えば、逆転裁判。4が最盛期で、それでも100万本未満のシリーズだ。ジャンル的にも正直天下を取れるものではない。
だが成歩堂が指を突き付け「異議あり!」と叫ぶ姿は、ゲームを知る者なら誰でも頭に浮かべられる。抜群の認知度だ。
これらが定着したのは、やはりインターネットの力である。ネットで頻繁にネタにされることで、誰もが知るに至った。
これもまた非常に有り難く、大切な存在である。趣味が細分化されまくってる現代、「誰もが知ってる」がどれだけ強いか。
今後も「皆のネタ」として活躍を願う。……そのためにはシリーズを続けて貰わんと。うーん。そこは何とも言えん……。

「スペランカー」である。今更説明するまでもない、「裏」国民的ゲームの一つだ。ゲームに触れる人間なら誰もが知っている。
元祖は古のPCだが、誰もに知られているのはもちろんファミコン版だ。他にアーケード版もあるが、こちらは逆に誰も知らん。
また後に続編も出ているがほぼ別物で、人気もない。「スペランカー≒ファミコン版」と言ってほぼ間違いない。
メタルギアや逆転裁判がシリーズで認識されているのに対し、こちらは単品での知名度だ。そう考えると両者より凄いと思う。
では、何でそんなに有名なのか? ……だから、説明するまでもないつってんだろ。「弱さ」だよ。弱いんだよスペランカーは。
曰く「ゲーム史上最弱の主人公」。腰の高さから落ちて死、下り坂をジャンプして死……その弱さ伝説は枚挙に暇がない。
ゲームにはバランス調整があり、別作品キャラの強弱なんて本来比べられない。……が、スペランカーはそんな次元じゃない。
「現実の人間でもこの程度じゃ死なないよ」と言いたくなるレベルで死ぬ。この弱さで何故洞窟探検をするのか不思議な程に。
表国民的ゲームの代表作であるマリオがどんな高さから落ちても死なないことも、スペランカー伝説を強めた一因だと思う。
インターネットとの相性も抜群で、21世紀に入ってから伝説として地位を築き上げた。古くて新しい共通認識である。
プロ野球ファン(のネット層)にはすぐ怪我をする選手を「スペ体質」と揶揄する文化もある。それで瞬時に意味が通じる。
言うまでもなく、非常に偉大な存在である。スペランカー(の弱さ)、これからも語り継いでいこうナリ。……。

そんで、「スペランカーと俺」なわけだが。無論存在もネタも知ってる。ファミコン時代から知っていた。
……けど、プレー経験は、まさかの無し。触れたことくらいはあったかもしれんが、ちゃんとプレーはしていない。
ファミコン時代、俺自身は当然買っておらず、また周囲の友人も持ってなかったのだ。故にプレーする機会がなかった。
今作は超有名ではあるが、出回りはそれほど良くない。「ファミコン世代の共通体験」には遠く及ばない印象だ。
あの頃の人脈を伝えば有名タイトルは大抵プレーできたもんだが、今作には届かなかった。まぁやりたかったわけでもないが。
認知度についても、当時から「すぐ死ぬ」については知られていた……と思うが、今ほどじゃなかった。記憶が怪しいが。
スペランカーの知名度が爆発的に上がったのはネット普及後で、ファミコン時代はそうでもない……というのが俺の見解である。
ちなみに、日本のネット黎明期には「クソゲー」ネタが人気で、これもスペランカーの名を広めるのに効果的だったと思う。
異論も多いが今作は実際のとこクソゲーとしても有名だからな。いや寧ろそっちで有名なのか? まぁ気持ちは分かる。

てわけで俺はスペランカーを体験せずにこの年まで生きていて、それが微妙なコンプレックスだった。大袈裟かな。
今ではVCでも配信されており、やろうと思えばやれる。のだが、「わざわざ」手を出すほどの興味があるわけでもない。
プレーはせずともBGMなんかはキッチリ耳に存在しており、何となく「それでいい」という感覚もあった。いやよくねーよ。
そこに「スペランカーコレクション」PSプラスフリプ提供がやって来た。これはいい。完璧な「機会」である。
丁度今VITA熱が高めなこともあり、早速やってみようという気になった。30年以上遅れて、今俺のスペランカーが始まる!!
……まぁコレクションの中身がどういうものかは知らずに始めたんだけどね。つまりファミコン版があるとは知らなかった。
てっきり版権的にファミコン版は無いものかと。ンなわけないか。そんなの出す意味がないもんな。

スペランカーコレクションはVITAとPS3で発売されており、フリプにも両方ある。ここは手軽さでVITA版を選択した。
収録されているゲームは4本、「オリジナル」「ファミコン版」「アーケード版」「アーケード版続編」である。
オリジナルは、古のPC版だ。プレーどころか見たこともない人も多いだろう。一番「貴重」な一本だと思う。
ファミコン版は誰もが知ってるアレだ。ただファミコンという名前を出せないので、「コンシューマー版」と呼称されている。
アケ版はファミコン版の人気(そこそこあったんだよ)を受けて作られたらしい。ハッキリ言って今まで存在を知らんかった。
その続編は輪をかけて知らんかった。……つーか続編を入れるのはおかしくね? だったらファミコン版の「2」は?
うーん。それに加え、当時の資料が見られるミュージアムモードがある。これはプレー結果により充実していく。
それとプレータイムや得点を他者と競う要素もあるが、それは興味ないからいい。俺はただスペランカーをやるだけだ。
取り敢えず、やはりというか、「基本」であるファミコン版からやってみることにした。何ならそれだけでもいいし。
以後、やる気があれば他バージョンもやってみよう。ともあれ、スペランカーだ。数々の伝説を、今この目で確かめる!!


◯スペランカー(ファミコン版)

じゃあ、早速やってみよう。軽く説明書は読んだが、基本はジャンプアクションだ。後はやってから理解していけばいい。
動画等でよく聴いて「知ってる」BGMからゲームが始まる。いいね、この曲。スペランカーといえばこれだ。スタート!

テーレッテテレテレ(ステージBGM)テンテテンテテンテテンテテッテンテ(死亡BGM) 
テーレッテ(ステージBGM)テンテテンテテンテテンテテッテンテ(死亡BGM)
テーレ(ステージBGM)テンテテンテテンテテンテテッテンテ(死亡BGM)
デロデロデロデロデー……(ゲームオーバーBGM)

……俺の初スペランカー、数十秒で終了。いやマジで。こんなの、他ゲーじゃやろうと思っても不可能だよ。
そして一瞬で理解した。伝説はネタでも何でもなく本当だったと。今作はガチガチのガチで「すぐ死ぬ」のだと。嗚呼。
更に死亡後は近場から即座に再開される。無敵時間サービスがわるわけでもないから、同じ様なことをすればまたすぐ死ぬ。
残機制で、スタート時は3人。故に3回死ねば終了。ちなみにコンティニューはなく、ゲームオーバーイズ全部パー。
いやー……なんて恐ろしい。手を出すべきじゃなかったか? 正直後悔した。それほど衝撃的な初プレーだった。

いやー。いやー。ちなみに一瞬で死んだのは「最初のリフトから地面に向けて歩いた」からである。そしたら落下死した。
リフトと地面の間は、ゲーム的に5ドット程度。普通のアクションならジャンプせず歩いても大丈夫っぽい隙間だ。
けどこのゲームでは律儀に落ちて死ぬ。でもこの隙間はまだ「広い」方で、非常に狭い隙間でも、ジャンプせねば落下死する。
「伝説」である高さの落下死判定だけでなく、他にも様々な部分で「他ゲーの常識」が通用しない。これには驚かされた。
ゲームには歴史があり、歴史があるから積み重ねがある。俺の中にも30年以上やり続けた「ゲーム常識」が備わっている。
今作をやるならまずそれを忘れ、「スペランカーの常識」を叩き込む必要がある。初プレーからそれがひしひしと伝わった。
見た目は実によくあるファミコンジャンプアクションだが、実際は非常に独特である。なんせ常識が通用しないんだから。
じゃあスペランカーの常識を叩き込むには? ……死ぬほど死ぬ、しかなかろう、やり続けて、身体で覚えるしかない。
厳しき千本ノックが始まった。一体何度テンテ(略)を聞いたのか、思い出したくもない……。

死ぬ。死ぬ。死んで死んで死んで。テンテテンテテンテ。あああああー!!! な、なんというシビアさなのか。
繰り返すが、伝説に誤りは何一つなかった。スペランカーはすぐ死ぬ。ほんとすぐ死ぬ。史上最弱の主人公である。
「え、これくらいで?」を何度口にしたことか。そう、これくらいで死ぬ。虚弱体質というか、人間とは思えんくらい死ぬ。
移動速度は速く、ジャンプもなかなか綺麗で高い。身体能力は十分にあるはずなのだ。なのに何故、こうも死にやすいのか。
まぁそんな考察はもちろん無意味だ。「ゲームだから」、正確には「このゲームだから」が理由である。そういう調整なのだ。
今作は無論クリア不可能などではない。ちゃんと最後までやれる。その上で最高の面白さを提供すべく、調整を加えた。
意図があってのことなのである。「このゲームではこれが適切」と判断された上での調整なのである。……多分。
まずそこを理解しよう。理不尽だとは思う。けど「そういうもの」なのだ。死ぬ行動を取らなきゃ死なないし。なんじゃそら。
今作を攻略するには、「死因」がどういうものかをまず徹底的に身体に叩き込む必要がある。無論、星の数ほど死にながら。
相当、しんどいゲームである。さすがは伝説の一本だ。しかし俺もファミコン世代の生き残り。負けるわけにはいかんのだ。

……ぬぅ。うーん。それでもなぁ。ちょっと死にすぎる。そして、ゲームオーバーになると、最初から。
コンティニューがなく、残機は3。そしてシステム的に、ドツボにハマると連続してあっと言う間に残機が溶けていく。
すぐにどうにか出来るとは思っていないが、さすがに異常なほどの速死とやり直しにウンザリしてきた。ファミ魂、弱り気味。
俺の言葉で言えば、今作は純粋難度が高いようで、実は再起難度が高いのだ。いやもちろん純粋難度も高いけど。
純粋難度を克服するには、何はともあれ反復だ。同じ死を何度も繰り返すことで徐々に上手くなり、やがて突破する。
しかし3回死ぬ度に最初からやり直しでは、そもそも難所の再挑戦に至るのが大変だ。それでは気持ちが萎えてしまう。
今作の「瞬死」「連死」っぷりは凄まじく、一旦崩れるとあっという間にゲームオーバー、最初から。……はぁ。
俺はファミ魂を持つファミコン世代だが、同時に今を生きる軟弱現代人間である。こんなしんどいのやってられない。
何事もバランスである。死とやり直しはいい。でも「進行」がそれに伴わない。心が折れそうになってきた。

そこでふと気付いた。このコレクションには通常モードとは別の「フリープレイ」モードがあることに。
フリプといってもゲーム内容は通常と変わらない。では違いは? ……何とこのモードでは、セーブ&ロードが可能なのである!
そう、現代エミュゲーでは常識の「どこでもセーブ&ロード」である。現代に蘇ったスペランカーにも搭載されていたのだ。
これを使えば、どんなに難しくてもクリアーなど造作もない。こまめにセーブし、死んだらロードしてやり直し。それだけだ。
ちなみにこのモードではランキング登録が出来ないのだが、そんなもんどうでもいい。俺はスペランカーのプロじゃない。
これで一気にゲームが楽になった。死んでもすぐに何度でも再開可能。はっはっは。現代技術ありがとう。過去よさようなら。

……分かってる、分かってるよ。こんなことでクリアー? アホか。分かってる。これはあくまで「仮」プレーである。
正面からやっててもあまりにすぐ死に、一生最初からやり直すことになる。これはしんどい。正直それでは折れてしまう。
だからインチキでいいから取り敢えずゲームをクリアーしてみて、スペランカーを体に馴染ませるのだ。攻略はその後にする。
いや、これが攻略だった。死んでもオッケーとなれば確かに気は楽になったが、無論ゲーム難度に変化はない。死にまくる。
けどアホほど死んでいくと、やがてこのゲームのことが何となく見え始めたのだ。クリアーに至ると、かなりハッキリ分かった。
アクションゲームの常識が通用しないアクション、スペランカー。得体の知れない今作の姿が、ようやく掴めてきたのである。

俺が思うに、今作をプレーするには「助走の概念を捨てる」必要がある。これはアクションゲーム的意味での助走な。
マリオがそうであるように、横スクアクションにはシステム的に「助走」があるものが多い。距離を稼いで、遠くへジャンプ。
このせいで、助走不要のゲームであっても、飛ぶ前に十分距離を取る癖があるのは俺だけではあるまい。まさに刻まれた常識だ。
……その常識が、スペランカーでは仇になる。まず今作主人公のジャンプは常に一定で、助走があろうとなかろうと関係ない。
だから助走は無意味なのだが、それを理解していても精神的理由により助走をしたがるプレーヤーは多い。俺とか。
それこそが、罠だった。今作においては助走はしちゃいけなかったのだ。それに気付くまで一体何度テンテ(略)を聞いたか。
というのも、今作は「手前足場」がとにかく狭いのである。これは説明が難しいが、「穴の手前の歩けるところ」と言うべきか。
穴がある。それをジャンプで飛び越えようとする。けど他ゲーと同じ感覚でやると、今作の場合大抵穴に落ちてしまう。
穴だけではない。ロープからロープへジャンプでしがみ付くという場面でも同じだ。他ゲー感覚だと、ロープからずり落ちる。
「穴手前の足場」が非常に狭いのである。故に助走をつけて飛ぼうとすると、面白いように落下死テンテしてしまうのだ。
じゃあどうするか。「キーとジャンプボタンを同時に押す」である。これである。これこそがスペランカーの真髄だ。
他ゲー感覚だと、どうしても「先にキー、次にジャンプ」とやってしまう。助走の概念が頭にあるからだ。長年の蓄積として。
捨てろ。かなぐり捨てろ。ジャンプはその場から、横と同時に。怖くはない、勇気を出せ。お前はスペランカーなのだぞ!?
……は。とにかく、やっと掴んだ。キーとの同時ジャンプ。こうすれば、そうそう落ちない。死なずに進めるようになってきた。
そうしたら? あら不思議、だんだん面白くなってきたのである。この超有名なクソゲー様がよ。

今作の主人公はアホほど死にやすいが、一旦「死のライン」を理解すれば、少なくとも納得行かない死は発生しなくなる。
当たり前だが今作もゲーム、極めてデジタルに作られているのだ。スペランカーとて死ぬ行動を取らなきゃ決して死なない。
ではゲームに慣れ、ジャンプの真髄を掴んだら? ……ふっふっふ、進める進める、ガンガン進めるよこのゲーム!!
つっても不意の死はどうしても発生するもの。しかし今作は意外とエクステンドの機会が多く、残機は増えやすい。
瞬死・連死を起こさない限り、時々「ミス死」が起きる程度では、そうそうゲームオーバーにならないのだ。マジで。
そしてスペランカーの挙動は死なない限りかなり快適で、ヒュンヒュン進める。……ハッキリ言って、気持ち良い。
あー。今作をクソゲーと評する層がある一方、「いや面白い、寧ろ名作」とする声もある理由がよく分かったわ。
天の邪鬼的な発言(それもあるかもしれんが)だと思っていたが、確かにこれは、面白い。キッチリと「掴め」れば。
まぁそら、現代でも通用するほどの高品質とは言わん。ファミコン初期相応の面白さだ。今やる価値があるとも言えん。
でも「あのスペランカーをピョンピョン飛ばせ、どんどん進められる」快感は、何とも表現し難いものがあった。
今になってやった価値は十分あった。是も非も、耳にした噂が全部真実だったってのも面白いもんだな……。

あと今作はマップ構成が高品質だと思った。ゲームは「鍵」を入手し、それを使って扉を開け、面クリアーするのが目的だ。
他にも得点や攻撃アイテムがあるが、必須なのは鍵と進行上必要な爆弾だけ。それ以外は取るも取らんも自由。
拘るなら得点目当てに全アイテムを取っていってもいいし、最速クリアー目指して必要最小限で進むのもいい。
だが最速クリアーを目指しても超絶ショートカットのようなものはなく、きちんと難所を難所としてこなす必要がある。
今作の真髄「キーとジャンプ同時」を掴めば死ぬことは激減するが、それでもミスは起きやすい。ジャンプ時は緊張する。
どんなに上手くなってもハナホジプレーは出来ない。適度な緊張感と快適な進行を楽しめるマップになっていると思う。
全4面だが、ステージの区切りはなく、連続している。ゲーム全体が一つの洞窟探検というコンセプトを上手く作っている。
ボリュームはそんなになく、何度もやって(死んで)いれば、自然と必要アイテムの位置は覚えられる。
今作はランダム要素が「幽霊」くらいで、他の要素はほぼ固定。それでいて規模は小さく、クリアルートはすぐ頭に入る。
つまり今作は「覚えゲー」なのである。そしてこの作りは緊張感あるアクションと綺麗に噛み合っていると思う。
慣れれば十数分で1周が可能だ。それでいて毎回ダレることはない。「一日1スペランカー」みたいなのもいいかも?
まぁちょっと褒めすぎかもしれんが、想像以上に噛み合ってるゲームであることには感心した。これは事実である。
少なくとも唾棄すべきクソゲーではないよ。つっても、唾棄したくなる気持ちも十分分かるんだけどな……。

んでゲームに慣れてからは、サクッとクリアー出来た。さすがにノーミスとはいかんが、今後も可能であろう。
なのでもうオッケーではあるのだが……今作は周回要素がある。2周目以降は鍵がちょっと隠されているらしいのだ。
つってもホンの少しの違いで、覚えゲーの枠を外れるものではない。4週目までは殆ど1周目と変わらんらしい。
……なら、決定。3周クリアーまではやる。そうすりゃ俺も「スペランカーをクリアーした」と言えるだろう。
はい、サクッとやり遂げました。やることは同じだからね。完全にスペランカーが手に馴染んだ今の俺には余裕だった。
ふっふっふ、人間、成長するもんである。……とか調子こいてたら連死が訪れるゲームなんだけどね。油断禁物。
4周目からは鍵取りにアイテムが必要になったりで、ゲーム性がかなり変わる。そこまでは正直興味ないからやる気ない。
何十周、中には256周した人もいるらしいが……マジかいや。世界一強いスペランカー愛を持つ人だな……。

今作は「敵」が少なく、何と二種類しかいない。コウモリと幽霊。よう分からん構成である。
コウモリは特定の場所を延々飛んでいて、一生フンを落とす。非常に多量に頻繁に。フンに当たればもちろん死ぬ。
飯食わずにあの量と頻度のフンを出すコウモリ……立派にモンスターだな。あと羽音が超うるさい。超耳障り。
コウモリは信号弾で倒せるのだが、一定時間ですぐ復活する。不死身である。スペランカーとはえらい違いだ。
だがフンを見切れば(嫌な表現だ)サクッと通り抜けることも可能。一定距離以上は動かないので、通り抜ければ問題ない。
幽霊は今作唯一のランダム要素で、いきなり登場する。幽霊らしくオブジェクトをすり抜け、スペランカーに向かってくる。
迎撃方法は、何と銃。パンパンて。霊銃? しかも幽霊との距離が近ければ、向きは一切関係なく当たる謎の高性能銃だ。
幽霊は簡単に倒せるんだが、ゲームのテンポを邪魔しているので、今作で唯一「無駄な要素」と思った。うーん。
グラフィックは、まぁファミコンクオリティ。スペ氏の姿がマリオと似てる気がするが、もしかして影響ありなのかな。
音楽は「ステージBGM」「死亡BGM」が9割というか、非常に耳に残る。一生忘れないメロディとしてこれからも活躍してくれ。
マイナー(?)な曲として、面クリアーファンファーレがある。これを頭に残さないとスペランカーとは呼べんぞ。
あと1UP時の曲が、まるで逆に死んだ時のように暗く、笑っちまった。テンテテンテが明るいから正反対にしたのかな。
4面クリアーすると、お宝の山を発見し、スペ氏大喜び。良かったね。ファミコン時代の遣り残しを、一つ遂げられた……。


◯スペランカー(アーケード版)

ファミコン版だけでお腹いっぱいな感じだが、残りもやる。取り敢えずアケ版第一作。
ファミコンからの逆移植という形だが、そのゲーム性は全く違う。まず何と言っても「落下死がない」!!! マジで。
アケ版ではどんな高さから落ちても平気。まぁファミコン版まんまのバランスなら、3分ならぬ30秒100円ゲーになるからな。
つってももちろん死に要素が新たに追加されていて、アケ版は「敵」が多い。敵に触れると即死で、つまりそういうことだ。
ファミコン版のようにコツを掴めばスイスイということもなく、「100円3分」のアケゲー哲学で作られているゲームである。
だが「覚えゲー」であることは守られていて、敵の攻略をキッチリ出来れば1コインクリアーも可能ではある。と思う。
スペ氏はファミコン版より随分丸くなり、よりマリオに近付いた印象だ。あとステージBGMが随分コミカルなものになった。
ファミコン版からはえらく様変わりしたが、これもまたスペランカー。……なのだろう。公式商品だし。多分……。

んでやってみたんだが……ぶっちゃけ、面白くない。「死にまくり」はファミコン版と同じだが、こちらは事情が違う。
とにかく敵が多い上、避けるのにも倒すのにも手間がかかり、進行がスムーズにいかない。テンポがよくないのだ。
1面はまぁやれるが、それ以降は「ここで死んでね」という意図ばかりが見えてしまう。まぁアケゲーはそういうもんだが。
「伝説を確かめる」という動機のあったファミコン版と違い、こちらに思い入れは何もない。俺はアケ魂は持ってないのだ。
でもクリアーだけはしたい……となると、実はアケ版にはファミコン版にない武器があった。コンティニューである。
アケゲーとは「一定時間で殺す」思想で作られるものだが、逆に金さえ積んでくれるなら幾らでも遊ばせてもらえる。
そして今の俺はエミュで遊んでいる。つまりクレジットなど入れ放題。無限の100円玉があるのだ。はっは。はっはっは!!!
……虚しいし情けないけど、それで行った。「頑張って攻略する」気にもなれず、もうほんま特攻精神で突っ込んでいった。
今作の敵は倒すと復活しない奴も多く、それはコンティニューしても継続する。つまり玉砕戦法にも意味があるのだ。
いやホント、情けなく酷いプレーだった。でもいい。只管仮想通貨を仮想筐体に突っ込み続け、やがてクリアー。
目的は達したが、もう二度とやりたくはない。アケ版が無名だった理由がよく分かった。これじゃ厳しいだろう。はぁ。


◯スペランカーⅡ 23の鍵

アケ版から1年後に発売された続編。……と言っても、コンセプトもグラフィックも流用(多分)した安上がり続編だ。
何となく「ダブルドラゴン」とその続編を思い出す関係だ。そっちの方が後だけどな。まぁ、好印象は抱けない。
とは言ってもゲーム性はかなり変わっている。前作と違い、落下でノーダメージではない。即死でもないが。
今作はスペランカーとしては初めて体力ゲージを採用(酸素ゲージは以前からあったが)し、それが0になると死ぬ。
んでこれが従来の酸素と同様時間で目減りするだけでなく、不用意な落下や敵への接触でも減るのだ。んで0で死ぬ。
即死から体力制へ……何となく、ゲームシステムが近代化しているような感じがする。まぁこれは改良としておこう。
舞台は相変わらず洞窟。「スペランカー」の意味が洞窟探検家だから当然か。ゲーム業界は洞窟に夢を見るからな……。

してこの続編、残念ながらまたしても面白くなかった。ファミコン版以外は外れ続きでかなりガッカリである。
というのも、体力制にしたのはいいとして、その減り方が出鱈目なのだ。特に敵に触れると一瞬でガン減りしていく。
落下での減りももちろん痛く、時間による減りも健在。回復アイテムが決められた場所に決められた数しかないのも従来通り。
ハッキリ言って即死制よりも死にやすくなってる。敵に触れてからの体力ゲージ減少速度が尋常じゃない。即死と変わらん。
また落下でも減る(何故か着地時ではなく落下中に)ことから、操作に殊更気を遣う必要がある。前作とは違う。
といっても「緊張感がある」わけではなく、前作で楽が出来たところを禁止され、でもメリットは何もないという形である。
アケゲーの続編だけに前作より難度を上げるのは分かるが、それに見合う快感があるどころか不快感増量だからやり切れない。
また、前作にも少しあった「謎解き」要素が今作は大幅に強化され、進行上必須の場面も増えた。解けなきゃ先に進めない。
だが謎解きと言っても根拠も何もない当てずっぽうタイプである。俺の嫌いなやつだ。「ドルアーガの塔」の影響かな。
そんな極端に理不尽なものはなく、概ね色々やっていれば発見できると思う。でもやはり根拠なき謎解きは納得がいかない。
何でそこでジャンプしたらロープが垂れてくるんだっていう。ゲームだから? それを言っちゃぁお仕舞いよ。はぁ。

今作は前作に輪を掛けてやる気が湧かなかったので、クリア動画を見ながらルートをなぞるという最低プレーに徹した。
でも別に悪いことした気はない。これに今真面目に取り組むのは俺にゃ無理だ。現代の知恵、仮想通貨コンティニュー。
ちなみにEDでは、何とお姫様と結婚する。どうも地下王国の姫らしい。スペ氏、今回は最初からそれが目的だったようだ。
前作で金を手に入れたから、次は女か。なかなか俗っぽくてええぞスペ氏。続編では家を探すってどうよ。地下で。
……そのまま地下王国に住んだらええんか。スペ氏、慣れ親しんだ地下で生涯を終えましたとさ。めでたしめでたし。はぁ。


○スペランカー(オリジナル版)

最後はこれ。本来は最初にやるべきだが、まぁ「主役」はファミコン版だから勘弁。元祖に対する敬意はあるつもりです。
ファミコン版より2年ほど前に当時のPCで発売された。当然ながらPCスペックは非常に低く、表現は冗談のようにヘボい。
スペ氏は何故か緑色で、顔は判別できない。効果音はあるがステージBGMはなく、プレー中はかなり寂しいことになる。
コンセプトはファミコン版に受け継がれているが、プレー感覚はまるで違う。ファミコン版は「移植」ではない。
どうにもスペ氏の動きが鈍重で、キビキビ感には程遠い。またマップがかなり広く、複雑な作りになっている。
ファミコン版は覚えれば簡単(記憶という意味)に一筆クリアー可能だが、オリジナルはちょっと無理だろう。相当ややこしい。
それとオリジナル版はファミコン版ほどではないが、かなり死にやすい。……元祖より死にやすくしたファミコン版、凄いな。
「助走厳禁」の思想はこの時からあるようで、同時入れをしないと垂直落下多発。黎明期のゲームはこうだったのかもしれんな。
鍵集めや爆弾で岩破壊といった要素は同じ。よってファミコン版を知っていればプレーは可能。なので、やってみた。

……うーむ。ごめんなさい、面白くない。いやもちろん、時期は考慮している。35年前だぞ? ゲームってだけで偉いのだ。
しかし今プレーするとなると厳しいと言わざるを得ない。操作感覚もそうだが、マップの複雑さでかなり気持ちを削がれる。
まぁ当時はこれくらいマッピングするのが当たり前だったのだろう。……ごめんなさい現代っ子で。楽を覚えた人類で。
というわけで、これも動画なぞり最低プレーとなった。プレー(クリアー)動画があることには驚いた。世の中広いのう。
更にコンティニューがないから、セーブ&ロードしまくりである。見苦しいったらありゃしない。完全に作業だった。
完全に「負け」だが、やればやるほど「これを自力でやるのは、不可能ではないが気力が持たん」と実感したので、後悔はない。
中盤以降が非常にかったるかった。マップの複雑さによりファミコン版よりボリュームがあると言えるが、褒め言葉にはならん。
この元祖をプレーして、寧ろファミコン版の質の高さに感心した。エッセンスを残しつつ、非常に高品質にアレンジしている。
ファミコン版製作者は元祖をプレーしてハマり、感動し、版元に交渉し、晴れて権利を得て移植を実現したらしい。いい話だ。
元祖をリスペクトしつつ、それを超えるアレンジ移植を実現した。忠実な移植も可能だったのにしなかったのがイカスよな。
……そのアレンジに「これくらい死にやすい方がいいだろう」も入ってるのが何ともアレだけどな。いや、いいんだよあれで。
まぁ「伝説の原点」に触れられて良かったとしよう。もう一度やりたいとは思わないが、仕方ない。時代が違うのだ……。


トロフィー。頑張ってコンプリートした。まぁ大半は各タイトルをクリアーすれば取れるから、ある意味苦労はしていないが。
「ファミコン版ノーミスクリアー」だけは厳しいので、例のセーブ&ロードでインチキ取得した。クリアーはしたから別にいい。
で。今作はVITAとPS3で発売されていて、内容は全く同じ。こういう場合、トロフィーも二本で共通になるものなのだが……
何故かPS3版と別トロフィーだった。取得条件は殆ど同じで、2個ほど違うのがある。正直何故別々にしたのか理由が分からん。
けど。これは、PS3版も取るしかなかろう。やることは同じなのだから、VITAでやれたらPS3でもやれるはずだ。
はい、やりました。ファミコン版以外の3作をもう一回やるのが一番大変だった。それ以外は詰まることなく。ふっふ。
俺はもう完全にスペランカーをプレーできる人間になれたのだ。誇らしい。……他3作からは目を逸らす。興味がないんだよ!
トロフィーコレクションにVITA版PS3版が並び、どちらも100%。ぬっふっふ、これだよなぁ。満足である。よくやった俺。

ミュージアムモードでは、進行状況に合わせてスペランカーに関する色んな資料を閲覧できるようになる。
製作ノートやアケ版のインストカード等、貴重な逸品が見られてなかなか楽しい。人の手で創られている。どんなゲームも、な。
中でもファミコン版製作者「スコット津村」氏のコメントは必見。作った当時の心境が語られていて、興味深い。
無論氏はファミコン版が「伝説のクソゲー」扱いされていることも重々知っている。それでも尚誇らしそうだった。ええな。
実際にプレーしてみて、死にすぎ度は問題ありだが、見るところも多々あるゲームだとよく分かったよ。十分に遊べる。
言ってしまえば、コンティニューさえあれば良かったと思う。無制限がダメなら、せめて3回。それもエクステンドありで。
そしたら再起難度が下がり、プレー意欲を大いに促進したのではなかろうか。まぁ今更言っても虚しいことだが。
俺は今回、練習においてはズル(コレクション版に搭載されてるんだから違うっちゃ違うが)したが、本番もちゃんとやった。
コツさえ掴めば、別に難しいゲームじゃない。寧ろファミコンゲーとしては簡単な部類かもしれない。……言い過ぎか。
今作のフリプ化で、俺と同様伝説に触れる人はどれくらいいるだろう。……「知ってるけどプレーはちょっと」かなぁ……。


ふぅ。スペランカーは近年「みんなのスペランカー」なる多人数同時プレーものが発売されている。らしい。
どういうものかはよう分からんが、正直画面写真を見ただけで「違う」と思った。多人数プレーに興味ないし、これはパスだな。
出来れば純粋な続編(無論ファミコン版の)を望みたいとこだが、それはない。今更出してもネタにはなっても金にはならない。
何よりファミコン版は、完成されている。「こうすれば」と思うのはコンティニューくらいで、他はバッチリ決まっている。
実はとても完成度の高いゲームである。もちろん「完璧」でも「最高」でもないが、見事な「ファミコン版スペランカー」だ。
ネタ方面でばかり有名だが、キッチリやった者にはちゃんと良さが分かる……実にいいではないか。ある意味非常にオタ向けだ。
死にまくりクソゲーという評も、別におかしいとは思わない。死にまくりは事実だし、あんだけ死ねばやる気が失せるのも道理。
しかしそこを我慢して頑張れば、やがてテンポと緊張感のあるコンパクト覚えゲーを楽しめる。真の「スペランカー」を。
……うん。けどこれは、語り継がなくてもいいか。知っている人は知っている。やった人だけ分かっている。それでいい。
一般ゲームファンはネタとして楽しみ、ゲーム性を知るスペランカーファンはそのことでニヤリとほくそ笑む。……性格悪。
実の所、最近ちょっと影薄い気がするので、スマホ化はどうかな。受けないかな。いや残機課金はなしで。それは洒落にならん。
まぁいい。比類なき"伝説"のゲーム・スペランカーがこれからも語り継がれることを願って終わり。テンテテンテよ永遠に。

……スペランカーって、正確には「趣味の洞窟探検家」て意味らしい。つまり彼、仕事でやってんじゃないのだ。驚いた。
あんなクソひ弱なんだから、周囲に散々止められているはずだ。それでも「いや、僕はこれが好きだから」とやっている。
文字通り命をかけて。スペランカー、身体は脆弱でも、強い心と熱い魂を持つ奴。そんな彼を俺らは笑う資格があるのか!?
くぅ。「好きなことをやって生きる」ということの意味を改めて考えさせられる。洞窟でなら笑って死ねる漢、スペランカーよ。
はぁ。







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Unknown (ラブムー)
2018-08-03 22:16:10
otaさん、ご無沙汰しております。
スペランカー、クリアおつかれさまでした&おめでとうございます。未プレイ意外でした。常人らしく、僕にとっても幼少期を代表する1本です。
個人的にはスペランカーが後年、ネタ的に扱われてきたことに、まだうまく馴染めない感があります。僕の中では良質の、とは言わないまでも、他と一線を画していた探索アクションゲーとして位置づけられていたので(後年、それを確認するためにWii VCでプレイしましたが印象はほとんど変わりませんでした)。
リアルタイムでプレイしていた者からすると、このゲームに対する印象は、カセットに付属していたLEDライトの存在もずいぶん大きかったように思います(ただ、FC時代のアイレムのゲームを自力で思い出そうとすると、スペランカーしか浮かんでこないという……w)
当時は幼子らしく、ランプが赤々と光っただけで「凄え!」といったどよめきをゲームっ子たちの間に生んでいたように記憶しています。スケルトンカセットやディスクシステムもですが、幼少期は形状インパクトに気を取られて、ゲーム内容が二の次になっていた向きも多分にあったような……。

私事ですが、当時の自分は、横スクロールアクションゲームの腕はクラスで「中の上」くらいだったように記憶しているのですが(スーパーマリオ2などは、とてつもなく苦手で、今もコンプレックスになっています)、スペランカーはソフトの持ち主がクリアできていなかったにもかかわらず、借りていた数日中に皆の前で3周し、クラスで一番巧い、と言われて鼻高々だった栄光の(?)記憶が今もしぶとく残っています。
しかし、僕はWiiのVCで購入した時は3周目途中でギブしてしまったので、現在のotaさんに完敗気分です(そういえば、周回ごとにがらっと変わる洞窟の色もプレイを促してくれる要因だったように思います)。

それと感想文を読んでいて改めて思ったのは、このゲームの進捗はBGMとそのテンポに拠っていたところがずいぶん大きいかったな、と。もしスーパーマリオのような遅めテンポの曲だったら、自分は1周もできずに止めてしまっていたかもしれません。
タイトル画面とメインBGMの雰囲気が違う理由については、僕も感じていました。好い機会に一応ググってみたら、製作者(移植者?)が4gamer記事で件について語っているので(既読かもしれませんが)リンク貼っておきますね。https://www.4gamer.net/games/074/G007497/20120713064/index_2.html

「助走という概念を捨てること」。たしかにそうですね。当時はこのように言語化できていなかったのですが、たしかにこのゲームを攻略するうえでの前提概念と言うべきか。
こうした操作性や全体的な雰囲気でスペランカーと似たゲームは、僕にとってはコナミ『グーニーズ』なのですが、今、改めて思い返してみると、所謂「良質ゲー」であったグーニーズよりも、今も心に濃く残っているのは『スペランカー』の方ということが妙に感慨深いというか。
また、世間的にも『ラ・ムラーナ』や『スペランキー』といった精神的後継作品?の存在が証明しているように、スペランカーの存在はインベーダーやゼビウスのように今でも連綿と続いているようです。まさか、あのスペランカーがこのようなオリジン的存在、裏国民的タイトルになるとは……タイムマシンで当時のファミっ子たちに言ったらさぞかし驚くことでしょう。

PC版や続編の存在は恥ずかしながら、これまで知りませんでした。機会あったら触れてみたい気持ちもありますが、個人的には久方ぶりにWiiを引っ張り出して、FCスペランカーを再プレイしたい気持ちがかなり強まりました(昨年、ブラウン管テレビを処分してしまったので、まずは液晶モニタにWiiを繋げるケーブルをゲットしないといけないのですが……)。
例によって長々と失礼しました。これからも更新楽しみにしています。
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Unknown (ota)
2018-08-04 18:51:33
ラブムーさん、どうもです。
俺はゲーオタを自称してるくせに「これやってないのか」というタイトルが多いです。情けない。今回それを一つ消せました。

>個人的にはスペランカーが後年、ネタ的に扱われてきたことに、まだうまく馴染めない感があります。
ははw まぁあの死に易さがネタになるのは仕方ないですが、ゲーム性・面白さを含めて語られてほしかったですね。
単に「死にまくりクソゲーw」と伝わってる(伝わりがち)なのはちょっと残念ですね。
難度は同じだけど残機10倍くらいのイージーモードなんてのが実装されていれば……と思います。望みすぎですけどね。
発行ダイオードカセット、俺は「ジッピーレース」で見覚えがあります。カッコ良いですよねw

>スペランカーはソフトの持ち主がクリアできていなかったにもかかわらず、借りていた数日中に皆の前で3周し、クラスで一番巧い、と言われて鼻高々だった栄光の(?)記憶が今もしぶとく残っています。
おお……それは凄い。当時、まだゲーム歴の浅い状態でこのゲームを3周は相当です。そら周囲も称賛しますわw
4周目以降のゲーム性が変わるのは個人的に嫌なんですが、このゲームは他に弄るところがないから仕方ないかもしれません。
>このゲームの進捗はBGMとそのテンポに拠っていたところがずいぶん大きいかったな
テンポは特筆ものに良いですよね。曲もそうだし足も速いし、ある意味死に演出さえノリが良いw
ステージクリアで画面切り替えがなく、すぐ次に行けるのもいい。ゲーム全体に纏まりが感じられますね。
スコット津村氏の記事は読みました。なかなか破天荒な人のようで、ゲーム業界黎明期に活躍したのも納得です。

>こうした操作性や全体的な雰囲気でスペランカーと似たゲームは、僕にとってはコナミ『グーニーズ』なのですが、
グーニーズは「洞窟探検」というコンセプトがまんまですね。被っただけでどちらも恐らく意識はしてなかったでしょうけど。
スコット氏は映画の公開に合わせてスペランカーを発売し、それが功を奏したらしいですけどねw
あちらは俺も当時プレーし、楽しみました。あの頃のコナミらしい品質で面白かったですね。映画は観てないのですが。
スペランカーはボリューム的には小さく、隠し要素も控えめで、コツを掴めば後は周回プレーくらいしかやり込み要素がありません。
当時、面白さがきちんと伝わっていたとしても、「表の歴史に残る」一線級タイトルにまではなれなかったと思います。
ラブムーさんは不本意かもしれませんが、俺はネタとして広まったことは何だかんだで今作にとって良かったと思ってます。
後はそこから興味を持って今作に触れる(物好きな)若者たちが出てくることを願いましょう……。

>PC版や続編の存在は恥ずかしながら、これまで知りませんでした
本文に書きましたが、ファミコン版以外は総じてイマイチでした。一応やったけどとても楽しめたもんじゃない。
……と言いつつ、アーケード版2本は、書いた後にもう一回やってみたら意外と楽しめましたw どっちやねん。
敵の倒し方を理解すると結構安定して進めるようになるので、そうなると面白いですね。「めっちゃ」ではないですが。
オリジナル版はハッキリ言って今やるとなると非常に厳しい。これは「記念プレー」以上のものにはならないと思います。
コレクションはフリプでなくてももちろん買えるので、存在だけでも覚えておいてやって下さいませ。
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