腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

ケイオスリングス

2021年05月23日 22時58分25秒 | PS VITAゲーム感想文
【ハード】PS VITA
【メーカー】スクウェア・エニックス
【発売日】2015年5月7日
【定価】800円(DL専売)
【購入価格】0円(ケイオスリングス3 プリクエル・トリロジー内のDLC版)
【プレー時間】30時間



俺はホゲが嫌いである。……ホゲって何だ、と? ○○ホゲ○○のことだよ。自分で埋めろ。つーか知ってて訊いてるやろ!
20世紀末、携帯電話が一般にも普及し始めた。その「あっという間に広まる感」は凄まじく、俺は当時かなりの衝撃を覚えた。
「世の中が一変する」というのをあれほどハッキリ体感したのは初めてだ。尋常でない速さで、誰もが携帯を持つようになった。
そしてその衝撃は、約10年後に繰り返される。携帯の進化系、ホの普及である。これまた凄まじいあっという間感だった。
昨日までパカッと携帯を開いていた人々が、今日は画面を擦るようになっていた。……何故だ? 何故こうもあっさりと!?
基本保守的で、変化にゃ弱い俺であるが、それにしたってこれは極端過ぎるだろう。こんな速さで世が動いてええんかおい。
そんな嘆きには誰も耳を貸さず、皆が新型アイホンに飛び付き、1億総ホ持ち時代が始まった。それさえもう古い話だ。はぁ。

で。ホは高性能CPU、繊細なタッチパネル、高品質音源を持つ魔法の総合端末である。多種多様なアプリがそこで展開される。
総合端末なのだから、その中にゲームが含まれるのは当然の話だ。ホゲの登場も普及も、世の必然だったと言っていい。
人はホゲに群がり、ホゲ市場は拡大を続けた。やがてその規模は家庭用ゲーム機を上回り、逆に家庭用市場は衰退していった。
……ここまでなら、別にいい。確かに俺は家庭用ゲーム機主義者だが、だからって他のメディアの「ゲーム」を否定はしない。
自分がやるやらんは置いておいて、ホゲが栄えることに文句はなかった。そういう時代なんだな、俺もいつかやるのかな、と。
だがそうではなかった。急速に版図を広げたホゲは、その大半が今までのゲームにない、かつ非常に醜悪な特徴を備えていた。
アレだよ、10連とかSSRとかのアレ。名を書くことすらおぞましいので察してくれ。ちなみに冗談で言ってるんじゃないからな。
ゲーム内通貨を使うなら構わんが、別途課金(誤用)を求めるアレは決してゲームじゃない。俺は文字通り死んでも認めない。
そんな心の底から唾棄するものが、大半のホゲに搭載され、日本中に受け入れられていった。今ではもう常識として存在する。
一応世間的な倫理観で叩かれることもあったが、焼け石に水だった。この世に「儲かるから」より強い正義は存在しない。
決して認められないものが世に認められていく現実。俺の絶望がどれほどのものだったか、お分かり頂けるだろうか。はぁ。


断っておくが、俺はアレが心の底から嫌いだが、「反対」はしない。世間に受け入れられている以上、アレは正しいのだ。
だから他人がやっていても「ふーん」で済ます。それでその人を嫌ったり、まして止めろと説得したりはしない。他人事だ。
諦めの境地である。俺が何を言っても誰も聞いてくれないのだ。心を閉ざし、家庭用ゲーム機に籠もる。そして死んでいこう。
そんなわけでホゲを心より嫌う俺だが……ここまで読んだ人なら気付いただろう。読んでない? 読んでよ。哀しいなぁ。
俺が嫌ってるのはホゲではなくアレなのだ。アレさえなければ、少なくともゲームの一種として認め受け入れ(何様だ)はした。
なら、アレのないホゲなら? そう、数は少ないが、それは存在する。俺が、ちゃんとゲームと認識するホゲがこの世にはある。
例えば「スーパーマリオラン」だ。分類上は完全なホゲだが、買い切り型で、それ以上の追加コンテンツ等もない(多分)。
十分に「ゲーム」である。実際、このゲームは買おうとまでした。自ホが駄目すぎて決済関係が上手くいかず、結局諦めたが。
要は買い切りならOKなのである。ああ、もちろん無料でも。アレさえなけりゃそれでいい。俺が憎むのはアレだけなのだから。
そんなある日、「ケイオスリングス」シリーズのことを知った。ホゲにしてホゲでない、比類なきVITA用ゲームである。

今作がホゲで登場したのは、2010年。だが俺は存在すら全く知らず、VITA移植のことも知らず、そのまま10年の月日が流れた。
ある日いつものようにDL版セールゲームのチェックをこの見知らぬタイトルが目に入った。既にシリーズが4本もあるようだ。
全然知らんゲームが既に4本も出ている。……興味を持ち、調べた。ホゲだった。ただし買い切り。俺にとって「あり」だった。
更にこのシリーズは「ホで従来の家庭用RPGに負けない品質のゲームを」という志を持って製作されたという。イカすやんけ。
更に更に、このシリーズは最新作「3」のパッケージ版に前3作が纏めて入っているという。これはもう、買えという天命だろう。
購入した。……その時点で発売から数年経ってたから中古で。ごめん。DL版セールで知ったのにねぇ。また業界を裏切った。
ちなみにDL版にはトロフィーがあり、3同梱版にはない。つってもプラチナまではないからそこまでの動機にはならなかった。
3のパッケ版に入ってるのはあくまで3だけで、前3作はDLC扱いだ。ただし他ゲーのようにDLコードが必要なわけではない。
中古買いの俺も問題なく1作目からプレーできたのだった。本当に申し訳ない。ホゲのというかアレのせいにしときましょう。
それでは開始、ケイオスリングス。本来あるべき「スマホゲーム」の姿、見せてもらおうではないか。……VITA版だけど。はぁ。

今作は、恐らくホ版のまんま移植だろう。グラフィックもシステムもバランスも調整はされていない。と思う。根拠はない。
ただもちろん、家庭用機移植なんだから、ボタン操作だけは追加されている。そして元と同様、タッチパネルでも操作可能。
元が元なんだからパネル操作でもさほど不都合はない。つっても俺は当然ボタンでやったが。パネルは誤タッチが多すぎるよ。
形としては「聖剣伝説」のVITA版と同じだなと思った。あちらは移植じゃなく、VITAとホ版同時発売だったと思うが。
ちなみに一部パズルではパネル操作のみの場面があった。ボタン対応が面倒だったのだろう。まぁあんま細かいことは言うまい。
ともあれ、「VITAのRPG」として違和感なく遊べるゲームである。「ほぼホゲ移植」で、だ。……世界が全部こうなら、なぁ。
今は恐らくこんな志の高いホゲはもう絶無だろう。そりゃね。今作の配信も既に終わってるらしいしね……。


今作は「家庭用機に負けない品質のRPGをホで」という志で製作されたらしい。が、実際に家庭用機のつもりで作るのはダメだ。
例えばシステムを相応に複雑にすれば、パネル操作じゃとてもプレー出来なくなる。志は別として、ホ向けにシンプルに作る。
かくして、確かにかなりシンプルな作りのRPGだった。何より世界が狭い。今作は全てがとある宇宙船の中で完結する。
幾つかのフィールドがあるが、それらは宇宙船の見せるVRのようなものらしい。モンスターも? フィールド自体も狭い。
パーティは二人固定。拠点は宇宙船のホールだけで、町や村は一切なし、それどころか人物もメインキャラ以外出ない。
二人パーティでフィールド(ダンジョン?)に行き、ボスを倒してイベントを見て、拠点に戻る。それを5回ほど繰り返す。
ハッキリ言って単調である。これだけなら家庭用ゲームとしてはファミコン時代レベルだろう。21世紀に出せる商品じゃない。

だが今作はそのシンプルさ、小ささを工夫することで「今でも十分遊べるRPG」に仕立てている。この工夫には何気に感心した。
今作は二人パーティ×4人、計8人の主人公がいて、シナリオも二人ごとに4つ用意されている。一粒で4度美味しいRPGだ。
つってもダンジョンや敵は使い回しで、つまりやることは4パーティともほぼ同じ。単調ったらない。実際そうも感じた。
そこを補うのが「謎」と「補完」だ。今作は宇宙船が舞台だが、その状況や戦わなければいけない理由の説明が一切されない。
8人はパートナー以外とは完全に他人で、宇宙船の管理者に「何がどうなってるのか全く分からない」状況を強いられる。
ちなみに最初は10人いるのだが、説明不足に反抗した二人は、管理者にその場でチョンパされた。抗う者には死あるのみ。
残り8人及びプレーヤーも当然わけが分からず不満タラタラだが、取り敢えずは管理者に従うしかない。全てが謎だらけな状況。
その謎はもちろんゲームを進めていけば少しずつ解かれていく。それを動機になんだかんだでプレーしてしまうのである。

そして、4パーティのマルチシナリオ。それぞれやることは全く同じだが、抱える事情は当然違う。となればシナリオも違う。
なので、大まかには共通しているものの、4パーティそれぞれで明かされる謎が違い、やればやるほど話が濃くなっていく。
「シンプル&長大&飽きさせない」――そんな厄介な命題を、完璧ではないが狭い世界で上手く解決してると思う。
壮大な物語に広い世界が必要なわけではない。見せ方次第で規模感はどうにでも出来る。創作は工夫だ。知ったようなことを。
実際には工夫は感じられてもやはり単調で、3周目くらいからは退屈になってしまったが、「よく頑張ってる」とは思った。
現代の家庭用ゲーム機は性能も容量も天井知らずで、製作者はほぼ何でも作れる。それはもちろん歓迎すべきことだ。
が、それ故に「ゲーム製作の工夫」はどんどん廃れていった。今作のような「上手くやってる」と感じられる機会は、今じゃ貴重だ。
方向性は違うが、ゲームがカートリッジの低容量に常に悩まされていた時代の工夫に通じるものがあった。テキトー言ってる。

で、戦闘。非常にオーソドックスなコマンド選択式バトルで、パーティは二人。幾らホに合わせたとは言えシンプル過ぎる。
これで大丈夫なのかと思ったが……ここでも工夫を凝らし、飽きさせないよう頑張っていた。
まずパーティの二人は別行動はもちろん、一緒に同時行動が可能だ。コマンドは一つになり、攻撃や魔法を一緒に行う。
その分威力が増すが、敵からの攻撃も一緒に食らう。別行動なら片方100で済むダメージを、両方100食らってしまう感じだ。
つまりメリットデメリットがあり、次にどう行動するかを考えるのが楽しい。単純なネタだが、上手く機能していた。
そして、情勢ゲージ。敵味方の情勢がゲージで表示され、偏った方のパラメータが上がり、戦闘が有利(不利)になる。
戦闘開始時は五分五分で、攻撃を当てた方がまず有利を取れる。その後不利側が何度か攻撃を当てれば逆転させられる。
このシステムがあるから、今作の戦闘は先手を取るのが極めて重要。雑魚戦などはそれが全てと言ってもいいほどだ。
今作の戦闘は被ダメ与ダメ共に大きく、それにクリティカルが重なれば、あっという間に決着が付く。とにかく先手大事。
先手を取って一気に勝負を決めると、かなり気分が良い。余談だが、ダメージを与えるガシーン音も今作はいい感じだ。
如何に情勢ゲージで有利を取るか。同時行動で大ダメージを狙うか、別行動で攻撃と回復を分けるか。それが今作の戦闘だ。
二人パーティのコマンドバトルという単純さをどう面白くするかの工夫が感じられた。現代家庭用機では見られないものだ。
……まぁ、それで「超面白くなってる!」とまでは残念ながら言えないが。やっぱ基本的に単調なんよね今作。うーむ。

戦闘で面白いのが、敵のレベルを選べること。ダンジョン突入前に、敵レベルを「1~10」「11~20」と10区切りで選べるのだ。
高レベルの敵を倒すと経験値も相応に貰えるので、やはり狙いたくなる。しかし当然そうなると敵はかなり強くなる。
が、なんだかんだで先手を取れば勝てるし、同レベル帯だと正直ヌルすぎるので、俺は常時最高レベルを選んだ。
この場合、雑魚戦で先手を取らないとまず即死。逆に先手さえ取れれば何とか倒せて、レベルがドンと上がる。
そうなるとすぐ強くなってレベル差も追いついていくので、ダンジョン突入時の初戦が一番重要。ボスなんかどうでもいい。
ちなみに先手後手は攻撃速度のパラメータで決まるはずだが、ランダム要素があり、同時行動も絡んで正直よう分からん。
レベル1でレベル11の敵に挑んでも先手を取れたり取れなかったり。まぁホだし、シビアな調整はしてないのだろう。
戦闘で勝てばレベルはガンガン上がっていくからありがたみは薄い。……最近、「レベル」の格が随分落ちたなと思う。

武器防具は完全一直線制で、新しく手に入る強いものを装備すれば間違いがない。従って面白みも全然ない。
魔法は色々あり、また今作には「炎の魔法を当てると敵が炎属性を帯びる」といったシステムがある。
なので炎属性を与えてから氷魔法を当てれば大ダメージ!! ……も可能だけど、殴った方が強いからあまり使わんかった。
HPは戦闘後に全回復するけど、MPは据え置きだからなるべく使いたくないしね。この辺のバランスは失敗気味かもしれん。
魔法やスキルは「プレートを装備して戦闘を重ねると習得する」という、現代RPGっぽい(テキトー)システムになっている。
まぁこれはテキトーにやってりゃ強くなれるから正直どうでもよかった。「ホ故にあまり複雑に出来ない」ジレンマを感じた。
「戦闘の面白いRPG」なんて家庭用機でもそうそうないからな。業界永遠の課題である。俺もこの辺は何とも言えん。はぁ。



物語。これが今作の大黒柱だ。訳の分からぬ状況から少しずつ謎が解かれ、やがてあっと驚く世界の真相が判明する。
……まぁ言ってしまえば、ループとか多次元とかそういうのになる。剣と魔法で戦うゲームなのにね。科学イズパワー、か。
4パーティで多方向から真相に迫っていくシナリオの作りは面白かったが、その中身は……そんなに浸れなかった。
「1万年の人生」て、そう簡単に使っていい設定じゃないよ。プレーヤーも製作者も、たかが数十年しか生きてないのにさ。
全ての元凶は、謎の存在「クオリア」。世界を次元ごと壊滅させていくとかそういう存在らしい。既に多次元で大暴れ。
研究により、クオリアに対抗するには、その力を持つ人類を育成するしかないという結論が出た。そう、そのための8人だった。
4パーティを戦わせ、生き残った最強のカップルに安全な土地と不死(1万年)を与え、クオリアに対抗しうる人類を作る。
ちなみに多次元うんたらを解決してる世界設定なので、4パーティそれぞれが勝った現実がパラレルに存在する。らしい。
4パーティ全てのシナリオを終えると、全員集結してクオリアとの最終決戦が始まる。……時空? 科学が全部解決したのさ。

うーん。クオリアに対抗できる生命体が必要なのは分かるが、1万年は止めてほしかった。長すぎて感情移入が薄れてしまう。
また未だに分からんのだが、「対抗できる生命を造る(子孫に期待する)」はずが、何故実際に戦うのは1万年後の当人らなんだ?
4パーティのシナリオクリア後、彼らはそれぞれ自身を頂点とする国を築いた……て感じの後日談が入る。そして1万年後、だ。
不死を与えられたから1万年後も生きているのは分かるが、そのまま自分らで戦うのは分からん。要は1万年間修行してたの?
だったら子孫らを作る意義はどこにあったんよ。地盤固め? 最初からあくまで戦うのは自分らのつもりだった?
オーガ・ヴァティーが2度目ってのも分からん。時空が自在という設定だからそれ自体は可能でも、何故そうなったのかが。
オーガらだけは1万年でクオリア対抗能力を体得出来なかったってことか? ……だとしたら無能やん。大威張りしてたのに。
ドラマチックさは十分だが、やっぱ細部はアレだった。つっても俺はもう知ってる。ゲームシナリオに過度な期待は禁物。
基本的に全体ではなく「その場の盛り上がり」を重視すべきなのだ。なんせゲームは長い。RPGなら十数時間でも短いほどだ。
もちろんプレーは数日に跨る。そんな長期間、キッチリ整合性を詰めた、シナリオを展開なんて出来るわけがない。
もっと言えばする必要もない。もちろんそれで突っ込まれることはあるだろうが、クソオタの戯言として無視すりゃいい。
ゲームシナリオとはそういうものだ。今作はそういうものになっていた。つまり優れたゲームシナリオだったのだ。
実際、狭い世界で壮大さを演出する作りには感心したしな。キャラの魅力もイベントの面白さもある。これでいいのだ。

キャラと言えば、最初に宇宙船に集められたのは10人で、うち2人が速攻脱落した。こいつらは操作することも一切なかった。
とは言っても顔も名前もあり、男の方のボイスは三木眞一郎。……どうよ、匂わない? 俺思ったよ、こりゃ絶対伏線だと。
ラスボスがこの二人……はさすがにないにしても、この計画の責任者だったとかそういう展開が絶対にあると確信していた。
いつ拍手をしながら三木眞一郎(ボイス)が「ご苦労だった。全て私の計画通りだ」と登場するのかと心待ちにしていた。
……けど、なし!! あいつら本当に序盤で消えるだけのモブ!!! 8人も退場後は一切気にかけることはなかった!!
いやー、あれは所謂ミスリードなのか? それとも天然か? ミスリードなんだったら、俺は盛大に引っ掛かりました。
あんなに儚い三木眞一郎キャラ、近年(つっても10年以上前だが)じゃ珍しいんじゃなかろうか。本人も驚いたと思う。
別に悪いことしたわけじゃなく、寧ろプレーヤーの感じた憤りをぶつけてくれた好漢だったのになぁ。可哀想に。
……つっても、名前はもう忘れました。そんなもんだ。アルカ・アレーナ(この戦いの呼称)の前座と散っていった2人よ、永遠に。

生き残ったメインの8人(4x2人)は、どいつもキッチリ描かれていてなかなか魅力的だった。渋めの絵も合っていた。
男女ペアだから当然恋愛面が柱になるが、それだけではなく、因縁、絆、思惑等が丹念に描かれていて、楽しめる。
惜しむらくは過去を語られても(容量の都合か)回想シーン等が一切ないので、感情移入が難しいことか。全部文字のみ。
絵がないからそれぞれの「元の世界」がプレーヤーからは想像し難く、語られてもイマイチピンと来ないのである。
4シナリオに分けたことでそれぞれの描写が薄れた面もやはりある。けどこれは仕方あるまい。完璧なゲームなど存在しない。
俺は最初にプレーした「エッシャー・ミューシャ」ペアが一番気に入った。ぶっきらぼうエッシャー、生真面目ミューシャ。
エッシャー傭兵で、仕事でミューシャの育ての親を殺害した。それ故に最初はミューシャがエッシャーを殺そうとまでする。
しかし状況の強制故にしぶしぶ共闘を始める2人。そのうち様々な事情が明らかになり、やがて……うん。いいね。
先述のように回想シーンがなく、彼らの生きた世界を想像し難いのが難点だが、キャラの魅力は十分描かれていた。
オーガ・ヴァティーペアのような2人になってほしい。……最初はオーガはエッシャーの未来と思ったのは俺だけじゃあるまい……。

4シナリオクリア後は、クオリアとの最終決戦。時空を越えて4パーティが集い、共闘する。……矛盾や疑問は全て忘れたまへ。
つってもゲーム的にはただのボス戦だし、今作は終盤のレベル上げが容易なので、殆ど負ける要素のないラスボス戦となった。
クオリアも意思も何もない謎物体で、あまり盛り上がらず。討伐後、それぞれが元の世界に戻って……どう生きていくんかね。
クリア後はパーティ以外で唯一登場する人間であるオチャラケ商人が隠しボスで登場。倒せば特別なアイテムが手に入る。
一応エッシャーペアで倒してはおいた。DL版ならこのトロフィーがあるので、ここでトロコンだろう。仮想トロコン、完了。

グラフィックは、PS3のやや荒いRPGレベルは出ていると思う。偉そうに。10年前のホとしては気合入った出来なのだろう。
最低限の綺麗さはあるしそれで十分なのだからそれでいい。今作は超絶ゲームを目指したわけじゃない。それを念頭に。
イベントがバストショットだけで進行するのは寂しいと思った。一枚絵くらいはある程度用意してもよかろうに。
音楽は、BGMも割と良かったが、音声が豊富で賑やかだった。戦闘中の台詞が多いのは単調さを緩和する効果が(少し)あった。
でも、他ゲーでもよくあるけど、長台詞がコマンド連打でキャンセルされると切ないね。「エッシャー、ここは私が」ブツッ。
ゲームはプレーヤーが勝手に動かすもの。製作側が制御するイベントシーンはともかく、戦闘じゃテンポ優先は仕方ないわな。
噛み合わないものである。万能未来端末だろうと最新最強家庭用機PS5だろうと、解決できない問題はある。考える続けるのみ。


ふぅ。「普通に楽しめた」。要は普通の家庭用機RPGのように。今作の場合これが最高の称賛になるだろう。多分。
さて、続編は3つも残ってる。取り敢えず今作の前日譚らしい「ケイオスリングスΩ」を次にプレーする予定。
今作に登場したオーガの物語らしい。……オーガは偉そうだからあんま好きじゃないが、おしどり夫婦なとこは好印象。
気合い入れて作ったと言えど今作はまだ1作目、続編でのパワーアップは大いに期待できる。2作目こそが本番なのかもな。
もちろん4作目までキッチリやっていく。ホにおいて志高く作られたRPG(のVITA版)、俺が避ける理由などどこにもない。
別世界で生まれ別世界で戦った別世界の同志・ケイオスリングスの足跡を今後も辿る決意をして終わり。
国境もハードもメーカーも、そして端末の違いも関係ない。それがテレビゲームであるなら俺は認め愛すのだ。アホか。
そして世界は馬鹿ではない。きっといつか、良貨が悪貨を駆逐してくれる。この比類なきデジタル娯楽を俺はこれからも信じ続けるのさ。

……「◯◯娘、何百万DL突破! 売上何百億円! 世界3位!」。はい。バリバリ最新の現実はより悪くなってました。
もう無理ですね。別次元でも同じ結果になるだろう。アレからは逃げられない。クオリアの正体、実はアレだったのかも。
はぁ。







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4 コメント

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Unknown (サク)
2021-05-30 23:43:37
ケイオスリングス…、Vitaでの発売当時少し話題になってた記憶があります
パッケージ版を買うとシリーズ4作品が遊べるのはお得でいいですね
シナリオに工夫があるのも良さそうですね
機会があれば…やってみたいですね

ちなみに○○娘、元々競馬好きなのでアニメ版を見ていたこともあってプレイ済みだったりするんですが、クオリティの高さにびっくりしましたよ
このクオリティでスマホで無料で始められるんだからそりゃあ流行るよなぁと感じました
ただ、課金要素を除外しても、スマホゲームならではの特徴みたいなのが私とさっぱり合わず、これだけクオリティが高くても私はスマホゲームは合わないんだなと再確認出来てしまったのがちょっと悲しかったですね
多分これが家庭用で8000円のゲームなら喜んでやってた気がしますが、それだとあんまり売れてなかったんだろうなと思ってしまうのがまた悲しかったり
返信する
Unknown (ota)
2021-05-31 01:07:04
>パッケージ版を買うとシリーズ4作品が遊べるのはお得でいいですね
こういう形式でDLコード不要なのは初めて見た気がします。ストア廃止が撤回されたから焦る必要もなくなったしw

>クオリティの高さにびっくりしましたよ
でしょうね。あれだけ売れてるんだから容易に想像できます。物凄い才能と労力と熱意が込められているんでしょう。
あとこれ、何度も年単位で配信が延期されてたらしいですね。それがいざ発売したら大逆転ホームランってのは凄い。
成功するには理由がある。手放しで褒め称えたいです。……アレさえなければ、ね。はぁ。
返信する
Unknown (サク)
2021-05-31 20:35:24
>何度も年単位で配信が延期されてたらしいですね。
一時はもう出ないんだろうという雰囲気すらありましたね
アニメも終わって完全に熱が冷めたような感じがありましたし
ゲームの正式リリース日が発表された時は逆にびっくりしました

それでまぁ随分開発が難航したみたいだしどうせクソゲーなんだろうなとか思ってたんですが、めちゃくちゃクオリティが高くてまたびっくりという
家庭用ゲーム機で喩えたらFF7Rが開発は長引いたもののちゃんと全編フルリメイクで出てきた感じでしょうか

>……アレさえなければ、ね。はぁ。
私はアレに課金したことは無いんですが、アレ課金はそれ自体がゲーム要素になってるのが強いなぁと感じますね
日本人は昔からクジや福袋を楽しんできましたが、アレはそういったものに近いんですよね。勿論アレの語源自体がトイ商品に由来してるというのもありますし

あと、何が出てくるか分からないことで、むしろ思い入れが出来やすいところがありますよね。otaさん風に言うと「縁を感じた」というやつですね
初めて出た最高レアのカードなんかはやはり思い出に残りますし、自分の元に来てくれたという感覚になるので好きになってしまいますよね

しかも一部の人間がアホみたいに課金することで、多くのユーザーは無料で楽しめるというメリットもありますしねぇ
課金形態として都合の良い面が多すぎるので多分駆逐されることは無いんじゃないかなと個人的には予想しています。自分では絶対課金したくないですけどね
返信する
Unknown (ota)
2021-06-02 00:45:23
>アニメも終わって完全に熱が冷めたような感じがありましたし
はー、ゲームが延びて、アニメ先行(&そのまま終了)になったんですか。イナヅマイレブン新作みたいですねw
多分立ち上げ時は「どうせダメだろ」て空気が蔓延ってたんだと思います。それを覆したのは実力としか言えませんね。

>アレ課金はそれ自体がゲーム要素になってるのが強いなぁと感じますね
ま、今更どこが嫌いとか言う気にもなれません。勝手にやりゃいいし儲ければいい。俺は蔑みつつ避けるだけです。
家庭用機にはほぼ入ってきてないから、棲み分けが出来てるとも言えますしね。俺は例えつまんなくてもこっちにいます。
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