腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー

2016年01月03日 04時42分46秒 | Wiiゲーム感想文
面白いゲームにハマる ←正常
つまらないゲームを止めてしまう ←ある
このゲームつまらないと思うけどもしかしたらそのうち面白くなるかもと期待してプレーを続ける ←わかり哲也
つまらないゲームにハマる         ←は???????????


……うーむ。分からん。分からんのだが、稀にある現象である。何なんだろう。

「ドラゴンクエスト ~モンスターバトルロードビクトリー~」。6年前、勝ちハードなのに謎の死に体だったWiiで発売された。
元々は筐体とカードを使ってプレーするアーケードゲームだったらしい。俺は名前くらいしか知らん。見たことも多分ない。
訴求対象が主に子供層だったからなのだろうか。ともあれこのアーケード版は、結構なヒットを飛ばしたらしい。多分。
順調に「バトルロード2」等のバージョンアップが行われ、数年間は稼動が続いた。……が、やはり衰えが見える時が来た。
そこに満を持してこのWii版を発売し、アーケード展開は終了。残ったファンは家庭用で思う存分やってくださいというわけだ。
実態を全然知らんからwikipediaで調べた上での想像だが、なかなか上手い事業展開だと思う。誰も損してないというか。
……しかし残念、家庭用の需要はあまりなかったのか、それともWiiだったからなのか。今作は壮絶な値崩れを起こした。
俺は新品390円で購入した。正直クラニンポイントが目当てで、ゲームに興味があったわけじゃない。やれやれだ。
だから開封・ポイント登録後は放置していたんだが、去年のwi-fiコネクション終了前にと思い、プレーを開始した。
……はい、20分プレーして中断、そこから再放置が約1年半。先日超重い腰を上げて再開し、遂にクリアーしたのであった。
この前の「メタルギアソリッド4」と同じ様な経緯だな。なかなかね、ゲームも楽じゃないんだよ。はぁ。

じゃあ何故、即時放置という情けない事態に陥ったのか。奇しくもMGS4と同じ理由で「ムービーが長い、鬱陶しい」からだった。
今作はモンスターと装備のカードでパーティを作り、相手と戦わせるゲームである。そして各攻撃は、全て動画で表示される。
この動画自体の品質は高い。ドラクエ本編の「気持ちだけ」なアニメとは次元の違う躍動感で、見知ったモンスター達が暴れ回る。
それ自体はいい。それはいい。……のだが。長い。毎回見せられる。飛ばせない。見飽きても派手なアニメは止まらない。
幾らよく出来た動画でも、何度も何度も見て楽しめるとは限らない。飛ばせない、強制されるとなれば尚更だ。
スタート直後のデモ戦闘を体験しただけで「これ……ヤバない?」と思った。これを今後何十何百も繰り返せ、と?
こらあかん。今日はここまで。未来の俺に託そう。男子三日会わざれば、だ。次の機会に本気出す。俺の次回プレーにご期待下さい。
嫌な事は先送り。人間の本質だな。ごめんなさい。嫌な事なのかよ!? だってさぁ。本当に長いんやもん。飛ばせないもん。
それから1年半。いや実際、よく再開したもんだよ。放置の罪より再開の誉れを実感する。うるせーな俺だって色々あんだよ。
今回は覚悟していたから、動画については我慢できた。人間慣れである。今では割と平気である。スゲェな俺。はぁ。

だが再開しプレーを続けていくと、別の問題が発生した。面白くないのである。これゲームとして、ドラクエとしてどうなんだ?
介入度合いの少なく運要素の多いゲーム性に、単調な展開、練り込み不足のインターフェース……問題ゴロゴロだった。
動画には慣れても、ゲーム性はそうはいかなかった。正直今でも今作を面白いとは思っていない。寧ろつまらない方だ、と。
「ドラクエ魔力」も「ヒーローズ」や「シアトリズム」よりは薄めで、さほど魅力にならなかった。俺にとっては、だが。
よって当然、プレー継続にはかなり支障があった。これぶっちゃけ時間の無駄じゃね? と思った。この年末の忙しい時期に!!
……なのに。けれど。どうしてか。毎日毎日ダラダラと……謎にハマっちまったんだよなぁ。うーむ、分からん……。

まず、今作はどういうゲームか? 前述のようにカード対戦ゲームだ。が、「普通の」カードゲーとは随分違う。
3人パーティが基本で、モンスター2+自分、若しくはモンスター3体で組む。自分を入れるなら、装備カードも別途選択する。
パーティを決めたら、対戦開始。各キャラ2種類ある攻撃から一つを選び、ターン制の戦闘を行う。相手のHPをゼロにすれば勝ち。
HPはパーティ全体で管理されていて、キャラが個別に倒れることはない。一蓮托生だな。なかなか絆のある仲間達である。
パーティ規模が小さいので、複雑さは全く無い。チュートリアルに従えばすぐルールを理解できる。それはいい。
……問題は、「カードを選ぶのがここまで」ってことだ。いざ試合が始まると、他の手持ちカードはほぼ無意味なのである。
例えば、出してるモンスターが倒されたから山札から1枚引くとか、そういう「試合中の要素」が全く無い。準備だけ。
厳密には一度「スペシャルカード」にて介入できるのだが、それだけだ。他はマジで3体だけでやり繰りする。
これは言うまでもなく、ゲームの幅が非常に狭いということだ。試合の展開を見て手を打つということがほぼ不可能。
開始前の3体と武器の選出で、準備は終わり。「デッキを組む」というカードゲーの当たり前が今作には存在しない。
ちょっと簡素すぎるだろう。ゲームに奥深さがない。少なくともそれを感じられない。はぁ。

実際ゲームを進め、対戦を繰り返すと、今作の試合はビックリするほど思考の余地が少なく、また運の要素が強い。
攻撃は3人に2種あるのを一つ選ぶだけ。防御手段はなし。行動時は素早さ順。ドラクエ1並に簡素なコマンド選択だ。
そして運要素。例えば攻撃を回避したり、状態異常攻撃が成功するかどうか……そういう運否天賦が戦局を左右する。
更に、後述するが「つばぜり合い」という非常に面倒臭く、運要素の強いシステムがあって……とにかく、勝負を安定させられない。
自分はレベル成長があるが、モンスターは固定というのも痛い。「モンスターを育てる」という大事な要素が今作にはない。
自分の成長度合いがこれまた小さく、レベルを1や5上げた程度じゃ戦闘に殆ど影響がない。成長の実感がない。
だから勝てない相手に「レベルを上げて再挑戦」しても、結果は変わらなかったりする。パーティを弄れば変わるかもしれんが。
メンバー選びが只管重要で、試合が始まれば戦略の余地は非常に小さく、運の要素は非常に大きい。
……どう考えても「面白いゲーム」ではない。当然のようにそう感じて、気持ちが萎えてしまった。はぁ。

もう一つ、今作で非常に問題があるのが、戦闘の最終兵器である「とどめの一撃」と、それに絡む「つばぜり合い」だ。
パーティには「ゆうきゲージ」があり、何か行動すると溜まっていく。んでゲージが満タンになると「とどめの一撃」を放てる。
このとどめの一撃の威力は凄まじい。パーティHPは終盤でも3000を超える程度なのに、これは一撃で3300以上を固定で与える。
ゲージが溜まるまでに戦闘はある程度進行してるから、これが出る=戦闘終了と思っていい。ガチの最終兵器である。
それでいて、回避・防御手段が一切ない。相手のゆうきゲージが溜まった時点で試合終了。諦めるしかない。
強力な攻撃があるのはいいが、これはちょっと無茶苦茶である。平時のダメージ削りがアホらしくなる。何だよ3300て。
細かいバランス調整を、この大津波で全部洗い流そうという雑な意図を感じる。幾らなんでもおかしいよ。はぁ。

当然ながらこちらとしてはゆうきゲージを溜めることを狙い、また相手のそれが溜まるのを阻止する必要がある。
そこで登場するのが「つばぜり合い」システムだ。ゲージが溜めればお手上げだが、これで邪魔することは可能なのだ。
ターン開始前につばぜり合いのコマンドを入れると、発動。せり合いに勝てば相手のゲージをドーンとゼロに出来る。
そしてこちらのゲージは少し溜まる。状況次第だが、これの成否が大体勝敗に直結する。非常に非常に大事な要素である。
じゃあ、つばぜり合いの優劣はどうやって決まるのか? ……目押しです。そして連打です。原始的です。はぁ。

つばぜり合いが発動すると、まず「連打効率」を目押しで決める。左右に振れている効率ゲージを目押しで止め、決定。
しかる後に、連打連打連打。相手も同様の操作をしている。そして連打効率×連打 の数字が上回れば……競り勝った~!!
相手のゆうきゲージはゼロになり、ついでに1ターン麻痺。この幅の小さいゲーム性において、ほぼ「勝ち確」を手に出来る。
……しかしながら、当然そう簡単に勝たせてはくれない。連打は頑張ればいいとして、問題は連打効率の目押しだ。
効率ゲージの左右へのブレは非常に速く、いい位置で止めるのは難しい。鍛えればある程度は上手くなれるが、必中までは……。
何度も言うが、つばぜり合いの結果は勝敗に直結するほど重要だ。それが非常に不安定な要因で決まってしまうのだ。
「競り負けた~!」となった時の絶望感ったらない。安西先生も真っ青の負け確定。それまでの過程そっちのけ。はぁ。
途中まで優勢だったのにつばぜり合いに負けた時なんか……なぁ。いやよくあることだよ。運ゲー。運ゲー!!!!!


何でこのゲームはこんなデザインになっているんだろう。子供向けとは言え、どうにも調整が破天荒過ぎると思うのだ。
……これは恐らく、「元がアーケードゲームだから」なのだろう。家庭用じゃない。金を入れて遊ぶゲームなのだ。
アーケードゲームとは……まぁ今は昔とは大分違うだろうが、基本的に「100円で数分」という不文律があった。
1回1回に金を入れて遊んでもらうという性質上、「長くプレーされる」のは大変困ることになる。寧ろ早く死んでほしい。
そして死んだ上で、次の人の席を譲るか、追加の金を入れてコンティニューしてほしい。アケゲーはこういう思想で出来ている。
だからアケゲーにはステージに制限時間があったり、同じ場所に居続けると「パターン防止キャラ」が登場したりする。
ゲームの奥深さとはまた別の次元で、非常に刹那的な調整が為されている。それが比類なきアーケードゲームなのだ。

今作もアケ出身と考えれば、この作りも理解できる。確かにこれならコイン入れて遊ぶ形に適しているだろう。
パーティは3人に絞り、デッキの概念を削除。戦闘は2種類の技の選択のみで、カード介入は一回のみ。
そして運否天賦の要素を強くし、そうそう「攻略」できないようにする。攻略されると長時間プレーに繋がるからな。
……しかし、それが面白いのか? アケ出身と言っても今作はあくまで家庭用ゲームだ。家でプレーしているんだ。
この内容、対戦ゲームとしてもカードゲームとしても、とても品質が高いとは言えない。まぁ俺はCPU戦しかやってないが。
バトルを重ねるにつれ「このゲームダメだろ」という確信がどんどん固まっていった。はぁ。

そして、これは欠点と言うか俺の不満点だが……今作のバランス調整には非常に違和感があるのだ。
モンスターは色々登場し、彼らは様々な特技・呪文を使う。もちろんドラクエ本編に登場したものだ。当然のことだな。
しかし、だ。これらモンスターや呪文の「力関係」が、今作においてはどうもおかしいのである。納得できないのである。
例えば、スライムとギガンテス、どっちが強い? どちらとも言えない。長所短所があり、パラメータ総量は同じくらいだ。
呪文ではギラとベギラマ、特技での火炎の息と灼熱、これらもプレー上ではハッキリ言って差を感じない。誤差程度だ。
デンデン竜は火炎の息を使う。そこに灼熱持ちのダースドラゴンが手に入った。入れ替える。大幅パワーアップを期待する。
……が、実際には差は殆どない。ドラクエ本編では歴然とした違いがあるのに。非常に不自然に感じる。

モンスター格差はもっとそうで、例に挙げたように「強いモンスター」は実質いない。どいつも一長一短な調整になっている。
だからスライムがアークデーモンより役立つこともゴロゴロあるし、ドラキーがギガンテスの攻撃をひょいひょい避けたりする。
無論「強そう」な方が勝つこともあるが。とにかく一長一短で、最強モンスター、戦法がない。……これいいことか?
確かに対戦ゲームとしては適切かもしれんが、今作はあくまでドラクエありきだろう。俺の知ってるドラクエはこんなんじゃないよ。
レベル次第で差が詰まるというなら分かるが、今作にそれはない。パーティメンバーの組み合わせ方でパラメータ修正がある程度だ。
CPUにはスライム好きの少女(何かエロいな)がいて、スライム込みのパーティで戦いを挑んでくる。……コイツが、妙に強い。
これに負けると「何でこんなのに」と思わずにいられない。ゲームとしては正しいかもしれがん、ドラクエとしてどうなんだ。
分かる、分かるよ。これも結局アーケードゲームだから、だ。格差を作ると「強キャラパーティ」が跋扈することになるからな。
俺の知ってるドラクエじゃない。この違和感は今もずっとある。……やっぱこのゲーム、ダメだろ。はぁ……。


そんなこんなで、ムービーは長いわ多いわゲーム性が破天荒だわ、ドラクエを下地としておきながら調整に違和感だらけだわ……
今作はどう考えても「つまらない」ゲームであった。実際面白いとは思わなかったよ。売れなくて、値崩れも当然だと思ったよ。
……なのに結果的に50時間近くやり続け、裏ボスのダークドレアムまで倒しちまった。はぁああああ? 何よそれ?
1年半前の放置に入った時の俺にこれを教えたら、多分泡吹いて倒れると思う。ちょっと理解できない「ハマり」だった。
何でだろ。やり続けてる間も不思議でならなかった。んでしばらく考えたんだが……多分欠点、が良いように作用したんだろう。
運要素が強く、全然安定しない戦闘。故にハマってしまった。はぁああ? いやなぁ。上手いもんだわ……。

今作の戦闘は本当に運の要素が強い。ゲームを進めればより顕著で、「安定して勝つ」のは非常に難しい。
レベルを上げてもカードを増やしても、その状況に大して変化はない。成長の喜びがない。勝つか負けるか分からない。
……と言うことは? 「常に勝負が白熱する」とも言えるのだ。どの試合も必死。それに「運良く」勝てた時の喜び……っ!!
普通に「成長する」ゲームなら、時間をかければ強くなる。もちろん敵も強くなるだろうが、それを上回ることは可能だ。
だが今作にそれはなく、故に目の前の運任せな戦闘に必死。……故に、勝つととても嬉しいのだ。困ったことに。
まさか「攻略できない運任せなゲーム性」が、勝利の喜びを増幅させるとはな。いやはや、予想外にも程がある話だ。
ゲーム性を掴んでからは、もうすっかりハマってしまっていた。飛ばせないムービー? 慣れよ慣れ。はっはっは。はぁ。

予想外の(嬉しい)ハマり状態に入れたものの、そこからもゲームへの不満は多々あった。
ムービーの多さに付随し、読み込みが多い。Wiiだからなのかもしれんが、非常に頻繁に読むのでイライラする。
カードガチャガチャの利用回数に制限があるのが理解不能。「お母さんに怒られるから」て、店で買うのは幾ら使ってもいいのか!?
主人公をキャラメイクで作るのに、戦闘で実際に動くのはドラクエ5の「男の子」と「女の子」に固定。これもダメだろう。
OPムービーじゃ主人公が直々に戦ってるやん。あれは嘘か。何故男の子女の子が戦ってるのか意味不明だし。
そもそもこの「バトルロード」てゲームがどういうシステムで行われてるのか、世界設定的に説明されてないからなぁ。
現実でのゲーセン筐体みたいに、今作の中でも機械使ってるのか? なら町中での対戦はどうやってるんだ? となる。
もうちょい設定を詰めて、説明してほしかった。アケ出身とは言え、今作はあくまで家庭用ゲーム機用ソフトなんだから。

けどゲーム性以外で一番不満なのは「レベル上げの面倒さ」だな。これはゲームにハマれてもちょっとどうかと思った。
今作には「戦士」「僧侶」といった基本職に、「バトルマスター」「賢者」といった上級職が用意されている。
だが最初は基本職にしか選べず、上級職になるには基本職のレベルを上げて試験を受けなくてはならない。
……これが、非常に面倒臭い。幾ら戦闘自体は楽しめるとしても、あまりに冗長・単調すぎる。やってられるかいや。
しかし前述のように、上級職になるにはレベル上げが必要。魔物使い→モンスターマスター なんて、LV99を求められる。
今作の経験値稼ぎに「効率の良い方法」は多分ない。只管戦闘を重ねる。勝敗の不安定な。あああ。面倒臭い。
ここは我ながらようやったと思う。ゲーム性は逆転ホームランがあったが、この点は無理。明確な欠点である。
別途ミニゲームを用意してそこでも経験値を貰えるとか、日によってボーナスがあるとか、救済策を用意してほしかった。
製作者はそれほどまでに戦闘の面白さに自信があったのだろうか。まぁ結果的にはやり切れたんだしなぁ……。


ゲームモードは、アケ版を再現した「アーケード」と、今作オリジナルの「大会」モードがある。
ただどちらもレベルや経験値は共通しているので、その辺は気にせずやりたい方をやればいい。メインは大会モードかな。
アーケードモードにはキャラや世界設定の概念がなく、ただCPUと対戦するだけ。2回戦って勝ち抜けばボス戦がある。
ボスは「魔王」で、それに勝てば更に「大魔王」が出現することがある。大魔王まで出るのはランダム。多分。
魔王は竜王(人型)やハーゴンで、大魔王は竜王(竜型)やシドーとなる。ドラクエ9までの各種ボスが用意されている。
魔王らは単独で出現するが、その強さは桁外れで、パーティの相手より大変となる。大魔王となると尚更だ。
特に大魔王はHPが異様に高く、倒すにはとどめの一撃がほぼ必須。……となると当然、つばぜり合いの勝利が必要となる。
まぁ勝てる時は勝てる、としか言いようが無い。運だからな。アケモードはレベル上げには適してるからその際にやった。はぁ。

大会モードは、まず自分のキャラメイクをし、「竜神街」に住む小学生としてスタートする。小学4年くらいかな? 夏休み中。
竜神町ではバトルロードが大流行だが、主人公はやってなかったらしい。だが親父が大乗り気で、その影響で始めることになる。
この親父は暑苦しくて嫌なキャラなのだが、母ちゃんめっちゃ美人でビックリした。親父羨ましすぎる。俺が結婚したかった。
んで主人公は竜神町を歩き回り、チャンプとして君臨する「リュータ」を始めとした同級生とバトルを繰り返し、強くなっていく。
そして「最強戦士決定戦」「最強賢者決定戦」等の大会を制していくのが目標。職業別にあるので、制覇は大変である。

このモード、物語性に乏しいのが不満だった。バトルはあるもののイベントがなく、リュータらのキャラが立っていない。
開始時点で皆知り合いのようだが、俺は何も知らされていない。もう少しキャラ描写が必要だろう。ヒナちゃんのこと教えてよ。
主人公がドラクエってことで一切喋らんので、これまた感情移入も何もないし。今作はバトル主体ってのは分かるが……なぁ。
幾つもの大会を制して成り上がっていくのはなかなか気持ちよかったが、描写の少なさのせいでイマイチ浸れなかった。
あとリュータ強すぎ。3回も決勝で会うのに、3回ともめっちゃ強い。お前を倒すのに一番時間かかったよ。やれやれ。
こっちのレベル上げが非常に大変なのに、相手はすぐレベル75とかになるんだよな。いつ稼いでんだよ!! はぁ。

戦いを重ね、竜神町の代表として「代表勇者決定戦」を制すと、一応のEDを迎える。曲はドラクエ4ED(のアレンジ)。いい。
あ、今作のBGMは、当然ドラクエ本編の曲のアレンジな。バトルゲームだから戦闘曲はほぼ網羅してある。素晴らしい財産である。
特に開始時、ファイルセレクトの曲が「Love Songさがして」で、これが原曲に近かったから、始めず延々聴いてたりした。
こういうとこ、派生作品は本当に強い。最強のBGMを纏めて使えるんだからな。ある意味本編よりも豪華だよ。
あとドラクエのアレンジ曲って、毎回同じのを使ってるんかな? 今作の曲は「ヒーローズ」とほぼ同じに聴こえた。
まぁ別にいいんだけど。「この道わが旅」は相変わらず泣ける。アレンジであっても……。

……しかしEDを迎えてもまだゲームは終わらない。ここからが所謂「クリア後の世界」となる。
条件としては、全ての職業の大会を制覇すること。つまり大会モードでやれることを網羅すると……自宅に手紙が届く。
何とその手紙、ダークドレアムから。これはガチで魔神が顕現しているらしい。えええええ!? どういうこったい。
何か、バトルロードを遊んだ子供達の精神パワーか何かを使い、ゲーム筐体から具現化したとか。マジで。知らんけど。
……いやぁ、これちょっとどうなのよ。カードゲームで遊んでる世界に、そのゲームの大ボスがリアル登場って。
あまりの超展開に呆れるやら驚くやら。ただもちろんと言うか、別に世界征服とか言い出すわけじゃない。「我と闘え」と。
えらいことになったなぁ。まぁ運ゲーな今作では、誰相手でも結局「勝てる時は勝てる」わけなんだが……。

挑戦状を叩きつけてくるのはダークドレアムだが、その前に、1~9の大魔王+エスタークの計10体が前哨戦として襲ってくる。
ここでは明らかに大魔王たちがダクドレの手下として扱われている。……正直、勝手にこんな描写すんなと思う。胸糞悪い。
ドラクエはいつからか旧作ボスキャラのネタバレを平然と行うようになったが、同時にイメージも平気で崩してくれるようになった。
ダクドレはあくまでドラクエ6の超絶存在であろう。勝手に他作品に跨る最強キャラにすんなや。ここはかなり不満だな。
ともあれ大魔王達を倒していく。当然強いが、負けても続きから再挑戦可能なので、結構気楽にやれる。
大魔王戦は各作品のラスボス戦をBGMに戦う。何とも豪華である。今作、何気にかなり美味しいよなぁ。燃えたよ。
んで大魔王を全部倒した! ……すると目が赤くなった「真・大魔王」と戦うことになる。なんじゃそりゃあ!!
まぁここまで来れば何でもやるよ。真大魔王はかなり強化されているが、勝敗を決めるのは「運」。それがこのゲーム。
負けても勝てるまで挑めば、いずれ勝てる。そうしてるうちに何となく全部勝ってしまった。はぁ。

やっと勿体つけたダークドレアムとの最終決戦。コイツともノーマル・真の2回戦うが、まぁ似たようなもの。運。運。
真ダークドレアムを倒すと、主人公が「王者」であることを認める。俺の勝ちだ!! そして、2回目のEDスタッフロールへ。
今度のBGMは「そして伝説へ(のアレンジ)」。ううーむ、いい。長かった。頑張ったなぁ……。思いの外しんみりしたよ。
つっても、まだ続きはある。ダクドレ討伐後に開放されるカードも多いので、カードコンプを狙うならまだやることはある。
でも俺はこの辺でいい。さすがに疲れた。今作のカード、眺めてて楽しいもんじゃないしな。閲覧もしにくいし。

そうそう、忘れてた。今作最大の不満は経験値の稼ぎ難さじゃなく、カードアルバムモードのインターフェースだ。
もうこれがなぁ……酷い。多彩なカードがあるんだからパッと検索できるようにすべきなのに、異常にやり難い。
後半カードが増えてくると、目当てのモンスターを探すだけでも大変になる。一体何を考えてこんな分かりづらくしたんだろう。
モンスターカードには絵柄違いがあり、スライムだけでも6種類ほどある。それをアルバムで全部並べてやがるのはもう……。
能力的には同じなんだから、閲覧と選択は別扱いにしろや。こんなゴチャゴチャしたら混乱するだけだろ! 分からんのか。
ああもういい。アルバムモードの酷さはプレーしたら一発で分かる。マジで酷い。最低の仕事である。
カードゲームなんだからある意味一番大事なとこなのに……情けない。結局、今作は値崩れも当然のダメゲーなのかのう。はぁ。

グラフィックはどうだろう。WiiってことでそりゃHDではないが、品質もアニメーションも良い出来だったと思う。
あ、ちなみにプレーは最強勝ちハードWii Uの互換機能を用いて行いました。なんて便利な機能なんだ。Wii Uは神。
PS4は互換機能を全く持たず、XBOX Oneは個別タイトルで今やっている。Wii UはWiiの「完全互換」だ。格が違う。GK乙。
……なのに、何故かこの点が褒められることはない。実に不思議だ。いやマジで、この点だけはWii U素晴らしいと思うんだが。
もしかして、だが……Wiiのソフト資産に大した価値がないから、とか……いやいや! そんなわけない。そんなわけ……。

それはいい。グラフィックは高品質であろう。何気にWii末期のソフトだしな。アケ版そのままってわけじゃないだろうが……。
アニメーションも、飛ばせないこと以外に不満はない。全てのモンスターに複数のアクションを用意してある。手抜きはない。
原作に沿った技もオリジナルもあるが、概ねイメージ通りだと思う。ダメージに関しちゃ違和感あるけどね。
そしてスペシャルカードでは、歴代ドラクエキャラがこれまたアニメーションしながら様々な効果を発揮してくれる。
「秘剣ドラゴン斬り」「めいそう」「ぱふぱふ」等、種類は様々。本編以上の動きは見てて嬉しかった。

しかし今作のアニメーションの真骨頂は、「とどめの一撃」である。この時は、本当によく動く。見事だ。
とどめの一撃は発動した時点でほぼ勝敗が決まるとさっき書いたが、その「一撃の種類」を、カードで選ぶことが出来るのだ。
この際は手持ちのカード全てが選択肢となる。まぁ勝敗は決まってるんだから好きにしてくれというサービスかな。
モンスターカードを選べば、スライム系版、物質系版、ドラゴン系版といった系統別にとどめの一撃が用意されている。
そしてドラクエキャラが描かれたスペシャルカードを選ぶと、そのキャラが豪華絢爛なアニメでとどめの一撃を放つのだ。
このアニメは、ハッキリ言ってドラクエファンなら必見。どれも非常に凝っていて、見てて声が出た。素晴らしい。
2の3人が放つミナデイン(え?)、3の「伝説の勇者」が放つギガブレイク、5の「伝説の魔物使い」が放つ魔物大集合……
与えるダメージはどれも3300で同じだから、見た目を楽しむだけだ。でもどれも本当に見栄えがする。よくこれ作ったなぁ。
特に7のマリベルと9のサンディのやつは面白かったな。バカバカしくて最高。あっはっは。良いゲームだ。あっはっはっは。
ちなみに既出のアニメは、竜神町の自宅にていつでも見られるようになっている。この配慮もいい。
とどめの一撃はシステムには疑問だが、アニメーションはホント良かった。また別ゲームでこういうのを見たいもんだ。
……初代主人公「ロトの血を引く者」を金髪にしていたのは納得いかんが。超サイヤ人じゃないんだから……。

今作にはwi-fi対戦モードも搭載されているが、周知のようにサービスが終了しているので、これは現在完全に不可能。
まぁこの運任せシステムで対人戦がしたいとは思わんが。CPU戦のみでいい。寧ろやれなくてよかったかもしれん。
だがネットを使ったDLC要素は今も利用可能で、Wiiポイントを使ってカードや装備、そして「レジェンドクエスト」を購入できる。
これは1~9までのシナリオをアレンジして今作に落とし込んだもので、1本300円。……ちっと高いよなぁ……。
でも俺、実はWiiポイントが丁度300円残っているのだ。もう他の使い道はなさそうだし、これ買ってゼロにしよう! と思った。
……そしたら! 309円になってた! そう消費税アップだ! なんてこったしっかり適用されてたんかい! そらそうか!
というわけで買えませんでした。今更Wii専用の1000円を追加課金する気にはなれん。残念だが断念。はぁ。
レジェンドクエスト、一つくらいやってみたかったな……つーか一つはディスクに入れといて、他をDLCにしてよ。あー……。


ふぅ。
今作はアーケード版終了に合わせたドラバト完全版という体裁だ(多分)。つまり続編の可能性はもうないだろう。
ドラクエは派生作も多く出ているが、カードものとなると今はホゲ様になるしね。超儲かるし。笑いが止まらんし。……はぁ。
まぁ「過去のゲーム」だったな。でも予想外に楽しめたよ。頑張って放置を再開した甲斐があった。俺偉い。はぁ。
運塗れの安定しないゲーム性が、ハマりを誘発することもあるんだねぇ。まっこと、ゲームってのは分からんもんである。
ただ、ゲーム自体は楽しめたが、「ドラクエ派生作品をプレーした」感は不思議と薄いんだよな。うーむ。
モンスターの力関係とか、寧ろ本編にそぐわないとこもあるからな。そこはヒーローズやシアトリズムと違っていた。
ある意味「ドラクエらしくない」作品なのかな。成長要素に乏しいしねぇ。ま、しゃーないか……。

ドラクエは非常に価値ある資産だ。圧倒的な知名度があるモンスター、呪文、技、キャラ。それらを二次利用しない手はない。
だから外伝・派生作品は盛んに作られている。これからもその傾向は変わらんだろう。まぁ、それでいいと思う。
今年はとうとう初代の発売から30週年を迎える。スクエニとしても当然、最新作11を始め、色々仕込んでくるだろう。
俺としても、本編と同じかそれ以上に派生作品には期待したい。なんたって過去の資産をふんだんに使う豪華なゲームだからな。
比類なきドラゴンクエストの本編と、その脇を固める派生作品の今年の活躍を願って終わり。ドラクエ最高。ドラクエは神。
今作そのものではなくても、テイストを残した派生作品もいつか出してくれ。アニメーションには一見の価値があったからな。

……ただ、運任せなゲーム性は、出来ればこれっきりにしてね。いや面白かったんだけどね。今作は良かったんだけどね。
さすがにこれが日常になるのもどうかと思うのよね。もうちょっと介入し、攻略したい。贅沢言ってすみません。
はぁ。







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4 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-01-03 19:58:01
いつもブログ楽しく読ませて頂いてます。
この記事読んでさいごの一撃?的な奴のムービー集見てきたんですが…めちゃくちゃ痺れました。ド迫力で細かい原作再現もあって、こんなクオリティのものが2009年とかにもうゲーセンで流れてたんですか…!DQヒーローズの先駆けというか、今でこの興奮なんだから当時の人は更に感動しただろうなぁ。

自分は7に思い入れがあるので石板が揃ってキャラが飛び出してくる演出、アルスが海からオチェアーノの剣を手に取ってアルテマソードをする所とかもう見入ってしまって。しんくうぎりとかえんぎりを別れるまでに何回くり出しただろうというキーファは真空火炎斬り、と原作をわかってる人が絶対手掛けたなという演出で堪りませんでした。マリベルも傍若無人でらしさが出てて良かったです。

あとノーマークだった9も良かったですね。リッカの宿をチラリと映したり黄金の汽車と踊りまくるサンディとか。本編なのにどこか亜流な9ですがプレイした人の印象に残りやすい要素はちゃんと拾ってとにかく派手に!と作ってる感は素晴らしかったです。

動画サイトで○○○シーン集みたいなのは時々見ますが一番感動しました。想像するしかなかったDQの戦闘演出をこの迫力で映像化されると細かい異論も吹き飛ばすインパクトがありますね。
ゲーム自体は…。機会があればやります(苦笑)
返信する
Unknown (ota)
2016-01-04 01:41:03
コメントありがとうございます。

>この記事読んでさいごの一撃?的な奴のムービー集見てきたんですが…めちゃくちゃ痺れました。
……おお! でしょでしょ!! 嬉しいなぁ。今更このゲームのこと書いても誰も興味ないかなと思ったので。
どのキャラも非常に躍動感あるし、各種小ネタが挟まれてるし、動きもカッコ良く決まってるし、文句なしですわ。
ゲーセンの環境で見たらさぞ興奮出来たでしょうね。最初は声が欲しいとも思いましたが、これはこれでいいか。

>アルスが海からオチェアーノの剣を手に取ってアルテマソードをする所とかもう見入ってしまって。
剣で攻撃するキャラが他にも多い中、上手く差別化してましたよね。「分かってる」人が作ったんだなぁと思います。
キーファの一撃の際に妹ちゃんがゲスト出演してるのもよかったな。IFの世界ですねw

>ゲーム自体は…。機会があればやります(苦笑)
今でも500円程度で売られてるでしょうし、まぁ頭の片隅に置いておいて下さいな。
本文で書きましたが、ホント不思議な魅力のあるゲームです。とどめの一撃で大魔王倒すのは……最高……っ。
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アヘアヘキッズマン (Unknown)
2019-06-09 12:06:54
このゲーム小学生の時に凄いやってたなぁ~。
今になって考えるとムービーの合間にボタン押すだけの完全なる駄ゲーなんだけど猿みたいにハマってた。
歴代キャラがミサイルみたいにギュンギュン動いてるの見てみんな興奮してた思い出。
本編のグラが貧弱過ぎてグラフィカルなドラクエに飢えていたというのが大きいかも。
今はヒーローズがあるから見向きもされない様なゲームかもしれないけど、記事を読んだらまたやってみたくなったな。
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Unknown (ota)
2019-06-10 01:20:04
ああ、小学生の時のこのゲームやってたんですか……それは羨ましい。何というか、正しい楽しみ方だと思います。
>今になって考えるとムービーの合間にボタン押すだけの完全なる駄ゲーなんだけど猿みたいにハマってた。
本文でも書きましたが、単純極まりないように見えて意外とよく考えられているゲームだと思います。
勝てた時の喜びは相当なもんですよね。よく動くモンスターも、当時としては出色の出来だったことでしょう。

>今はヒーローズがあるから見向きもされない様なゲームかもしれないけど
ドラクエカードゲームはスマホに、動くモンスターはヒーローズに引き継がれていった感じですかね。
今作のWi-Fi対戦が今も可能ならなぁ……。
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